NECK (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767064

感想・レビュー・書評

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  • 浦部さんに勧められたのでやめられないことでおなじみのブクログですが、今回は浦部さんフェスにて舞台上の役者さんが読んでいた本、を読みました。



    4篇中3篇は脚本なので、それもあって分厚さの割にすぐ読み終わります。


    舞台化された作品は、読み終わると同時に「これを舞台で実際にやるの、なんて面倒くさそうなんだ!特にあの役をやる役者さんへの説得とか!!」と、上演した方々への心からのRESPECTが生まれました。


    書き下ろしの小説の意味のわからなさと面白さとラストの「そんな発想が!なるほど!!」というぬぉぉぉーっ!って感じが、好きです。

  • 2つ目の話が好き。ホラーっぽいけど何か笑える。

  • 本能的なヤバさが詰まった作品集。

  • 小説、絵コンテ、脚本で構成される首にまつわる短編集。
    いつもの舞城節が効いてるのは「a story」。一文一文が心に刺さる。特に、母親が娘の浅はかで薄っぺらい人生について説教する場面は自分にも思い当たるところがあり、反省しながら読んだ。
    著者が書くモノローグが好きで、語られる心情に「ああそれだ」と腑に落ちる感覚があるのが良かったのに、絵コンテと脚本はそれがなくて残念。ただ、夜中に読むんじゃなかった。

  •  超絶度かなり低めゆえ、O太郎初心者向けかも( ´ ▽ ` )ノ
     特に第二部以降(シナリオ)、映像化・舞台化・視覚化前提なんで、アクロバティックな文章技法がかなり抑えめ……それがいいか悪いかは別として( ´ ▽ ` )ノ

     全四部あるけど、それぞれ印刷紙を変えるこだわりよう( ´ ▽ ` )ノ
     第一部(これのみ小説)は「あ・い・う・え・お」のみ全編別フォント(他にも細かな文章の一部のみフォントを変えてる)( ´ ▽ ` )ノ
     製本業者さん&写植屋さんがたいへんだ( ´ ▽ ` )ノ
     一体どれだけ意味があったんだか分からないけど( ´ ▽ ` )ノ

     内容としては1部→2部→3部→4部と、だんだんつまんなくなってくな……(´ε`;)ウーン…
     首がらみの連作ファンタジーなんだけど、中国大ボラ昔話の現代版的な1部(ももちゃんかわいい)、シチュエーションホラーの2部はともかく、ドタバタホラーの3部、ホラーパロディ風の4部はなあ……ほんとに怖いものが書けないから笑いに逃げてる感じ……(´ε`;)ウーン…

     よりによって最もつまんない4部を映画化か(主演は相武紗季ちゃんだって)……(´ε`;)ウーン…
     どうせなら1部を映画化する「当たって砕けろ」精神は、制作陣になかったのか?……(´ε`;)ウーン…

     正直、1部のみの単独刊行にしたほうがよかった1冊(>_<)
     むやみに重くなって、本を持つ手が痛くなるばかり(>_<)
     星4つ評価も、2部以降を無視した結果(>_<)

    2019/11/20

     

  • 首にまつわる四編を収録したホラーともミステリーともつかぬ不条理短編集。
    舞台の脚本や映画の脚本などが収録されているため、読点を極力省いて一気に読ます饒舌な舞城節は薄めですがどれもテイストが違って面白かったです。

    「a story」
    阿修羅ガール以来の女性一人称。パワフルでアグレシッブな愛子とは違いこちらの語り手は首の骨が多いのを除いては普通の女子大生。だけど「気に入るバイトがなけりゃ作っちゃおう!」精神で探偵事務所開設を本気で考えたりする結構ズレた子。
    「首が通り道になってる」「道の中に首が含まれてるだろ?」と意表をついた発想が面白かった。美少女がなんでこんな得体の知れん男に一目惚れ?という都合よさは感じたけど奇想天外な展開にのめりこみテンポよく読めました。

    「the original」
    森に首まで埋められた三人の男を襲う恐怖。
    元は舞台劇だったそうですが、確かにこれは見せ方次第で映えそうですね。限定空間におけるスプラッタ+心理戦はSAWを思い起こさせます。恐怖の正体が推理されども明確に言明されないのが怖い。最後のオチが酷すぎる……。

    「the second」
    キャンプに来た大学生たちが巻き込まれた惨劇。
    舞城さんの挿絵つき。面白かったです。これも映画で見たいなあ……というか四編ともオムニバス式の映画にしてほしかったな。得体の知れない存在に襲われ追い詰められる学生たちというホラーの定石を押さえた展開。屋敷やそこの住人の不気味な存在感も際立ってます。
    で、結局馬はなんだったんだ。

    「the third」
    人間の恐怖が幽霊を具現化するというネック理論の実践を試みる女性と彼女に惚れた大学生。ラブコメ風味であまり怖くないコミカルホラー。恋愛ありバトルありと収録作の中では最も娯楽的な話に仕上がってます。越前魔太郎氏が一番好きです。彼はまたどっかにでてきてほしい。

  • これは、完全に自分の勘違いだったのですが、あらすじに目を通さずに読み始めたために、てっきり一冊の分厚い長編小説だと思っていたんですよ。

    ですので、1話目の「a story」から2話目の「the original」に読み進めたとき、あまりの内容の変わりっぷりにビックリしまくりました。「え?これ、どうやって繋げるの?この2話って繋がるんでしょ?」って。勘違いしまくりですな、、、
    でも、こういう意表のつかれかたも、本の内容に驚くのとは違う意味のドッキリで、おもしろいものです。

    「NECK = 首」という人体の一部位に着目して発想を膨らませ、全く違う4つの物語をつむぎだした、という点は、なかなかすげえなあ、と思った次第です。首、かあ。人体では重要な部位なのでしょうね。

    1話が小説の形式。あとの3話は映画やドラマの脚本風に書かれていますが、個人的には、
    第二話の「the original」が、ドキドキして恐くて面白かったです。
    こんな状況、絶対イヤやわ、、、という不気味さと不愉快さと不条理さが、うーむ、上手い。おもろい。

    映画でいうと「SAW」や「CUBE」みたいな雰囲気かなあ?と思った次第。
    低予算で、撮影方法や見せ方や俳優さんの起用にこだわって映画化して、単館系の映画館で上映するような感じにしたら、ええ感じな気がしました。舞台化されてるみたいですけどね。映画のほうが、見てみたい気がします。

  • また福井県が舞台だ。今回は背中に毛は生えていない。

  • 小説と脚本で構成されている一冊。脚本部分は別に読んでいても全然面白くなかったので、読み終えたのは最初の書き下ろし小説のみ。それぞれの話が独立しているので最初の小説だけでも十分楽しめる。ひさびさの舞城だったが、あいかわらず勢いのあるバイオレンスファンタジーミステリーなカオス。でも読んでいて気持ちいい。ただ、脚本部分のほうが圧倒的に分量が多いので、購入を進めるべきかは悩ましいところではあるよね。

  • 101218

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著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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