月刊サギサワ (講談社文庫 さ 62-3)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062636148

感想・レビュー・書評

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  • 学生の頃に愛読していた鷺沢さん。
    実家で手に取り、久々の再読。
    亡くなった年齢を超えてしまい感無量。
    小説も読み返そう。

  • 表紙裏

    18才でデビューし10年がたったサギサワ。泉鏡花賞を受賞した二十代なかば、日・韓・米・・・と世界を股にかけての、こんな救いようもなくだらしない何の役にも立たぬような日々があった!韓国留学時代の思い出から麻雀ばかりの東京の日々・・・。思わず笑ってしまわずにいられない、日常まるごと日記エッセイ。

    目次
    prologue
    july1992
    august1992
    september1992
    october1992
    november1992
    december1992
    january1993
    february1993
    february1993
    march1993
    april1993
    june1993
    july1993
    august1993
    september1993
    october1993
    november1993
    december1993
    january1994
    february1994
    epilogue
    october1997

  • こういう学びや学習に関するエッセイは好き。
    日記エッセイなので、文体はライトでユーモラス。そんな中にも、鷺沢さんらしい真面目さ、賢さ、繊細さ、深い感受性を感じる。
    わたしには及びもつかないほどの、パワフルさとで豪快さを持ち合わせており、恐れ多いのだけれど、でもちょっと自分に通じるところがあって、だからこの人の本はやめられない。ほぼ、中毒。誤解を承知で言えば、たぶん、通じるところ、というのは一言でいえば「何かを諦めていること」なのだと思う。

  • 同じ著者の韓国留学記『ケナリも花、サクラも花』の裏バージョン、というかその前後の日記。本人も、こんなの出版してよかったのか?というぐらい、雑駁でとっちらかった感じの日記なんだけど、逆に、それがパワフルでストレートで、読んでてわくわくしてくるかんじがして、ついつい周期的に読みたくなってくる一冊。なんかの仕事があがるたびに、○○発売予定、買うざます、とか言ってるし。意味がない、という意味で使ってる、意味レス、て単語も頻出で、使い方がユーモラスで、影響されて、使っていた時期もあったなぁ、と思い出したり。

  • 【月刊サギサワ】は、鷺沢萠が23歳〜25歳の時に書いた連載エッセイである。

    エッセイというよりは日記に近いものがあって、鷺沢萠をとても身近に感じることができる。

    基本的に酔っ払ってるか、麻雀してるか、締め切りに追われてる生活は、昔ながらの「飲む、打つ、買

    う」的な文筆家みたいで凄まじいものがあるが、あの美貌と当時20代前半という若さでのこの生活だか

    ら尚更、鷺沢萠という人間のスケールに驚くばかりである。

    この頃の鷺沢萠は、ちょうど韓国留学をしている時期でもあり、その様子がうかがい知れて嬉しかった。

    この韓国留学を経て、ぼくの大好きな【君はこの国を好きか】や【さいはての二人】が書かれたのかと

    思うと、嬉しくてたまらなくなる。

    このエッセイから垣間見える鷺沢萠は、とても豪快であり、強気であり、しかし、とても繊細な女性であ

    り、寂しがりやで弱く儚い。

    本当に絶妙なバランスで保たれている精神というものが、この頃からチラチラと顔を出していくのも見え

    てなんだか切なくなってしまう文面もある。

    生きていれば今年40歳だった鷺沢萠。

    まだまだ名作を世に送り出していたに違いない。鷺沢萠の作品について、ここで書くたびにぼくは

    「惜しい」とか「実に残念だ」とか書いているが、やはり、何度でもそう思ってしまう。

    でも、こうして彼女が綴った活字が残っている限り、ぼくらが目にする限り、彼女の世界は未来永劫に

    語り継がれ、残されていくのであろう。

    文豪とはそうものである。

  • この人のエッセイをもっと読んでいたかったなぁ

  • 何の変哲もないフツーの日記。売れたもの勝ちだなと思った。楽しいです。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鷺沢萠の作品

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