- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062639057
作品紹介・あらすじ
嘗邑(しょうゆう)を与えられた孟嘗君・田文(でんぶん)は、「天下万民のための宰相たれ」との孫びんの遺言で斉を出る。魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。激しい争乱の世と、人間を愛して生きた戦国の名宰相にして中庸の思想を体現した大器を描ききった、感動の歴史ロマン。全5巻完結。(講談社文庫)
嘗邑(しょうゆう)を与えられた孟嘗君・田文(でんぶん)は、「天下万民のための宰相たれ」との孫びんの遺言で斉を出る。魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。激しい争乱の世と、人間を愛して生きた戦国の名宰相を描ききった、感動の歴史ロマン。全5巻完結。
感想・レビュー・書評
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孟嘗君は食客に恵まれ、人に恵まれた。斉、魏、秦の宰相として大きな力をふるったのは人生の中年を過ぎた頃、と大器晩成の宰相として本当に人から評価されるようになったのは若い頃養父と実父に育てられ、いろんな人に会うことで人を見る目を養ったからだろう。
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宮城谷作品のベスト1。司馬遼太郎を読んで龍馬に憧れ、宮城谷昌光を読んで白圭に憧れる。田文ではなく。
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自分に全く馴染みのない戦国時代の話だったが、文章が非常に読みやすく、一気読み。
難しい読みの名前や地名に、必ずページの最初に出てくる難読漢字にはルビが振ってるのが親切。 -
白圭、田文といった登場人物が魅力的で一気読み。戦国の世で、仁義や調和を信念とした孟嘗君がとても魅力的だった。
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全5巻
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請われて各国の宰相を歴任、という人物もさりながら、それを許容する国の懐の深さに驚かされる。
COOやCEOがライバル企業にポンポン転職するようなもんだけど、世界目線だと、日本が異質なのかな〜、と考えさせられる。
ついでに、5月5日生まれの子供は親殺し、という冒頭のエピソードは特にフックにならないんだー、という物語全体への素朴な驚きも。そして不思議と読了が5月5日。 -
大国・小国が入り乱れる戦国時代を仁義をもって駆け抜けた孟嘗君。孟嘗君のような政治家は今の世の中に現れないものか。
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おもしろい
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全巻読破。最後までしっかり楽しめた。
師・孫臏の「天下万民のための宰相たれ」という遺言で魏・斉・秦の宰相をつとめる孟嘗君・田文。
白圭から受け継いだ「仁愛」の精神で施政を行い、孫臏から学んだ知略と食客たちの助力により困難を切り抜けていく。
激しい戦乱の時代ながら物語全体を通して実に爽快でスケールが大きく登場人物たちが生き生きと描かれている。
特に前半は白圭の人間性、後半は田文の成長していく姿にすっかり引き込まれてしまった。覇道・栄達を目指す時代の中で全く異なるスケールの大きさと魅力を持った親子だ。
今まで中国ものの歴史小説は北方謙三ばかり読んできたが、これからは宮城谷昌光も選択肢に入れるようにしなければ。