孟嘗君(5) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1998年10月7日発売)
4.07
  • (118)
  • (83)
  • (94)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 777
感想 : 39
4

斉の君主の家に生まれながら、魏の宰相となり、斉の宰相となり、秦の宰相となる中庸の人田文。
最後に出てきた馮緩が田文と洛芭の子だと暗示されるのもそうだけど、登場人物が濃密に関わり過ぎなところが、吉川英治っぽいなと思う。それは非現実的ではあるけど、フィクションとして面白い。

五巻まで読んで、やっと少しずつ国と人が結び付けられるようになった。
魏にいたのが龐涓や恵王や公子緩で、鄭両がいたのもここ。
秦は最初に風洪が風麗たちを連れて行ったところで、孝公が公孫鞅に律令を作らせ、徹底的な法治政治が行われた。が、人情に欠ける国になり、宰相の孟嘗君を追って鶏鳴狗盗の故事を生んだのもここ。
楚は他国と一線を画している感じ。秦に絶対的に敵視されている。詐りが多く信頼がない。
周はかつての中心。白圭が商売で成功するのはここ。
楚の屈原や、宋王に追われて田嬰と田文に守られた孟子、趙の胡服騎射など、国語や世界史で聞いたことのあるワードもちらほら。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月11日
読了日 : 2020年4月10日
本棚登録日 : 2020年4月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする