A2Z (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 460
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736237

感想・レビュー・書評

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  • この作品を読んだのは2回目だ。初めて読んだのは学生の頃。大人の恋にただドキドキして、山田さんの織りなす美しい言葉の数々に想像が掻き立てられた。結婚して、主人公と同年代になってから読んだ今回は全く違う感じ方をした。恋と結婚の違い、旦那と恋人に求めること、自分であって自分じゃなくなる感覚、そしてそれを全て安心に変えるものが何かを分かってるから、この作品に何度もドキッとさせられた。それはトキメキじゃない、確信をつかれたことへの罪悪感と恥じらいなのかもしれない。

  • 2018/8/26
    主人公の夏美とその夫の一浩の夫婦生活の話かと思いきや、2人とも浮気してるし、それを容認しながら話が進んでいくので、違った視点から考えながら読んでいった方がいいと思いました。
    簡単に言うと、恋と愛の違いなのかなーとも思ったりしましたが、この独特の世界観での設定はとても面白いと思います。
    妻としての夏美と恋人としての夏美の気持ちの面での描写の違いとか細かく描かれています。一浩サイドの描写は、主人公が夏美なのでほとんどありません。
    夏美の浮気相手の成生も、浮気していることを自覚しながら、それでもなお夏美と付き合おうとするし、もうめちゃくちゃだなあという感じです。でも、はたから見たらめちゃくちゃでドロドロな状態を全く感じさせない文の書き方がされているところが読み終わって何だか不思議に感じた部分でした。

  • 恋が生まれてから死ぬまでの話
    いわゆる不倫なのだけど、不思議と嫌らしさがなくて面白かった!

  • 恋に溺れて馬鹿になっている姿が、幸せそうなのにずっと切なさが付き纏っていて、読みながらなんだかずっと悲しくて泣きそうだった。なんなんだろう。

  • 仕事、夫婦、恋人と自分との関係をこんなふうに書いた小説があったなんて。夫に恋人がいても身についてしまっている夫婦間の小さな気遣い。自分がいかに現状の関係の上で傲慢か気づかされた。世間的にどうのではなくあくまでも二人の関係を気づいている主人公夫婦は素敵だった。山田詠美の良さがこの年にしてやっとわかった作品だった。

  • 結婚は契約である。
    でも、関係を表すなかで"夫婦"というものは、必ずある。
    不倫が善か悪か、という話ではなく、夫婦について考えたいときに読みたくなる一冊。

  • 友人みたいな夫婦がお互い離婚し合い戻って来る物語。
    恋愛の身勝手さや、大人の大人になりきれない感が描かれている。

  • さんかいめ。

    大人だからこそ、本気で真剣に恋に落ちる。
    通う恋。
    帰る場所がある愛。


    山田詠美の文章には、ほんと、震える。
    「寂しさは、恋を容易にするよ。」

  • 男女関係の複雑な物語をさらっと大人の女性、大人の恋として読ませるのは、女性作家、山田詠美なのかな。
    山田詠美、初めて読みました。ユーモアもあって時々吹き出した。面白かった。
    夏美がとても魅力的。考え方が、恋愛では、少女。仕事は、男なみ。
    パートナーがいながら、お互いに好きな人ができる。
    男性作家では、全く違う物語になると思う。
    いくつになっても相手がいても恋ができるっていいんじゃないかな。って思わせる恋愛小説。
    男女関係をお洒落に描写。どろどろみせないところが女性作家なのかな。
    エキノックス。いいね。

    山田詠美もう一冊読んでみたいです。

    • 9nanokaさん
      実はこれ、まだ読んだことがありません。本棚で行儀よくしています(^^;;
      夏実さんかっこいいですね。お互いに好きな人がてきたら崩壊しそうで...
      実はこれ、まだ読んだことがありません。本棚で行儀よくしています(^^;;
      夏実さんかっこいいですね。お互いに好きな人がてきたら崩壊しそうですが、違うんですね。刺激が強そうだなと読み渋っていましたが、読んでみたくなりました。
      男性作家と女性作家、全然違いますよね。
      私も男性作家を探したいです。
      2014/08/22
  • 恋は大人を子供にさせる。
    でもナツや一浩の恋は
    めちゃくちゃ大人だと思うの。
    英語はぶっちゃけ得意でないので・・AからZまでの26文字にこめられた意味を深く考えずに読んじまった。
    でも26文字なんか考えなくても いっぱいドキドキしたよ。
    郵便局員ってめちゃくちゃダサい人しか見たことないんですけど(すみません)
    でも成生はオサレーに見えちゃう。
    いつも決まった郵便局しか行ってないけど・・・ちょっくら探してみるかな?・・
    現在進行形で進みつつも・・・・いつのまにかことが進んでて・・それを語ってたりで・・上手いなーさすがです。。。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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