電波男 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (600ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759243

感想・レビュー・書評

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  • あらゆることから超越している印象がかっこいい。でもほどほどがいいと思う。何事もつきつめるとしんどくなる。

  • 両親から承認が得られなかったキモメン男子(自称)がどんなもんかを滔々と語ったオタクによる自己解説本。
    女にモテるにはなにより「俺を見てくれ!愛してくれ!」という心の欲求をいったん我慢して女の話を聞いてうなずいてやらねばならない。なぜそんな簡単な技術が全く知れ渡ってないのか謎。本田氏がモテなかった理由は第一にこれだと思う。最初に「得る」ことを考えちゃったら普通の人はまずモテないよ。そして第二に「相手を間違えている」。仮想敵として「30代負け犬」「恋愛資本主義に毒された女」を設定してるけど、それ以外の女は沢山いる。なぜそこに向かわないのか?理由は多分、彼女らがあんまり可愛くないからだろう。『どうせ私のこと理解してくれないんだったらイケメンかお金持ちがいいわ』『どうせ俺のこと許してくれないんだったら、理想の二次元キャラのほうがいいや』要するにお互い様です。でも越えられないんだよね、自分をキモメンだと信じてるから。母親ですら愛してくれなかったのに、まして他人である女が愛してくれるわけないと信じてるから。
    多かれ少なかれ、こういうメンタリティは誰にでもある。もちろん私にもある。「恋愛資本主義」は「容姿至上主義」で「自己愛資本主義」だから、ブサイクも同じように苦しんでますよ。まぁ、「いくらオタクでもブスは勘弁」ってなもんなんでしょうが。

  • 引用や例えが秀逸過ぎて、こんなに笑いながら見た本は始めて。
    女=恋愛資本主義
    オタク=恋愛脳内共産主義
    の考え方は面白いと思った。

    タクシードライバーのトラヴィスやマトリックスのネオがキモオタっていうのも頷けるし、、、

    とにかく最高な内容で間違いない!

  • エルメスのティーカップを叩き割れ!!

    この小気味良いフレーズに彼の主張のすべてが詰まってる気がする
    恋愛資本主義を批判し2次元の世界を愛するべきだとする彼の主張は非常に興味深く、大切なものである

    しかし、彼自身が述べているように3次元と2次元の配分をどのようにするかは個人の自由である

    そのことを理解し一歩引いて読まなければ、強烈なほどの影響を受けてしまいかねないので注意も必要である

  • アマゾンから届いた商品を見た時、その厚さに驚いたけど、本の内容が笑える所もいっぱいあり、割と一気に読むことができた。
    自分はまだ活字に慣れていないので、とても自信になった。

    本の中身としては、ある意味危険な本だと思う。
    その「危険」というのはこれまでの自分の生き方や信条のようなものに、衝撃を与えてしまうもので、考え方が180度変わってしまう可能性も有り。

    2次元と3次元の区別を明確にするために、自分自身の妄想力をもっと鍛えねばならず、目から鱗の落ちる思いだ。
    著者の本田さんの生い立ちから現在の信条が形成されたことに、僕自身は何の不幸もなく普通の家庭に育ったけど、そのことはすごく幸せなことでありながら、それゆえに本田さんの言われる「恋愛資本主義」にどっぷり浸かっている面もあるのだなと考えさせられた。

    これからもっと僕なりに「萌え」を追求し、現代社会のメディアやマスコミの言いなりに踊らされないようにしたい。

  • 恋愛資本主義に染まった現実社会の女性から
    相手されない恋愛弱者=オタクが
    自分を無条件に愛してもらう女性を求めるのなら
    それは脳内彼女と恋愛するしかないだろうと解く
    萌オタにとっての理論武装の書。

    「三次元の現実社会を捨てて二次元の妄想社会に生きよう!」
    「×○×は俺の嫁!!」

    しかし、そういう思考は現実の恋愛に生きる者から見れば
    現実逃避としてしか映らない。

    犯罪や戦争が現実世界から無くならないのと同じレベルで
    100%自分の理想を満たす恋人など
    この現実には存在しない事は誰でもわかっているのだ。

    しかし、それでも人間は現実世界で生きてゆくしかない
    敗れるとわかっていても、困難に立ち向かう姿こそが尊く
    そこにこそ、喜び、悲しみが生まれるのだ。

    そう言う意味で「電波男」でくり広げられている理論は
    「結果」だけを見るとハナっから間違っている議論なのだ。

    だからと言ってこの本が価値が無い物であるわけではない
    本田透は「恋愛資本主義」によって現代日本の文化活動を一刀両断に論じ
    喪男のルサンチマンこそが人間の文化活動の根源的欲求だと主張する。
    その論証過程の新奇制、迫真性こそが
    この「電波男」という本を
    文化をひとつの原理によって説明する「哲学の書」へと
    引き上げたり上げなかったりするのではなかろうか・・・

    (尻すぼみEND

  • なんていうか、全体的に冗長な感じが否めない。もっと短くできただろって思う。伝えたいことが終始一貫してるともいえる。

    引用が非常に面白い。

  • (推薦者コメント)
    『喪男の哲学史』で哲学を解釈し直した本田の心の闇と現代社会への不満。資本主義社会において“恋愛”とは何を意味するものなのだろうか。資本主義の手段の一つと化した“恋愛”の意味と、別の経済の手段を探り、軽快に語る一冊。

  • 欄外の注釈文が地味に面白い。異性としては、この博識と哲学が別方向に向いていたら…とちょっぴり残念。

  • 09030

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