風の軍師 黒田官兵衛 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062774444

感想・レビュー・書評

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  • 「心の底にあるものを見せつけるのが、悪魔なのかもしれませんね」

    いとの娘が不干斎に言った言葉。

    自分の心の中にある
    蓋をしていた黒いもの
    その蓋を開けるきっかけを
    悪魔がつくる
    あとは気がついたら
    自分で開けてしまって
    もう後戻りができない。

    誰にでもそんな経験が
    あるような気がする。

    今の時代、
    そのきっかけをつくる悪魔が
    あらゆるところに存在している
    それも、
    天使の顔をして。

    蓋を頑なに閉じる術を身につけておかないと、大変なことになる。

    そんなことを最後の最後で
    考えさせられた言葉だった。

    黒田官兵衛の物語としては
    吉川英治の『黒田如水』の方が
    読み応えはあったかな。

  • 風渡るの続編。別の視点から描かれる短編集。
    キリスト教が正義とばかりに全面に押し出されるのが少し飽きてしまった。

  • 黒田官兵衛の話と思って読み始めたら、長政が成人後の、黒田如水キリシタンとしての部分がテーマでした。
    如水やガラシャ夫人、織田信長の孫の秀信などを取り上げた短編集のような作りで、今までとは違った視点でこの時代を考えることが出来た。

  • 黒田官兵衛の人生を、キリシタンとしての側面にスポットを当てて描いた小説。彼がキリシタンのための国家をつくろうと策を巡らせたという斬新な解釈が面白かった。
    着想は面白いけれど、メインのテーマがキリシタンなので、キリシタンを守るために官兵衛がどう寄与したかというふうに読め、官兵衛の活躍メインで読みたい場合には肩透かしかもしれない。

  • 完全に読む順番を間違えた。。。風渡るをすっとばしてる。

    なんか、フィクションだというのをわかりながらも、歴史上の人物たちの印象がどんどんと変わっていく。。

    あ、如水を完全に岡田准一にあてはめてたのは内緒。

  • 大河ドラマを見ていないので、どんな感じかな~?と思って、手にした本です。
    イメージとして、覚えているのは、秀吉の軍師で、あったが、この本に依ると、竹中半兵衛と示しあわせて、明智光秀を、使って、謀反を起こさせて、織田信長を死にもたらしたことになっている。
    そして、黒田官兵衛が、キリシタンであったのも知らなかった。
    この本は、官兵衛の後半の部分が、書かれているのおり、秀吉の軍師として、朝鮮戦争での参加から、キリシタン側からの構想を描いている。
    黒田官兵衛こと、如水=ジョスエ=モーゼ。
    イエズス会、毒薬のカンタレラの使用、インド、フィリピン、ルソン、ローマ、と、この時代にして、世界との、交流を、キリシタンとしての観点から書かれている部分がある。
    もう少し、この時代に合った策略家としての、官兵衛の活躍を読みたかった。

  • 最近、大河ドラマで官兵衛やってるから本屋にはコーナーが出来てたりしますね~。
    いろいろある中から見開きなどを読んで興味を持ったこの本を買いました。
    秀吉死後の官兵衛、九州を席巻した場面を主に描いているとみたいなことを書いていたので新刊で買ったのに…。
    僕にとっては駄作でした。
    知ってるし。
    しかも、私の苦手な宗教を絡めた書き方。
    テンションが下がるようなぁ~。

  • 大河が始まった黒田官兵衛の晩年期の話。

    九州からキリシタンの目線で観ると戦国時代は、この様に読み解く事が出来るのかぁ。

    歴史モノは正直とっつきづらいので、あまり読まないが、読みやすいし「花の慶次」以来に面白い!と思った本と出会った。

  • 豊臣秀吉の軍師黒田官兵衛、秀吉から離れたその後。
    大名を含むキリシタンの人達が、この時代を生きる思いがちょっと驚きで新鮮だった。

  • 妙に若者向けで写実性がない表紙の絵は気に入らなかったけど、お話の内容は「ほぅ~」って感じの官兵衛さん小説です。
    秀吉さんが壊れて朝鮮出兵をするあたりからお話は始まるんだけど、官兵衛さんが如水さんとしてキリスト教を信仰していた部分に物語の焦点が当てられていました。
    織田信長さんを本能寺の変で殺害した黒幕は官兵衛さんだったとかね。
    歴史はいろんな説があって当たりまえなので、こういう説を小説で楽しむのもオツなものだと思いました。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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