黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4287
感想 : 357
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749459

作品紹介・あらすじ

美しい謎が去来する永遠の島を目指して

太古の森をいだく島へ――学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理(ゆうり)を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーのオチは予想がつくものの、構成がよく練られている。サイドストーリーや小ネタもあり飽きない。
    屋久島を旅した事があるので、島の自然については盛りすぎに感じてしまった。どの本でもそうだけど、読んでから旅をする方が、読む前に旅をするよりずっと楽しい。
    現実味のあるキャラクターが少しデフォルメされて登場する。彼らの語る心象風景は、どの人物もどこかしら共感できる。
    描写が映像化ありきのような直截さで、好みが分かれそう。

  • おじさん・おばさんになった学生時代の同級生の男女がY島を巡る。何てことないストーリーなのにすごく怖い。誰もが人前で隠している本音や本性は、知りたくても覗かないままの方がいいのかもしれない。

  • 『三月は深き紅の淵を』に続き、再々読。

    大学の同窓生である4人の男女がY島を旅する話。
    ”美しい謎”と各々の抱える過去と現在を思索する旅。
    文庫だと上下巻に分かれる頁数としてのボリュームもさることながら、一番の特徴は森と物語の濃密さだろう。

  • 何度も読んだ。何度読んでもいい。学生時代の友人達のそれぞれの思いを秘めた屋久島への旅。私もいつかこんな旅がしてみたい。

  • すごく好き。何度も読み返す。読み返すたびに共感する人物が違う。好きな場面はなく全体の雰囲気が好き

  • 理瀬シリーズ3冊目に入る。
    「三月は深き紅の淵を」の中で、誰が書いたとも知れぬ小説『三月は深き紅の淵を』の第一章が『黒と茶の幻想』で、4人の壮年の男女が屋久島と思われる島を訪れて謎について語り合う物語と紹介されていたが、それがここにつながる。

    学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子が、卒業から十数年を経て日常から離れて大自然が残るY島を旅する。四人がそれぞれ語り手となって進む章立で、あの時はああだったこうだったという会話と独白で進むお話。

    利枝子の章。
    ずっと四人の会話と利枝子の独白が続くが、表面上は何事もなく心の中は疑心暗鬼といった感じで、最初は読むのがかなりしんどい。
    旅のテーマらしい“美しい謎”の話もぽつぽつと出て来るが、唐突な感じでまだ興が乗らず。
    80ページを過ぎてから、憂理のことが出て来て、そこから物語が動き出すかに思えたが、憂理の存在がなければ今のところあまり面白くない。
    憂理は会話や回想の中にしか出て来ず、本書から読み始めても違和感はないと思えるが、前作の彼女を知っていたらより緊迫した感じがするようには思える。

    さて、、、私はあの場所で蒔生の姿を目撃していたのだ? 最近、梶原憂理が亡くなったらしい? 蒔生が持っていた赤いビロードのリボンって?

    彰彦の章。
    ここになると語り手の性格もあるか、ようやく筆が滑らかになり、Y島の景色とともに“美しい謎”めいた話や蘊蓄めいた小噺が次々と流れ出す。
    よくもまあこんな『くだらん話』が続くなぁと感心するが、作者の持っている小ネタが惜しげもなく語られては大半は大した意味も持たされることもなく次に進んでいくのは、ある意味贅沢な作りだとも思える。
    『一番』シリーズは定番だが、各人の人となりを表そうとすると手っ取り早く使い勝手は良いよね(ここで「リトル・ロマンス」が出てくるとは思わなんだ。私も大好き)。

    じゃあ、、、梶原憂理は、あいつはいったい何だったんだ?

    ★は下巻にて。

  • 大学生時代の友人がY島に行き過去の清算なのか、4人が思惑を胸に旅行をする。
    上巻は利枝子と彰彦が主役で過去を振り返って胸のうちを解放させる。
    2人の気持ちや考えにのめり込んであっという間に読み終わってしまう。
    前に読んだのにほとんど記憶に残ってないのは何故なのだろう?
    でも毎回のめり込んで読んでしまうのでつまらない訳ではない。

  • 結婚しないで、と言えた彼女に拍手。そうなりたい

  • 「三月」の1章で語られ、4章でまさに書こうとしていた「三月」の物語。なんだかモヤモヤして、ちょっと読むのに時間がかかった。まさかここで、憂理が出てくるなんてね。女優を目指していて、あの学園での事件を一人芝居で演じて、もう笑うしかない。どこまでも「三月」が、理瀬たちの面影が、私に付き纏ってくる。ただの物語だと思ってた、交わらないと思っていたのに。

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著者プロフィール

1964年生まれ。92年『六番目の小夜子』で92年デビュー。『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、『ユージニア』で日本推理作家協会賞、『中庭の出来事』で山本周五郎賞、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞。その他『ドミノin上海』『スキマワラシ』『灰の劇場』『薔薇のなかの蛇』など著書多数。

「2021年 『SF読書会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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