冬の伽藍 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734677

感想・レビュー・書評

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  • 図書館の本 読了

    (BOOKデータベースより)
    舞台は軽井沢の別荘地。夫を交通事故で亡くした悠子は、同じく妻と死別した若き医師の下で薬剤師として働き始める。やがて2人は憎からず思うようになるが、一方で悠子は、医師の実父が露骨な誘いをかけてくるのを断りきれないでいた。医師の妻の死に実父が関係していることを悠子が知った時、悲劇は訪れる……。 15年間にわたる大人の男女の愛憎。美しい自然の移ろいを背景に、起承転結のはっきりしたプロットを持つ恋愛小説の王道だ。一昔前なら宮本輝の独壇場だったジャンルだが、今は、小池真理子がその後を継ごうとしている。(石飛徳樹)

    小池真理子なのに、読みにくいのはなぜ?
    私の好みがかわったの?それともこの作品だから?
    でもなぁ、好きな作家さんのはず!と思ってがんばって呼んで、300ページくらいで、そうそう、この感じ!って思ったけどあっという間にまたえー、苦手。。。。ってなっちゃった。
    なんだかなぁ。
    そして軽井沢は殺人になるのね。なぜか。

  • 小池真理子さんの本はこれで3冊目。

    面白いように引きこまれていくのは今回も同じだったけど、
    いつもパターンが似ていますねぇ。
    ちょっと3回続くともう良いかなって感じです。

    ちょっとした男女関係のもつれでの殺人というところが。

    前に読んだのは、殺人を犯してしまった女性がガンに侵されると言うもの。
    今回のは、殺人犯の彼女が余命わずか、というストーリー。

    殺人と病人を掛け合わせるのか小池さんの持ち味なのでしょうか?

    なにはともあれ、ちょっと出来過ぎたストーリーだけれど、
    一気に読めるくらい面白かったです。

  • 雪国を背景に置くと、なぜ物悲しい感じが出るのだろう…。
    昼ドラのどろどろした感じが楽しめますが、なんとなくしつこくない感じでした。
    恋愛を軸にして生きた女性のお話です。

  • 主人公の心の葛藤みたいなのを書いてある。
    私には結構理解できない所もあった。
    でも一人の人を愛し想い、続ける想いはすごいな、と思った。
    まさにその人に一生をかけている。そういう人がいる事は幸せだと思うけど、そういう生き方が幸せかとは分からない。
    私はやっぱり見返りとか期待しちゃうのかな・・・・
    引用したコメント。大好きな考え方

  • 好きな人がいるのに、その人の父の誘惑にのりそうになる・・・その気持ちがわからないなぁ・・・最後は切ないけど・・・

  • 小池真理子さんの作品を読むのは「望みは何と訊かれたら」「瑠璃の海」「エリカ」「虹の彼方」「恋」に次いで5作目になります。
    図書館で借りて読みました。
    マイミクさんのお薦めです。

    460ページありますが、スイスイ読むことが出来ました。
    3章に分かれています。
    第1章で280ページあります。
    第2章以降は食い入るように読みました。

    冬の軽井沢が舞台です。
    舞台は1983年から始まります。
    そのころの自分の記憶と重ねながら読みました。
    携帯電話がなかった時代、長野新幹線がなかった時代です。

    第1章は、夫を交通事故で亡くした主人公の高森悠子が、軽井沢の診療所に薬剤師として勤めますが、そこの病院の医師の兵藤義彦は妻が自殺しています。
    悠子は27歳、義彦は33歳です。
    境遇が似ているふたりは徐々に惹かれ合っていきます。
    フタリシズカの鉢植えを義彦に贈るところの悠子の心理描写はよく描かれています。

    義彦の義父の英二郎は60過ぎですが、好色な男です。
    妻とは死別しています。
    義理の息子の義彦と悠子が交際しているのを知っているのに、悠子に迫ってきます。

    義彦の妻美冬が何故自殺したかについては、義彦の見方と英二郎の話は食い違っています。

    事件は1983年の暮れに起きます。
    義彦が英二郎を殺害してしまいます。
    1983年の年末に私は失意の底にいましたので、個人的なことですが感傷に浸りました。

    第2章の手紙のやりとりは切ないです。
    義彦は拘置所で6年間過ごします。
    この間に悠子は再婚します。

    第3章は、1998年、第1章から15年後になります。
    義彦は48歳、悠子は42歳になっています。
    義彦は出所後、行方不明です。
    悠子は不治の病にかかり、余命幾ばくもない体になります。
    悠子の親友の摂子は死ぬ前に義彦と再会させたいと奔走します。
    第3章は、摂子の視点から描写されています。
    約束していたのに義彦から電話が入らないなど、サスペンションもあります。

    ラストの場面では二人は軽井沢駅で劇的な再会を果たします。
    ハッピーエンドです。

    英二郎の愛人の土方聡美や、患者の榊原奈津美など、脇役が生き生きと描かれています。脇役の視線からも作品を読むことができます。

    トーマス・マンの「トニオ・クレーゲル」が何度も登場します。
    悠子の亡くなった夫が愛読していた本です。
    悠子は「トニオみたいに、私もまた分裂してる人間なのかもしれない。感情的なのに理性的、俗っぽいのにそれを軽蔑する、生きたいのに死ぬことが怖くない、精神を大事にするのに肉体に素直な、二つの全然違う要素のあいだで板挟みになっている人間、どちらも真実で嘘はない」と語ります。

    面白く読みました。
    「望みは何と訊かれたら」「瑠璃の海」と同じくらい良かったです。
    小池真理子さんの作品は読み続けていきたいです。

  • 小池真理子さんの長編作品。
    「恋」に次いで良い作品だと思った。(08年10月12日)

  • 今回ブログを書くにあたり、読み返した作品。記憶率10%。
    夫を失った女性が、軽井沢で妻を失った男性と恋に落ちる。その中で、思いがけない殺人事件がおき、悲劇の結末に向かって物語が進む。
    小池真理子らしい、軽井沢の叙情的な風景を背景にしたストーリー。
    ただ主人公が、恋人の義父に心惹かれる理由が良くわからない。ここがとても重要なポイントだと思うが、理解できなかったので、ストーリーの深みがいまいち希薄。
    でも小池真理子的なおもしろさは十分にあるので☆4つ。

  • 小池真理子さん

  • 会えてよかった。摂子さんありがとう。心に残る愛。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池真理子の作品

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