日本中枢の崩壊 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.55
  • (2)
  • (3)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 76
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776110

作品紹介・あらすじ

福島原発事故はなぜ起きたのか!? 構造改革はなぜ進まないのか!? 大増税はなぜ強行されるのか!? 日本を裏支配する霞ヶ関の腐敗を経済産業省の現役官僚(当時)が実名で告発した衝撃のベストセラー、ついに文庫化!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  
    ── 古賀 茂明《日本中枢の崩壊 20110520-0523 20130809 講談社文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4062776111
     
     Ex libris Web Library;古賀 茂明 20150327
    http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51933593.html
     
    http://www.newsch.info/archives/25742972.html
     古舘伊知郎 vs 古賀茂明【報道ステーション】放送事故寸前
    https://www.youtube.com/watch?v=b1U4D1QsFLc
     
    (20150330)
     

  • 本書は当時経産省の現役幹部であった筆者が「日本の裏支配者が誰か教えよう」というコンセプトの下、実名で永田町や霞ヶ関の裏事情を告発したものでございます。筆者の勇気ある行為があるからこそ、本書があります。

    本書はかねてから気になっておりましたが、ずっと読むのが遅れてしまいました。この本を筆者が書いたのは、まだ官職には追いやられていたとはいえ、経済産業省に籍があったころだと聞いているので、よくもまぁここまでのことを実名で書くことが出来たものだなと、改めて筆者の『勇気』に敬服の念を禁じえませんでした。

    しかし『一粒の麦』のたとえではありませんが、筆者がこの本を上梓し、経済産業省を追われたからこそ、我々一般国民が霞ヶ関や永田町の『奥の院』で一体どういうやり取りが行われ、どういった思考回路の人間が日本というこの国を動かしているかということが本当によくわかりました。

    霞ヶ関の文化では筆者のように『改革』を唱える官僚は本当に『異分子』だったのでしょう。前半から中盤に当たる自らの官僚人生を振り返っている箇所からは、自分の仕事に対する『信念』と経済産業省の『省益』や上司と対立する姿に筆者のような『苦悩』を抱えている人間がどこの組織でもいるのではと思いますが、日本国家の中枢の出来事であるだけに、『病理』の深さを感じました。

    さらに、『3・11』の直後とそれ以後、内向きを極め、永田町と霞ヶ関の『綱引き』が繰り広げられ、自らの唱える『改革論』が所属する組織を攻撃し、最終的には『恫喝』までされてしまうというくだりを読んでいると、言葉もなくなってしまいました。

    そして消費税増税に関する財務省とその『尖兵』である国税庁とをめぐる彼らの『内在的論理』を解説したくだりは、『今』をめぐる話だと思いますので、そこだけはよく読んでいただければと思います。これだけのひとが組織を出て行かざるを得ないところまで追いやられるのはなんとも不憫でなりませんが、逆を言えばそうであったからこそ、われわれが本書を読むことができると言うことに、なんとも皮肉めいたものを感じます。

  • 2013/8/10 Amazonより届く。
    2013/10/23〜11/5

     最初に単行本が発売された際に非常に話題になった本書。文庫化されてようやく読むことができた。著者の古賀さんについては,残った官僚サイドからは文句も聞こえてくるが,基本,自分達の利益誘導しか考えない官僚が多いのは事実であろう。まあ,受験戦争を勝ち抜いて日本で一種試験に合格した日本で一番アタマの良い人たちが全力でアタマの悪い我々をだまくらかそうとしているのだから,こういう内部告発のような形でしか知り得ないことというのは沢山あるのだろうな。
     古賀氏が公務員を辞めてからかなり経つが,本書を読み終えた11月5日,安倍政権から幹部職員人事を官邸主導で行えるようにする公務員改革法案が国会に提出されることになる,というニュースをみた。法案の中身については詳しく調べていないが,少なくとも国家公務員が国民を見て仕事をするような制度になってくれることを願うのみである。
     そういう意味でも古賀氏にはこれからもどんどん公務員の内部について発言していって欲しい。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議。09年末に経済産業省大臣官房付とされるも、11年4月には日本ではじめて東京電力の破綻処理策を提起した。その後、退職勧奨を受け同年9月に辞職。著書・メルマガを通じ活発に提言を続けている。『官邸の暴走』(KADOKAWA)、『日本を壊した霞が関の弱い人たち』(集英社)など著書の累計発行部数は100万部を超える。自身が企画・プロデュースし、本書が原案となったドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が2023年3月に公開され、大きな話題を呼んだ。





「2023年 『分断と凋落の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

古賀茂明の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×