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- Amazon.co.jp ・本 (752ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062773072
感想・レビュー・書評
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長かった!
不幸が起こると、何故自分だけこんな目に会うのか、好転するとこれは主の思召しだ、人殺しや盗み放蕩的な態度を全て贋の世界だからとなんたかんだと理由をつけて自分自身を納得させる。全てが因果応報という事も気付かずに。
そんな人間の弱さやズルさを宿屋で会う奇怪な人に依って暴かれ、そんな時、人はどんな対応をするのかで人間性が問われる。人は嘘を着く唯一の動物だけど、他人には通じる嘘でも自分自身には決して通用しない。主はその自分自身を戒める本来の自分だったのかも。所々で、あっ、と思わせる。さすが町田さんです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
摩訶不思議、数奇奇天烈。時代考証滅茶苦茶のストーリーが章立てもなく続く。町田氏ならではの飄逸諧謔が随所に鏤められており厭きさせない。騙され追い落とされ七転八倒する主人公。虚偽欺瞞が何のひっかりもなく横行する現代に、正しい倫理観を打ちたてようと煩悶する著者そのものを見る。
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これまでになく破天荒・奇天烈な内容の小説で、特に導入部どう解釈してよいやら悩んだのだが、次第に強引に物語に引き込まれていく。「ヨブ記」など宗教的なテクストを想起させる部分が多い。