- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062759984
作品紹介・あらすじ
郊外に家を構え、還暦を過ぎて会社も勤め上げた父親、結婚を控えた恋人のいる息子、母親の誕生日に携帯電話をプレゼントする娘、老朽化した家屋の建て替えを娘と相談する母親…。人生の区切りを迎えてようやく訪れた家族の穏やかな日常にしのびよる、言いしれぬ不安の影を精緻に描き出した連作短篇集。
感想・レビュー・書評
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具体的な事柄を淡々と組み上げることによって生じる、意外なリアリティ。
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芥川賞選んでた人だから偉いんだろうな、と思って読んだら、やっぱり偉かった。書道でよく「字が枯れてる」(褒め言葉)と言うが、まさしくそんな感じの文章。作風は、何か不気味で不可思議なことが起こりそうで超怖いんだけど・・・結局何も起こらない、というもので、非日常と日常の間にあるエアポケットみたいな地点を執拗につついている印象。小川洋子の初期の短編に似ている。
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大学入試の模試で、現国の問題文になっていたことで知った作家。その作品も、確か本書と同じ家族が主人公だった。
定年後の夫婦と、独り立ちした息子と、社会人の娘という家族起こる、心のすれ違い。ごくごく普通の日常で、今日の自分にもあったような出来事ばかりなのに、丁寧に気持ちを描写していくことで、毎日がこんなに深みを持って見えるようになることに、何となく嬉しさを感じた。決して、希望が見えてくる前向きな話ではないのだけれど、それでも、自分の心のあり様を見つめることが生きる力になるかもしれない、と思わせてくれた。 -
サイン本。
最初の祝いの夜。が、ドキドキして読み面白かった。 -
同じ家族の日常を様々に切り取った
短篇集
おっ、と思ったのは一つ目の作品だけ。
あとはいまいち。
最後それっぽく締めようとしてる一文が必ず入る。
なんとなくの雰囲気は嫌いじゃないけど。
いまいっぽ!という意味を込めて
☆ふたつ