- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062757492
感想・レビュー・書評
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調べてみたら中一の時だった。所謂バタフライナイフ事件が発生したため、木村拓哉主演のドラマ「ギフト」の再放送が打ち切られ、世間から一切封印された。記憶を失った主人公が「届ける」事に拘る原因となった出来事とは何か、由紀夫の正体は何者なのか、ついぞ分からずじまい。
あれから17年。心の底に引っかかっていた疑問がふとしたきっかけで再浮上。ドラマは相変わらず封印されていたが、ノベライズの存在を知り読んでみた。17年来の謎が解けた。いい話だった。
どんなに重い罪を犯してしまった人間でも、その内面には良心があり、人生において蘇生のチャンスがある。そして、人間には「赦す」という偉大な行為がある。それが『ギフト』のメインテーマだったと飯田譲治氏が文庫版あとがきで書いている。カート・ヴォネガットの『デッドアイ・ディック』にインスパイアされたと。
表裏一体である善悪の一方だけを描ける筈もないのに、バタフライナイフの一件だけ抜き出して犯罪への影響を単純に認めてしまった当時のマスコミの姿勢が、安直な思考停止以外の何物でもなかった、と千街晶之氏も解説で断言している。
この世界の必然であるならば、あと十年〜二十年の間には封印が解かれる機会に恵まれるかもしれないと飯田氏。
17年経ってもなお結末を知りたいと思う私のような人間がいる限り、必ずやその日は訪れるでありましょう。
誤植2箇所見つけました。
そのうち一つは角川文庫版から踏襲されている。
要らぬ字が一文字入っているだけで、正反対の意味になってしまう芸術的な誤植。飯田さんに伝えたい(笑) -
ドラマ好きでした
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記憶をなくした青年が「届ける」にまつわる出来事をとおしながら、自分を取り戻すまでの物語。登場人物のキャラクタがたっているためイメージがしやすくい。木村拓哉主演のフジテレビドラマ原作本。
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病院で目覚めた由紀夫は自らの記憶を失っていた。どうやら彼は消えた51億円の行方を掴んでいるらしく、周囲には謎の女社長・奈緒美ら怪しげな面々が。奈緒美の考案で、頼まれたものは何でも運ぶ「届け屋」となった由紀夫。果たして彼は、失くした過去を取り戻せるか。ミステリータッチで描く感動のストーリー。
記憶をなくすことは、時にいいなぁ・・・
なんて思うときがあります。
忘れてしまいたいこともあたりまえですが、多々ありますからね。。。
でも、忘れたいようなことがあるから、きっと今の自分はあるんだとも思うのですよね・・・
人間ないものねだりってやつでしょうか??
ねっ -
おもしろかった!この作者の作品は結構好きで読むけどこれもよかったな。
記憶喪失の男が届け物屋をしながら記憶を取り戻していく話。
作中で起きていることは重いのに登場人物の軽いノリや行動で面白く読めた。読み終わった後にこれがノベライズだって知って原作のドラマ観たくなったけどバタフライナイフ事件のせいでほぼ不可能っぽい・・・
それだけが残念!ドラマ観てみたかった。 -
木村さんのドラマのノベライズ。
滅多にノベライズなんて買わないんだけどこれは正解でした。
立派に「小説」として成り立っている。
ミステリ好きにおすすめの一冊。
あーーDVD出ないかなぁ。