- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062775540
感想・レビュー・書評
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元々バス・海釣り好きなので、江戸時代の釣り好きが結構リアルに書いてあるのではないかと思われる本。
絵師、俳人などなかなか普段は気付きにくい当時では時代のアウトローな人から
地方大名や幕府の方々まで登場人物満載です。
釣りというキーワードなのに、人間模様がリアル。
それでいてサクサク読める。
一つの好きなことを極めてそのまま死ぬということも幸せなのかなぁと思えた。
下巻も楽しみ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白い!!
話の繋げ方とか、個性的な登場人物...早く下巻買おう -
全2巻。
生類憐れみの令が出た頃の
釣り師たちの話。
陰陽師のイメージの強い著者。
名前が好きじゃないこともあって
敬遠してきたけれど、
表紙がかっこよくて読んでみる。
表紙画は松本大洋だった。
事件を予感させるミステリアス出来事から物語は始まるが、
肩すかし。
中盤になって物語はつながっていくものの、
ハッキリ一本の筋が通っている訳ではなく、
釣り師たちの群像劇な感じ。
江戸時代の釣り師たちの話なんだけど、
中盤以降しばらく釣りの話は出てこない。
生類憐れみが出たから。
とはいえそれに対抗して事件を企てるでもなく、
なんとなく月日が流れて、将軍死んで、よかったね。
著者の初めて読んだ小説だったけど、
なんだかぼんやりした印象を受けた。
エンターテイメントとしても、
釣り小説としても中途半端。
釣り好きだとまた違うのかもしれないけど、
個人的にはいまひとつ。 -
登場人物がバラエティーにとんでいる・・・
下巻が楽しみですね。
《本文より》
釣りに行くというのは・・・
釣りが好きだからだ。
釣りが好きだから、釣りに行って癒される。
しかし、その癒しを得るために竿を握るわけではない。
かといって、目の下一尺の鯛が釣れればそれでいいのかと、
そうゆうことでもない。
何故、釣りにいくのか、何故、釣りがすきなのかというのは、
うまく言葉にできない。
何故だろう。
何故だろう。
その問いは、問いとして、采女にとって根本すぎた。
何故、人は食べるのか、あるいは、人は何故生きるのか・・・
采女にとって、釣りはそういうものである。
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江戸 元禄時代、魚釣りに囚われた者たちの話
主人公は現存する日本最古の釣り指南書「何羨録」を記した津軽采女と絵師 多賀朝湖、松尾芭蕉の筆頭弟子 宝井其角
紀伊国屋文左衛門、水戸光圀や吉良上野介義央などの有名人の他、釣りに囚われた実在の人物も多く出てくる。
また、生類憐れみの令、赤穂浪士の討ち入り、元禄大地震などの事件・出来事も扱われていて、多くの史実を絡めて構成されている。
感想は下巻で -
釣りに魅せられた絵師の朝湖、俳人の其角、旗本の采女らが、時の将軍・綱吉の悪法に翻弄される…
夢枕獏の『陰陽師』シリーズのような風合いもあり、夢枕獏の釣りキチぶりがうかがえる作品。自分は夢枕獏の作品の中では『神々の山嶺』『東天の獅子』が双璧と思っているが、この作品はそこまでのレベルではない。
それにしても、生類憐れみの令とは…まあ、現代でもある日、突然、あれがダメとか言われる訳で、過去も現代も同じもののようだ。
この作品で吉川英治文学賞と泉鏡花文学賞、舟橋聖一文学賞の三賞を受賞とのこと。作品の面白さと文学賞の受賞とはあまり関連は無いようだ。 -
ふつう