PK (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7829
感想 : 579
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779654

感想・レビュー・書評

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  • 伊坂幸太郎 著

    読み始めは、伊坂さんらしいテンポで、こちらも
    テンポよく読み進めていたが…「PK」で、その展開を追って着地点を見つけようとしていた。
    えっ!「PK」からの「超人」ヒーロー系に…それからどうなるの?って、謎を追ってる最中に、一旦、物語りは終わる そして…これは続いてる話しなのか分からなくなるように「密使」にストーリーは変化してゆく「これが、こうなります」と言われても…何がどうなったのか?物語のつながりが、よく見えてこない、面白いが理解するのが、難しい内容だった。
    解説で大森氐があかしてくれる内容で得心した気分になれた それぞれの物語がどのようにつながっているのか、また三作品をひとつにつなぐため自分で発見するのが楽しいが…何がどうなっているのかよくわからなくて読み終えたあとモヤモヤしている人、わかったような気がするけど答え合わせしたい人がいるかもしれない…と(まさに、読み終えた今の私の心境ではないか、、って思ってしまった(笑)今まで読んだ伊坂さんの作品は色んな伏線を散りばめながら、最後に自分の中でも、きっちり伏線が回収出来る内容が多かったから…この作品については、自分の中で、纏まりが、つかなくて、もう一度読まなくは理解し難い点があったので、自分の解釈が信用出来ない気持ちが残った)で、突っ込んだ解説を書いてくれていたので、なるほどって落ち着いた。
    「臆病は伝染する、そして勇気も伝染する」アドラーの引用といい
    「ひとりひとりはいい人たちだけれど、集団になると頭のない怪物だ」
    「人生を楽しむには、勇気と想像力とちょっぴりのお金があればいい」
    チャップリンの引用など…素晴らしい!この作品の鍵になる内容を言い当ててるようだった。
    作中にこんな言葉があった…
    「私は嘘をつくことが嫌なのではありません。それを誰かに強要されることが嫌なんです」
    その言葉は的を得て、真っ直ぐ自分の中に入ってきた…。
    伊坂さんは本当に想像力豊かだ!とあり得ないような事を実はあり得ると思わせるところが巧みだし、でも、現実に置き換えて、あり得なくないかもしれないなぁとか…
    ヒーローの存在とかあり得てほしい…それを信じる自分でいたいとかって感じてしまう。

  • 3つの短編が、複雑に絡み合う。過去と未来も行ったり来たりしていて、解説を読まないと理解しきれないところ・解説を読んでも理解しきれないままのところがあった。

    「ひとりひとりはいい人たちだけれど、集団になると頭のない怪物だ」というチャップリン映画のセリフは、今の時代だとSNSでの誹謗中傷を的確に表している言葉のよう。また3篇の中で最後の「密使」での「耐性菌が蔓延する破滅的な未来」というのは、コロナ禍の現代のよう。現代にも、未来からの使者が現れて、この世界を変えてくれないかな・・・と思ってしまう。

  • 難しかった

    ドミノのように反応が連鎖する繋がりを読み取れたら面白いのだろうと思う
    黒いテカテカの虫がちょくちょく出てくるので苦手な人は避けた方がいいかもしれない

  • 重力ピエロを初めて読んだときには、なんと面白いのか!と思った伊坂さんだが、これはいまいちだった。
    いろいろな登場人物の場面転換から、並行世界を思わせるストーリーと、バタフライエフェクトにより、世界を修正しようとする話。
    面白そうなんだけど、そうでもない。風呂敷は広がるけれども畳まれない感じが、伊坂さんの味なんでしょうか。ミステリではないです

  • 一回読んだだけでは理解できませんでした。
    というか、ネットのネタバレ解説を読んでも謎は残りました。
    時間軸や世界線が入り組んでいるため、注意深く読んだ方がいいですね。
    そもそも理解しようとしない方がいいのかも(笑)
    こんな小説を書いてしまう伊坂幸太郎さんは凄いとしか言いようがありません。

  • 全然意味がわからない
    すいません

  • うーん、ちょっと難しい。
    文庫の解説を読んでなるほど、と少し思う。すっきりしたドミノ倒しの結末でないところが、らしさでもあるのかな。


  • -彼は信じている。時を超えて、勇気は伝染する、と。

    帯にこう書いてあって、「お!今回の伊坂はカッコいいヒーロー系なのね♡」と、わくわくしながら読みました。

    でもでも、ちょっと難しかったな。
    3つの中編が連なって、1つのストーリーを織り成しているのだけど、パラレルがいつもより強くて、読み終わったとき「え!?終わり?」って思ってしまったよ。
    難しいってことは、筆者も勉強して、伝えたいことを伝える手法を変えてみたかったのかもしれないよね。

    ちなみにサッカーとは関係ありません。
    人生にPKがあったら、おもしろいなとは思うけれど。

    -臆病は伝染する。そして勇気も伝説する。
    というアドラー心理学から、冒頭のことばが派生しただろうことが、なんだかうれしかったです。

    5年後あたりに、もう1回!だな。
    わたしの実力不足で、味わいきれないのがもったいなかった。
    ※2017年の読後感です。

  • 難しい内容。
    ふわふわっとしていた理解が解説を読んだことでグッと深まった。
    それを踏まえてもう一度読んでみるとさらに面白いかもしれない。
    物語が重なり合って繋がっていくさまが秀逸。
    伊坂幸太郎さんの旨味を味わえる。

  • 挑戦的な作品だと思った。
    別々の短編だったものが繋がりを持つのがすごいと思う。どう闘おうと抗えない力、社会に出たら存在するんだろうなあ

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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