分冊文庫版 狂骨の夢 上 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.66
  • (47)
  • (87)
  • (122)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 808
感想 : 50
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751568

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今回は髑髏を巡る宗教の話をテーマに、フロイトを軸にした心理学の話、日本に根ざしている密教の仕組み、日本神話にまで遡る壮大な推理、と相変わらずの薀蓄がたっぷり。
    ちょっとご都合主義的な展開もなくはないですが、前半でちりばめられた無数の伏線が一つ一つ、見事に解かれていく様はやっぱり面白い。
    榎木津のやりたい放題っぷりが炸裂している今作。彼が言い放った「僕も神だ」はある意味名言。彼のお陰でこの作品にあまり悲壮感を感じなかったような気が…。

    そうそう、ラストが京極堂作品にしては似つかわしくないくらいに清清しかった。

  • き−39−106

  • 1月30日には読了。

    分冊文庫は読みやすくていいね。

  • 08/11/29

  • とんでもない始まり方だなあ。
    どう解決するのかをじっくりと味あわせていただこうかと思ってます。

  • ■内容(「BOOK」データベースより)
    「妾は人を殺したことがあるんでございますよ」。湘南の保養地、逗子で遊民・伊佐間は朱美と名のる女と出会う。彼女は幻想小説界の大御所・宇多川崇の妻。しかも奇怪なことにこれまでに何回も夫を手にかけたという。あまりに妖しい告白を聞かされた元精神科医の降旗と牧師・白丘は激しく惑乱して。

    ■感想
    取り扱っているものがものなだけに、全体的に白昼夢のような雰囲気が漂う。
    そういえば姑獲鳥の夏、魍魎の匣と映像化したけれど、狂骨の夢もするんだろうか?
    これは映像化できないトリックがあると思うんだけれどなあ。

    狂骨の存在をしらなくて、調べてみたんだけれど、これは本当に骨なんだなぁと。
    以下wikiより転載。

    井戸などに捨てられて白骨化した死体が、その強い怨念により死霊化したもの。その姿は白髪をした骸骨の幽霊そのものである。

    幽霊になってまで骨。ううん、深い。

    狂骨に限らず、京極の何がよいかというと、薀蓄が無駄じゃないところ。これこれこういう薀蓄が前提としてあって、そしてその後が展開する。それがいいんだな。

    京極を発端(じゃないかもだけど)に、薀蓄を垂れ流す本が本当に増えたなあ。ラノベは特に薀蓄は本当に薀蓄だけで、そのあとに続かないので非常に退屈。ただ薀蓄が読みたいだけだったら、小説じゃなくて百科事典かwikiを見るよーと思います(百科事典もwikiも大好き)。
    京極はそれをかなえてくれるから非常に嬉しい。

  • 昔、友人に借りて読んだことがあったのですが、あんまり内容を覚えてなくて、まるで初めて読んだかのように面白く感じました。

  • 相変わらず理不尽で救われない部分もありますが、この話はとても好きです。それぞれの立場の人間が、自分の望みを賭けて動いた結果の「不思議」。目的の「髑髏」の謎解きは迫力満点で、ひたすら感嘆。

  • さくさくいけた。これが魅力なのか・・・?
    わかってから読んでるから、ハラハラするよね。

全50件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

京極夏彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×