蛇棺葬 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771788

作品紹介・あらすじ

幼いころ父に連れて行かれた百巳家。そこに無気味な空気を漂わす百蛇堂がある。私はそこで見たのだ。暗闇を這うそれを……。「作家三部作」第三編前編。

感想・レビュー・書評

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  • 細かい描写がより恐怖を煽りゾワゾワ不気味な怖さ!

  • 刀城シリーズでホラー小説にすっかり免疫が付いたつもりになっていました(過去形)。
    今作は、とにかく怖い。息次ぐ間も無く、ひたすら、怖い!

    最近の読書スタイルは、【ぬるいお茶を飲みつつ布団の中でぬくぬく暖を取りながら読む(至福)】なのですが、冒頭数ページで布団の中に入ってる足の爪先がヒュッと縮みました。何か冷たい物が足首に触れたような…家族皆が寝静まった筈の家の中に、何かの気配がするような…何かめっちゃ御不浄に行きたくなって来たような……怖いよおかあさーん!!

    というわけで、寝る前ではなく仕事の休憩中に少しずつ読み進めました。それでもやっぱり怖い。
    ふと、周囲の喧騒に置いてきぼりにされるような、現実世界から乖離した空間に閉じ込められたような、奇妙な感覚に陥ることもしばしば(°_°)こ…怖…

    薄暗闇の中に浮かび上がる義母の足首。座敷牢に幽閉された祖母の狂気。優しい老婆が語る恐ろしい言い伝え。子供同士の他愛ない遊戯の中にひそむ隠語…。

    三津田先生ー!早く謎解きをおくんなましー!と思ってたら、続くですってえええ/(^o^)\

    もっとこう、表現力豊かにこの恐怖感をお伝えできれば良いのですが、どうしたって「怖い」の形容が付いて終わるのでこれ位にしておきます←

    ミステリな話でいくと、「人間消失」ものに分類されると思うんですが…三津田先生なので、恐らくこの作品だけでも真相指摘できるのかもしれませんが…

    伏線拾う為にもう一回読み直すのとか絶対むーりー\(^o^)/←

    なので、潔く(?)謎解きは諦めて続きを読みたいと思います。



    【私】がある日突然、連れて来られた旧家。そこに一歩踏み込んだ瞬間、【私】の世界は一変した。
    曰く付きの離れ、踏み込んではならない山、不意に目前に現れる祠、奇怪な葬送儀礼…。やがて彼は、かつて父が経験した、身の毛もよだつ現象を目の当たりにする!

  • 形容しがたい恐ろしさ。
    とにかく不気味で、暗闇が物凄く怖くなりました。
    自分が今いる場所の湿度が少し上がる感じ。

    こんな葬儀は勘弁してほしいなぁ。絶対にやりたくない。
    何よりマーモウドンって一体なんなの。
    正体がわからない恐怖。
    続く『百蛇堂』も読んでみます。

  • 新書版以来の再読。話がわかっていても、やっぱり、怖い。自分の知る中で一番、禍々しく、怖く、面白い本だと思う。何か今、いたような…、聞こえたような…、何だったんだ今のは…。そういった誰でも子供の頃に感じたことがある、根源的な恐れを、とても自然に掻き立てられる。

  • 謎解きは恐らく百蛇堂へ持ち越されるのでしょうから、ミステリとしての評価は出来ませんが、怪奇小説としての厭らしさは十分伝わってきます。少年の目を通して語られる奇々怪々な出来事は、身に迫るような恐怖を感じ、流石です。

  • 蛇棺葬
     前話 百巳家の日々
      百巳家
      座敷牢
      陰の間の茶室
      百蛇堂
      它邑小学校
      百々山
      葬送百儀礼
      マーモウドン
     後話 百巳家の葬送
      再び百巳家へ
      民婆
      中洲の家
      義母の通夜
      殯屋籠り
      怪異
      惑う者
    講談社「蛇棺葬」 2003年9月

    解説 柴田よしき
    謎が解けない恐怖と、解けることで始まる恐怖

  • 蛇、因習、差別…と、怖さというよりねっとりとした厭らしさが続くホラー小説。
    一気に読了させられる勢いはあるのだけれど、全然すっきりしないのがなんだかなぁ。

  • うーん、つまらなくもないが夢中にはなれなかった。
    百蛇堂の秘密とか明かされてない部分もあり、後編を読むのは楽しみ。
    ってかこれ、作家三部作?違うように思えるが、どーなんやろ?!後編読んだら解決するのかしら?

  • 2020.2.14~2020.2.27 2020年の③
    ★★★★☆
    主人公の意図せぬことばかり。勝手に連れて来られ追いやられまた呼び戻され。唯一の味方である民婆、優しい龍己の小父小母、記憶の彼方に追いやった親友砂川くんとその祖父たち家族にも何一つ良いことがなかった…。そうなの、だからこそホラーなのだ。悪いヤツが野垂れ死ぬのは痛快愉快だが、読者目線で感情移入してしまった人物に全く良い事がないこの不条理に心がざわついて腹立たしいったら無い。しかし、殯の為に籠る御堂での一夜の描写は思い出したくないほど恐ろしや。

  • 私の一人称で日記形式で話が進む

    私の5歳頃の日記が前話で30歳を超えてからの現在が後話での構成

    父親の実家である百巳家に連れられて行き、そこで異様な体験を描いている。
    中でも一番は話の中心となる百巳家の葬儀である葬送百儀礼でのミステリアスな事件で、その謎は解かれることなくこの本は終わる

    解説には続く百蛇堂とは前編、後編ではなく、それぞれ独立した物語となっている。確かに蛇棺葬はこの1冊だけでホラー小説として成り立つとおもうが、続く百蛇堂だけを読んでも何のことか分からないと思う。

    本書だけを読んで終わることも可能だが、推理小説の犯人が分からないまま終えるような中途半端な読了感になると思う。
    2冊の関係を考えずにいうなら、本書は面白いそして怖いホラー小説である。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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