びっくり館の殺人 (MYSTERY LAND)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062705790

感想・レビュー・書評

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  • 館シリーズ再読中。
    ちょっと趣向を変えた、講談社ミステリーランドの一冊。一応子どもも対象のレーベルだからか、語り手も小学6年生男子。ただし、ミステリー要素は薄めで、館ものの雰囲気を味わう感じかな。住んでいる人が常軌を逸しているのを除けばなかなか楽しそうなびっくり館(の一室)なのだが。
    ラストの不穏さはさすが作者。理で解決できないものが残っている。

  • 『館』シリーズは『十角館の殺人』しか読んだことがない。
    そして2冊目がこれ。ファンからは邪道だと言われそうだが...

    とある青年が古本屋で『迷路館の殺人』という名のミステリを手にする。そこから建築家中村青司と「館」に興味を持ち、インターネットで検索するうちに、過去の未解決の殺人事件にたどりつく。その舞台は少年の日の思い出の中にある、通称「びっくり館」
    「ぼくはもちろん、この事件を知っている」
    そして、長いあいだ心の隅にしまいこんできた記憶が、いま甦る。

    とにかく第二部の『びっくり館縁起』が強烈にキてる。
    そして再読すると心底ゾッとする。
    あまり犯人とかトリックとか深く考えず、幻想小説、怪奇小説として読むと楽しめるのではないだろうか。

    と、これは表向きの感想なのだが、この『びっくり館の殺人』って最後あんな感じで終わっているけど、「実はもっと別の解決、隠された真相があったんじゃないの?」って思っている。
    この話は、少年の目から見た事件の一つの側面が語られているに過ぎない。「ああ見えていたことは、実はこうじゃないの?」「実は真犯人はアイツじゃなくてアイツなんじゃない?」とか。
    なんか未回収の伏線がいっぱいあるんじゃないかなぁ、といろいろ妄想するのが楽しい。深読みのし過ぎだろうか。

    とりあえず『迷路館の殺人』と中井英夫の『虚無への供物』は読んでおいたほうがいいのかな?

  • おじいちゃんが本当にヤバいおじいちゃんです(笑)

  • とある古書店で、たまたま手に取った1冊の推理小説。
    読みすすめるうち、謎の建築家・中村青司の名前が目に飛び込む。
    その瞬間、三知也の心に呼び起こされる遠い日の思い出……。
    三知也が小学校6年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。
    いろいろなあやしいうわさがささやかれるその屋敷には、白髪の老主人と内気な少年トシオ、それからちょっと風変わりな人形リリカがいた。
    クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは、<リリカの部屋>で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に! あれから10年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが……!?
    (アマゾンより引用)

    そういうことかぁぁ!!ってなった。
    結末が何となく微妙だけど面白かった。

  • びっくり館ならぬ、がっかり感と言った人がいるとかいないとか・・・
    でもこれは、小学生~中学生向きに描いていただいて本なので、
    そこんところは許してやってください。
    館シリーズのスピンオフと言うことで。
    むしろ、これを読んで後になってから
    本格ミステリーというジャンルの世界があるんだと
    気付いてもれえるんだったら
    児童向けのミステリーランドも存在感あるんじゃないでしょうか?

    私は正直言って、綾辻さんこれが最初でした。
    (今回は2度目。当時子どもではありませんでしたが)
    やっぱり、不思議な建築家という印象とホラー的な内容は
    後あとまで残ってます。

  •  館シリーズだけど、ミステリーランドのための書下ろし、てことで、他のシリーズを読んでなくても読めるし、他の作品へのネタバレも少なめです。

     トリックとしては……ちょっとアンフェアなのでは…? という気がするのと、児童書だからか、結構簡単かな。

     あと、挿絵が怖い。
     すごいすてきな絵なんだけど、話の雰囲気と相俟って、すごい不気味に感じる。
     特におじいちゃんが腹話術やるとこのイラスト。
     怖すぎでしょ。

     それにしても、相変わらず鹿谷さんの出番の少なさたるや…。
     他のも読んでる人は悩まないけど、読んでない人は深読みしちゃいそうな気もするけど。
     でもマジ殆ど出て来ない!! 笑える。

  • ホラー系。でも 子供向けの話という事で読みやすかったし、挿絵がよかった。
    少年探偵団を読んでいた頃の昔懐かしい感じがした。
    暗黒館の話がちょっと出てきて、読んでおいてよかったと思った。

  • ミステリーランドで館シリーズが出るとは…。ネタは結構わかりやすいけど、暗黒館よりは好きかな。

  • 子供向けのミステリーランドシリーズのため、今までの館シリーズとは雰囲気も異なり、館シリーズであるのを忘れそうだった。

    犯人を庇うために密室を壊す、という普通のミステリーとは逆パターンな話。

    そこに、実は悪魔も絡んでいる、という怪奇小説も織り込まれている。
    推理小説として推理を楽しんで読んでいると、悪魔がどうとか出てくるともうなんでもありなのでは?と微妙に感じ、つまらなく感じてしまうかも。

    推理小説に捉われず怪奇小説として読むと、俊夫の笑みの描写から全てを見越して誘導していたこと、ラストの目の色などから底知れぬ怖さを感じ、怪奇小説としては楽しめると思う。

  • 背ラベル:913.6-ア

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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