狐罠 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062648547

感想・レビュー・書評

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  • 『冬狐堂』シリーズ第1作。
    「旗師」と呼ばれる店舗を持たない骨董商、冬狐堂こと宇佐美陶子。国立美術大学教授の元夫仕込みの鑑定眼で、凄腕の美人古美術商として渡り歩いている。しかし、何かと黒い噂の絶えない同業者・橘薫堂に「目利き殺し」を仕掛けられ、贋作をつかまされた陶子。どうにも収まりのつかない心持ちの陶子は意趣返しの罠をしかけるが、その頃橘薫堂の外商・田倉俊子が死体で発見されて、、、。

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    おもしろかった!!古美術の世界に巣食うのは、まさに魑魅魍魎。騙すのは日常茶飯事、騙される程度の目利きが悪い。しかし、一方で疑わしきは黒、と贋作者やそれを商う者に厳しい一面もあったり、、、。自分も贋作の世界に足を踏み入れる決心をした陶子は、その底なし沼のような深さに足を取られて行くんです。彼女の胃の痛みを一緒に感じましたよ、私は!
    骨董界のこととか、贋作のこととか、すごく興味津々な話が満載というのも、楽しみの一つでした。
    それと、人物の設定が現実味を帯びすぎないギリギリのラインなのが、私にとっては良かったです。こういう世界に生きる人間もいるんだよ〜、っていう異世界感が逆にいいな、と。ただ、ものすごい勢いで読んでいったんですが、最後の最後だけはちょっと「んん・・・・」。(・・・この先ネタバレは↓に反転文字で♪)でも、そこまでの勢いがすばらしかったので、◎です♪オススメ!

    以下、ちょっとネタバレです。

    もっと大英博物館のキュレーター細野に存在感を持たせて欲しかったんですよね〜。最後の最後で、薄れちゃった。鄭さんのキャラもね。細野はもっとどす黒さを出して欲しかった、っていうか、そうなってしまった事情と、初めて陶子と会った時の明朗さ、ってやつとのギャップに本人が苦しむようなものがあったら、超、私好みだったのに^^;。それと、鞠絵の存在がなぁ、、、。途中の描写では、不思議と人に不快感を与えない魅力みたいなのを持っていたはずなのに、最後はただの直情おばかさんじゃん^^;。

  • だまし合いと駆け引きの骨董業界。事件は「目利き殺し」から始まった。古代のガラス碗の贋作に引っ掛かった陶子は贋作作りで、骨董商に仕掛け返そうとするが…。目利き殺しと贋作売買事件との関連は…。
    <br>
    【感想】
    http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200505270000/

  • 贋作事情がすこしわかった。すごい奥がふかくておもしろい。あいあかわらず登場人物がすきじゃないけど。
    でもわりと読める

  • 手繰り寄せられる時間と闇。

  • 陶子さんの活躍する第一作。

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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