名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 731
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767453

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻通じての感想です。

    同級生で自殺者が出ることを知ってタイムリープし、その自殺を阻止しようというのが本作の話の主な流れです。
    にもかかわらず上巻の途中で早くも、自殺者はこの人で確定ではないのかと思いました。
    これで下巻まであると冗長な話になっちゃうのではと思って読んでました。
    ですが、下巻で、まさか、そんな!?という展開でした。
    私は夜寝る前に下巻を半分くらいまで読んでいましたが、途中で止められず、結局最後まで読み、時計で時間を確認するのも恐ろしい時間に就寝して、今朝は寝坊をしました。

    というわけで面白かったことは間違いありません。
    ただし、最後はちょっと強引というか荒削りなところ(実際にはこんなに上手くいかないのではと思うところ)がある印象も受けましたが、その反面、登場人物たちの熱量が感じられました。

    なお、私は、本作の登場人物が登場している他の作品としては、「凍りのくじら」、「ぼくのメジャースプーン」、「樹氷の街」(「光待つ場所へ」に収録)の3作を事前に読んでいます。
    「子どもたちは夜と遊ぶ」は未読です。
    私は、本作の登場人物のあの人は、あの作品のあの人だというような情報を事前に知っていて読んでいましたが、そういう情報を知っていない人のほうが、最後により大きな驚きを得られると思います。

  • 他の本とのリンクがいい!
    、、、が、読んでない人は理解不能では?

    ここまで壮大な長編を読んでいる気分。
    下巻からの内容を深掘りしていくところや、真相に近づいていくところは読み応えあり。
    まだ続くので丁寧に読んでいきたい。

  • 上巻を読了した際に、意外とあっさり自殺する人分かったな〜と思っていたのですが…見事に騙されました。ヒロインがキーパーソンなんだろうな〜と何となく思ってたらとんでもない。学校という閉鎖的な空間での悩みや学生独特の雰囲気など、とてもリアルで面白かったです。

  • 後半は読む手が止まらなくて、夜更かしして最後まで読んでしまった。

    タイムスリップの真相はビックリしておもわず声が出てしまったし、大好きなキャラ達に再会できて嬉しい気持ちでいっぱいでした。
    2人とも元気になって本当によかった。

  • 「クリスマスの日にクラスの誰かが死ぬ。」
    未来で起こる「だれか」の死を阻止するため、少年少女たちが動き出す。
    点が線になったとき、見えていなかった未来が現実として姿を現す。

    種明かしの後半は怒涛の展開で疾走感がたまらない。
    生きる理由があれば「死ぬ」未来は起こらない。

  • 下巻に入ってからの面白さがすごくて、あっという間に一日で読み切ってしまった!

    主人公の依田いつかは、撤去されたはずの看板が戻っていることから、3か月前にタイムスリップしていることに気がつく。高校の同級生が、クリスマスイブの日に自殺する。誰かは思い出せないが。
    自殺を阻止するために、中学からの同級生の坂崎あすなとその「誰か」を探し始める話。

    騙された。辻村さんらしいミスリードなのに、素直になにも疑わずに読み進めてしまったので、やられたなという気持ち。
    タイムスリップはそういうことなのね。「僕のメジャースプーン」では、ずっとふみちゃんって言ってたから、苗字だなんて気づかないし、全然気づかなかった。今回は、作品の順番通り読めていて本当によかった。
    石のスープの寓話と、過去の主人公たちとの再会と、張り巡らされた伏線と。すっごく面白かった。

  • 「俺がいた未来すごく暗かったんだ」
    自殺者を探すいつか達。 そしてその候補の基。彼に水泳を教えるいつか。 基と一緒に水泳を教えてもらうあすな。 2人はXデーを回避することができるのか。

    随分と久しぶりに再読。自殺者も分かっていた状態だったけど、やっぱり面白くて一気に読んでしまった!一回目は完全に騙されたのもありますし…伏線を確認しながら読了。
    2度目だと、基が「損な役回り」って言ってたり、あすなが礼華の教科書(授業進行度)の違いに気づくところとか、ノートの意味だったりかなり綿密に伏線がばら撒かれていたことに気づく。普段どんでん返し系も再読あまりしない主義なんだけど、これは再読しても楽しめた。

    実は『ぼくのメジャースプーン』は未読なんだけど、順番で読まなくても、いつかとあすなの成長物語は感動した!やっぱ順番に読んだ方がいいと思うんだけどね、、これから読む人は是非順番通りに!

  • 読み終わった!最後の大どんでん返しはびっくりしたけど、、星3止まりかな〜?私的には

  • 「ぼくのメジャースプーン」を読んだ後に読むのがおすすめだ、と、この本を教えてくれた父に言われたのですが、その意味がわかりました。
    最後のどんでん返しが最高でしたが、まさかの2回、最後の最後で食らっちゃいました!笑笑
    主人公は同い年の高校一年生で、共感するところが多く、特にヒロインのあすなちゃんとは似ているところが多くてまるで私を見ているかのようで色んな意味で面白かったったです。
    個人的に河野くんが虐められていたわけじゃなくて、あと友晴がいい奴で本当に良かったーと思ってます。
    ぼくメジャに出てきた登場人物が大きくなって(6年後の設定)再び出てきてくれたのが最高でした!!
    思い出話の中や、セリフ、性格で、ぼくメジャのあの子は、この子のことだろうな〜と何となく推測できるようになっていて、(もちろん最初の方は全然わからないようになっている)それに1ページ1ページ、一文一文に伏線が張られていて、最後には必ず全ての伏線が回収されて気持ち良かったです。
    というかいつかくん、かっこよすぎよ...

  • 最高でした。
    今作品のクライマックスを読んで、文庫本の帯の
    すごろく順に読んできて良かったと実感。
    とにかく作品同士のリンクが多くて贅沢。
    チヨダ•コーキの名前が出てくるだけで嬉しいし、
    郁也、多恵さん理帆子や秋山先生にも会えて嬉しい。
    あの子もしかして「ふみちゃん」?…ってことは、
    彼は「ぼく」か!みたいな発見と、物語の続き。
    (ウサギのシール出てきてやっと気づきました汗)
    理不尽なのは嫌だ。孤独故に死なないで欲しい。
    大切な家族と生き別れてたくない。
    一生懸命な姿って素晴らしい。

  • テスト中のバタバタシーンからは、あれよあれよという間に今まで見てきた世界ががらっと崩れる展開で引き込まれた。
    自殺者が河野ではなく坂崎あすなだったのは驚いたがしっくりくる。

    何より、ぼくのメジャースプーンとのリンクが…!!
    秀逸すぎる。
    椿ちゃんがふみちゃんだったなんて!!
    そういわれれば要所要所に伏線が散りばめられていたことに気づき、この作品がどれほど綿密に作り込まれているのかを思い知り驚愕した。
    タイムスリップと思っていたものはぼくのメジャースプーンでのぼく=長尾秀人の条件ゲーム提示能力だったなんて。

    ひとつ悲しいのは、いつかとあすなは真実の純愛かと思っていたが、条件ゲーム提示能力によって必然にされていたのかということ。。

    物語自体はとても面白いし作り込まれていると思ったが、辻村深月先生の作品はあまりミステリーを読んでいる感はない。

  • 最後に驚きました。
    まさかあの作品がと…
    とにかく無事に終わって良かったと思う。
    作者の作品は希望がのこされるので、安心する。
    良かった。


    内容
    坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」2人はXデーを回避できるのか。(講談社文庫)


    誰も座らない、1つだけ空いた席。『その人物』が静かに向かった悲しい未来。知ってしまったら、じっとしていられない。『止めるんでしょ、自殺』
    これが、彼女の意志
    読み始めたら止まらない。懐かしさと切なさでいっぱいになる

    坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」2人はXデーを回避できるのか。

  • やられた……!
    久々にどハマりしたな。
    どっぷり浸かって読めました。

  • ぼくのメジャースプーンを読んでからこの本を読むことを強くお勧めします!!

    知ってから読むと120満点です!!

  • ストーリーの中に散りばめられたピースがハマっていく爽快感と、読後のこの清々しい気持ちを一気に感じられる作品はそうそうない気がします。最後にこんなご褒美的な展開が待っているとは思いませんでした。辻村さんの手腕をこれでもかというくらい見せつけられて、ただただ感服しました。

  • 通勤中に読む事がほとんどで、お正月を挟んでしまい少し頭がボケました。
    そして、最後のどんでん返しで、えっ〜?という感じになり、ぼっと読んでいた自分が情けないというかがっかり。
    結果を知ったので、メジャースプーンも読み返してみなくちゃと思ってます。

  • 下巻、一気に読ませられました。いつかとあすなを中心とした仲間たちの物語に涙がぐーっと溢れる。が、最後で大どんでん返し!それまでの涙は何処まで流してて OKだったのって思いつつ、最後も胸熱の涙。文句なしに面白かったです。そして途中から勘付いてたよ。僕のメジャースプーン、凍りのくじら、これは必ず先に読んでください!!面白さが倍になります

  • 想像していたよりも本格的にミステリーだった。最後の章で綺麗にすべての伏線が回収されていくのが気持ち良かった。上下巻ともボリューミーだが、内容を忘れないためにも一気読みするほうが楽しめると思う。
    個人的にラストシーンがとても好みだった。


    蛇足にはなるが、講談社文庫の帯に記載されていた、「この順番で読めば、辻村ワールドがより楽しめる!」の通り、『ぼくのメジャースプーン』を読んでからこの作品を読むと、とあるページで「お!」と思う場面が出てくる。

  • 凄く良かった
    びっくりと感動








    ぼくのメジャースプーンのあの子たちでさらにびっくり感動

  • 本当に助けなければならない名前が分かった瞬間、
    ゾワッと鳥肌が立ちました。
    その後の見事な伏線の回収に脱帽です!

    辻村深月さんの生み出すキャラクターたちは
    個性的で、憎めなくて、応援したくなる者たちが多いです。前作からの繋がりも、また次回作への期待になりました。

    彼らの未来が明るいものであることを願ってやみません。

  • メジャースプーン既読でよかったー!
    考えてみればあっちでは、一度も主人公たちの名前出てきてなかったんだ!
    びっくりしたよ!

    ハジメと友春が従兄弟で、いじめが演技だったとは・・・
    クラスの中で、誰かが暴力にあって、だけど恐怖と保身から誰も止められないあの気まずさ。。。。あれが、演技だった?
    それにハジメの態度。見下されてるっていう気持ちから、過剰に反抗的になってしまう態度。誰も助けてとは頼んでない。わかりすぎる。バツがわるくて体裁悪くて、無視されてた方がマシって思う。存在しないと思われた方がマシ。
    でも単に、それって誰かになにかしてもらうことに慣れていないだけなんだよなぁ。
    気にかけてもらって本当は嬉しいはずなのに、そのことを自分で否定するって言うか。
    でも友春みたいな存在が一人でもいたのなら、彼は一人ぼっちではなかったわけだからなぁ。

    途中から、やけにあすなの過去の清算案件が多いなって思い始めて。
    クリスマス会とかドラマや漫画であるような「健全で明るく楽しいイベント」的なやつ。その辺から「おや?」とは思ったけど、じゃぁどう言うこと?とかいう間におじいさんが倒れて!!!

    おじいさんとあすなの会話・・・・・
    『あんまり元気じゃなくて、友達もあんまり、いなくて、おじいちゃんが思うような、いい子になれなかった。ごめんなさい・・・・』
    『あすな。あすなは、おじいちゃんが・・あすなのおじいちゃんで、よかったかい』
    涙腺崩壊だった。ウワァァァァン!

  • 誰が自殺するかはなんとなく予想はついていたものの、そのために他のメンバーがその人物をいろんな場面・方法で阻止しようとするところがとても格好良かった。またその中の一環で喧嘩が実はウソであったことがとても驚いた。そこまでしてその人物を救いたかったのだと考えるとすごいと思った。そして、タイムスリップの真相はなるほどと思い、もう一度あの物語を読んでみたいと思った。

  • 上巻内容(「BOOK」データベースより)
    依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ一つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」二人はその「誰か」を探し始める。

    下巻内容(「BOOK」データベースより)
    坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」二人はXデーを回避できるのか。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    今回は上下巻一緒にレビューしますよ~。
    と言うのも読んだのがちょっと前で、もう忘れつつある...やばい

    この人の作品は相当いろんなリンクがありますね。
    気がついたものもあるけど気がつかないものもきっとあるんだろうな。

    でもこの作品のは、かなり分かりやすいのでは!
    って言うか苗字と名前をわざと分けて書いて後でネタばれするパターン多いですね。

    こう言うのあるからこの人の作品は映像化しにくいでしょうね...
    文章だからこそばれないってあるし。

    何が言いたいかって言うと、友人の椿ちゃんね。
    この人の正体(笑)には途中で気づいた。
    最後でやっとフルネームが出ますよ。
    そして秀人もね。
    なるほど、確かにあの作品ではずっと「ぼく」だったね。
    (「俺」だった時もあるか)

    そして素敵なピアノを披露してくれる郁也。
    うう...大きくなって...
    素敵な友達に囲まれてよかったね...

    「自殺したのは誰か?」を仮想空間の中で探す旅。
    これは最初の作品「冷たい校舎の時は止まる」と一緒ですね。

    でも、この作品は...
    途中までは良かったけど...

    作者のミスリードにまんまと乗せられて、
    途中で「解決した!よかったね!」って
    涙した自分を返してほしい気持ちに(苦笑)

    おかげでそれ以降の本当の自殺者を救う行動に
    まーったく感情移入が出来なくなると言う(笑

    でも、あすなのおじいちゃんは、好き。
    その彼の想いは胸にずんと響きます。

    洋食も大好きな私にとっては、おじいちゃんのオムライスを一度食べてみたーい!

    あ、この本を読むときは先行して出されている
    辻村深月の作品を読んでからの方がいいです。
    たぶん、絶対。
    しかも連続で一気に読んだ方がいい!
    でも連続一気読みしてる私でも、設定ごっちゃになる(笑

    彼女の作品はやっぱりSF(Sukoshi Fushigi)です。

  • 泣いてもうた。

  • あーーー!すばらしい!!
    大声で叫んでしまいたいぐらいすばらしいです!

    辻村深月ファンにはたまらないサプライズ出演!!

    そして徹底されたハッピーエンディング。
    そうそう、この潔い幸せな結末を待ち望んでいたのです。
    特に、高校生の子達の心の葛藤って表に出すことを極端に嫌うためかわかりにくい。
    そこを仲間達がおもいやるきもち!!!

    本当に本当におすすめです!

  • 相変わらず、辻村作品は面白かったです(*^^*)

    最初にマイナス点を挙げると
    1、ぼくのメジャースプーンを読んでいないと、面白さが半減する。また、他にも様々な作品とリンクしているのでファンには嬉しいが、辻村作品初読の方にはオススメ出来ない。

    2、全てのリンクが分かるくらい辻村作品を読んでいると、多少でもトリックが見えてしまう(笑)

    ということで、わたしは自殺者が誰かは大体検討ついてたし、当たってしまいました(´・ω・`)あと秀人と椿と天木と友春も結構早い段階で分かってしまった。笑
    あ、けどあーちゃんは分からなかった!

    でも、予想以上のどんでん返しはあります!そして泣ける!

    いつか と あすな ってすごく良い名前ですよね。希望の見える名前で素敵です。


    でもやっぱり、ぼくのメジャースプーン読んでからじゃなきゃ最後は分からないだろうな・・・。

  • 河野が無事クリスマスを越し、このまま終わるのか?っと思いきや、いつもの大ドンデン返しキターーーーーー。
    辻村作品はこれがたまんない。ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ
    クセになります!中毒です!

    石のスープの章は号泣しながら読みました。
    辻村作品に登場する女子のなかでは、あすなが一番好きです。
    中学の時、いつかの元カノに言い放った言葉とか、負けず嫌いで人一倍人の痛みがわかるあすながいいですね。

    秀人と椿ちゃんの正体はかなり早い段階から分かってました。
    天木や友春もメジャースプーンにタカシとトモっていたよなーって思いながら。
    その他にも懐かしい面々にまた出会えて良かった。

    そして、、なんと言っても河野には最優秀助演男優賞をあげたい。
    素晴らしい演技力!
    ただの鉄っちゃんじゃなかったのね。( ´艸`)

  • 椿の正体はキーホルダーのあたりでもしかして、と気づき始めました。
    そこから先は確信。
    上巻で名字の話をしてたから私は椿を名字だと思っていたのですがそれも作者の意図かな。

    怒涛の最後ですが、相変わらず辻村深月らしいですね。正直あそこまで一気に展開されると話の都合のよさというのが浮き上がってしまいます。
    特に河野君どんだけ役者なんだよ…。
    みんなも演技がうますぎ!(@_@;)
     
    河野君があんなにひどいことされても「絶対に死なない」ときっぱり断固として言い放っていたので彼のその強さが印象的でした。

    「ぼく」がいい男に成長したな~としみじみ。ふみちゃんがうらやましい!!
    大きくなったふみちゃんと松永君の微妙な距離感が気になったけど。

  • 途中までは、あれ?このまま穏やかに終わるの?と、今まで読んだ辻村深月作品と比べたら物足りないとか思ってしまった。。。

    けれどそんなの大間違いだった!

    すべての真実が明らかになっていく急展開のラストにもう驚くばかりだし涙も出てくるし、
    本当に読者の予想を良い意味で裏切る辻村さんの作品はやっぱり好き!

    しかも最後の最後にさらっと明かされた真実にも本当にびっくりした!
    途中出てきた恩師という人に おや?っと思ったけど確信がなかった。全然気づかなかった。「子どもたちは夜と遊ぶ」の時に似た、名前のトリックにまたもまんまとやられた。

    それにしても「凍りのくじら」や「ぼくのメジャースプーン」の彼らが、成長しても関係を続けていて幸せそうで嬉しい。今までの順番で読んできて本当に良かった。じゃないとこの気持ちは味わえない。

    この作品は本当に良い、素敵な終わり方。


    2013.7.24

  • 続きが気になってとまらなくなり、1日で読み切りました。

    登場人物も限られてるし、いつかくんかあすなちゃんのどっちかかなって予想していましたが、そもそも基くんのイジメ自体、嘘だったとは…(ll゚ω゚)
    いやいやそこまでやるか?!てかもっと他の方法なかったのか天木くん!そもそもみんな演技力有り過ぎやろ!と心の中で思わず突っ込んでしまいました。
    ここまではうーん面白かったけど、ちょっと無理のあるお話だったなって思ってました。
    が!エピローグで驚きな展開。
    うすうす感づいてはいたけど、秀人が「ぼくのメジャースプーン」の主人公=ぼくで、椿ちゃん=ふみちゃんだったことがわかり、さらに秀人はいつかくんに「力」を使っちゃってたことが発覚。
    ん?…てことは、これってタイムスリップ自体そもそもなかったってこと?だよね?秀人の条件ゲームにみんなが踊らされてたんだー。私を含めー。びっくり。
    天木くんが何度も秀人に「お前が一番キレ者のくせにやけに冷静だ」って言ってたのも、秀人は自殺が起こらないのを知ってたからか。ふみちゃんが秀人のことをただ単純に優しい人ってわけじゃないって言ってたのも納得。
    チャラチャラしてたいつかくんにムカっときて、思わず力を使っちゃって、そしたらいつかくんが意外と熱い男だったところが見れて、いつかくんは本当に好きな人にまっすぐ向き合える人になった…って、終わってみれば悪いところがなんもないいい話だな。

    でもこれってメジャースプーン読んでない人にはエピローグの展開に気づかず、読み終わっちゃう気が・・・。
    いや~1冊の小説の中だけじゃなく、他の小説にも伏線が張られてるなんて。面白い。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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