黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749459

作品紹介・あらすじ

美しい謎が去来する永遠の島を目指して

太古の森をいだく島へ――学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理(ゆうり)を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。

感想・レビュー・書評

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  • 大学時代の友人4人で旅行をしながら、"美しい謎"について語り合ううち、あえて触れずにきた過去が明かされていく。

    重い展開になりそうな予感がしつつも、先が気になる。。

  • ノスタルジーな雰囲気で、読み甲斐がある。会話が面白いし、こういう登場人物視点での章はあんまり得意じゃなかったけど、これは面白い。
    そして、シリーズで世界が繋がってるのがまた良い。

  • いつ読んでも面白い。繰り返し読んでいる

  • 理瀬シリーズ3冊目に入る。
    「三月は深き紅の淵を」の中で、誰が書いたとも知れぬ小説『三月は深き紅の淵を』の第一章が『黒と茶の幻想』で、4人の壮年の男女が屋久島と思われる島を訪れて謎について語り合う物語と紹介されていたが、それがここにつながる。

    学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子が、卒業から十数年を経て日常から離れて大自然が残るY島を旅する。四人がそれぞれ語り手となって進む章立てで、あの時はああだったこうだったという会話と独白で進むお話。

    利枝子の章。
    ずっと四人の会話と利枝子の独白が続くが、表面上は何事もなく心の中は疑心暗鬼といった感じで、最初は読むのがかなりしんどい。
    旅のテーマらしい“美しい謎”の話もぽつぽつと出て来るが、唐突な感じでまだ興が乗らず。
    80ページを過ぎてから、憂理のことが出て来て、そこから物語が動き出すかに思えたが、憂理の存在がなければ今のところあまり面白くない。
    憂理は会話や回想の中にしか出て来ず、本書から読み始めても違和感はないと思えるが、前作の彼女を知っていたらより緊迫した感じがするようには思える。

    さて、、、私はあの場所で蒔生の姿を目撃していたのだ? 最近、梶原憂理が亡くなったらしい? 蒔生が持っていた赤いビロードのリボンって?

    彰彦の章。
    ここになると語り手の性格もあるか、ようやく筆が滑らかになり、Y島の景色とともに“美しい謎”めいた話や蘊蓄めいた小噺が次々と流れ出す。
    よくもまあこんな『くだらん話』が続くなぁと感心するが、作者の持っている小ネタが惜しげもなく語られては大半は大した意味も持たされることもなく次に進んでいくのは、ある意味贅沢な作りだとも思える。
    『一番』シリーズは定番だが、各人の人となりを表そうとすると手っ取り早く使い勝手は良いよね(ここで「リトル・ロマンス」が出てくるとは思わなんだ。私も大好き)。

    じゃあ、、、梶原憂理は、あいつはいったい何だったんだ?

    ★は下巻にて。

  • 視点が変わってそれぞれ読んでいくとすごく面白い
    恩田陸好きだなあと感じた

  • ミステリーのオチは予想がつくものの、構成がよく練られている。サイドストーリーや小ネタもあり飽きない。
    屋久島を旅した事があるので、島の自然については盛りすぎに感じてしまった。どの本でもそうだけど、読んでから旅をする方が、読む前に旅をするよりずっと楽しい。
    現実味のあるキャラクターが少しデフォルメされて登場する。彼らの語る心象風景は、どの人物もどこかしら共感できる。
    描写が映像化ありきのような直截さで、好みが分かれそう。

  • 男女4人の美しい謎を求めて旅する物語。
    「美しい謎」とは??
    上巻の大部分はぐだぐだしていた印象をうけた。
    ラストにようやく殺人事件が登場。
    真相に儚いと同時に憤りを感じた。
    続けて読みたい。

  • 結構前の作品ですが、今更ながら初読み。過去の謎を解きながら現在のそれぞれの気持ちも絡み合うちょっとミステリアスな内容で、下巻も気になります。

  • 東野圭吾さん的なミステリ。構造がしっかりしてて、納得できる謎がうまいこと散りばめられている。
    キャラクターが立っていて言葉遣いがきちんとかき分けられているのと、真理や風景描写がナチュラルで瑞々しいぶん、恩田さんの方が魅力的。
    テーマの一つが男と女だから、少々生臭く、それが森との対比で浮き上がる。
    そこは好き嫌いが分かれるポイントかも。

  • 再読。
    10年ちょっと前に、高校生だったときに読んだ時より格段に面白く読めた。
    読む力が成長した…というよりは、当時は過去を顧みるなんてことを知らなかったし。
    という具合に、登場人物たちの会話劇を楽しみつつ、自分と他者の関係や学生時代を思い出したりしてしまう力のある作品で、こういうところがこの頃の恩田作品が書評などで「ノスタルジー」で語られていた(そういう記憶がある)所以かな、と今更ながら思えた。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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