七回死んだ男 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4147
感想 : 557
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638609

感想・レビュー・書評

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  • ミステリと少しのSFを掛け合わせたような作品で、伏線の回収が気持ちよかったです。読みなれてる方は途中で気付いてしまう所も多々あるかもしれませんが、多くの伏線が散らばってるので、全てを回収される最後の所は楽しめると思います。

  • 同じ日を9周繰り返す「反復落とし穴」に突如陥る特異体質をもつ久太郎。資産家の祖父の後継者問題について話し合うために帰省中、落とし穴にはまってしまったことに気づく。仕方なく迎えた2周目から突然祖父が殺害されてしまう。祖父の殺害を何とか防ごうと孤軍奮闘するも、なぜか毎周殺害される。最終周に久太郎が辿り着いた結論とは。

    タリムリープする主人公がひっそりと探偵のように動き、殺人事件を防ぐべく奮闘するという王道ミステリーとは違った感覚の物語でした。設定はシンプルですが書き方でこんなに面白くなるんだと感動しました。

  • よくある、時間繰り返しのSFなのかと思ってたけど、しっかりしたミステリー小説でした。読んで良かったです。

  • ある日突然同じ日が9回繰り返される。平均すると月に数回その落し穴現象が起こる。そんな特殊能力を持った主人公。
    お祖父さんが殺された、その日、たまたま落し穴現象にはまり、お祖父さんを死なせない為、試行錯誤する主人公。

    よく考えられていて設定は素晴らしいが、もう少し設定を活かせるとよかった。

  • 西澤作品読了2冊目。
    最初に読んだのが「神のロジック」という強烈な独特の世界観設定で、非現実が織り混ざった物語にちょっと食傷気味だったのもあり、この作品も最後まで読み切れるか自信がありませんでした。
    しかし、さすが著者自身があとがきでも“代表作”と自己評価されているとおりで、とてもよく練り込まれた伏線が最後の最後ですっきりと回収されていて、後半は一気読みできました。面白かったです。

  • 東西ミステリーベスト100の70位の本作を読了。"タイムリープもの"と言う事で、設定自体は今は古くなった印象ですが、発表当時は斬新だったのかなと想定。

    仕方無いのだけれど、最終章の1つ前辺りの設定説明が少し複雑だったかな。それと、9回やり直す、となるとどうしても2回〜8回がダレる印象です(この間に新事実の発見があるので持ち堪えてはいるのですが)。

    2日連続で反復落とし穴に入る、と言うオチで辻褄は合っていたと思います。
    それと、"16歳の男子高校生"の主観が語り手なので、ポンポンと読めます。

  • 祖父が死んだ日を何度も繰り返して、その死を阻止しようとする久太郎は、やがて真相にたどりつく。なんとも酷い一族+αだ。祖父のことなどなんとも思っていない。そして最後の最後まで久太郎も読者も重大な思い違いをしてしまう。一種の叙述トリックだ。勘がいい読者なら気づくだろうか。また、全体的に久太郎のコミカルな語り口調が印象的で、シリアス感はあまりない。好きなのは、喧嘩のときの富士高兄さんの暴言と、座布団が飛び交う大乱闘のシーン。笑ってしまった。紛うことなき名作であった。先が気になる展開、真相もトリックも素晴らしい。

  • SFミステリーと言う、イロモノとも言われる作品だが、その設定をうまく生かし、ミステリーの要素も入っていて、夢中で読んだ。本格ミステリーばかり読んでいる人にはこういう変化球も読んでみるとまた違った視点が生まれるかも知れない。

  • 日本におけるタイムリープものの古典的かつ最大の作品。あとがきによると、著者にとってこの作品は本案が没になったための代替案だったらしいが、皮肉にもこの作品が最も高い評価を受けることになる。
    1日を9周する体質の主人公が1周目を終え、2周目を迎えると死ぬはずのない人が殺される。
    何故タイムリープの因果から逸れた事件が起きたのか、何故その人は殺されたのか。
    "騙される"と思って読んでみてください。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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