つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779920

作品紹介・あらすじ

超ベスト&ロングセラ!
『すべてがFになる』原作者

森博嗣は、こんなふうにできている。

自分は基本的に一人である/トイレ掃除から僕が学んだこと/リンスをシャンプーだと思って一週間使った/人生なんてものは、思いどおりにしかならないのだ ほか。

実は、僕の研究室にいた秘書さんが、カトリーヌという渾名だった――。
小耳に挟んだ日々の小事から死生観、自己紹介まで、全一〇〇個の笑えて、考えさせられて、納得する森イズム。役に立つか立たないかは読む人しだい、でも読めば確実になにかが変わる。ベストセラ連発、絶大な人気を誇る森博嗣の等身大。

感想・レビュー・書評

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  • 森博嗣さんのエッセイ。これはシリーズなんですね。知らずにタイトルで面白そうだったから買いました。
    100のお題について、その時に思っている事をつらつらと書いている。こういう作り結構好き。中には???と思うものもあり、なるほど~と思うものもあり、大いに共感できるものもあり。みんなそうかもね。全部に共感できるなんて、有り得ないもん。今回共感できても、次読んだ時はピンと来なかったりするかも。今回共感できたページには印を付けたので、またしばらく経ってから読んでみたい。

  • 3冊目も、楽しめる。氏の考え(方も含む)が垣間見れるのが、クセになって来ている。(笑)

  • 初めて読んだ森博嗣のエッセイ。小説で始めて読んだのは、「すべてがFになる」。この「すべてがFになる」で、森先生の大ファンになったのだけど、そこからなかなか手が出せないでいました。シリーズが長いのと、読了するのに結構疲れた記憶があったので、気になるけど・・みたいな感じでした。

    それでも、森先生の本が気になるのは、理系の人の文体が新鮮だったのと、ストーリーが面白かったのと、タイトルに魅了されたのと・・いろんな要素がありました。とはいえ、先述のとおり、次に手が伸びないのも事実でしたが、そんな時に見つけたのが、この、つぶやきシリーズ。本屋さんで見つけて、中身をパラパラと少し読みかじって、これならと思い、いそいそと購入したのがこの「つぼねのカトリーヌ」でした。

    森先生が思った事・感じた事を、徒然なるままに書いていましたが、これがなかなか面白かったのです。100のテーマで、1つずつ読んでいくと、「あー、なるほどなあ・・」と思うものや、「んー、理屈は分かるけど・・気持ち的には、あたしは、こうだなあ」とか、「森先生の立場や環境が、この考えを作ったのだな」とか、森先生の意見に賛成したり反対したりしていました。

    そうして読み終えた時に思ったのは、森先生は、静かに主張する人なのだな、という事でした。
    上から目線で語るでもなく、「俺が俺が」と前のめりに熱弁するでもなく、自分の考えを述べながら、同時に、読み手にも考えさせる。「僕はこう思うけど、君はどう思う?」と。

    本を読みながら、森先生と議論が出来る。森先生の意見を聞きながら、自分の考えを構築する。
    そんな稀有な体験が出来るのは、森先生のエッセイだけなのだろうと思います。楽しい授業でした。

  • 森節炸裂。清々しいほど。

    “ものを買うときには、出した金の価値が、買ったものの価値になる。安く買えば、安い価値と交換しただけのことだ。”
    買い物っていうのは、自分がそれにどれだけの価値をつけるのかってことだというのね。
    だから、本当に必要なもの、本当に欲しいものは高くてもいい。
    どうでもいいものは安く買ってもいいだろう。
    安いものを探すために時間を費やすのは、決してお得ではない。

    “「よす」という動詞は、命令形以外は聞かなくなった。”
    確かに。
    「よせ!」と「やめろ!」は同じくらい使われていると思うけど「よして!」より圧倒的に「やめて!」だな。
    「よしとく」と「やめとく」はどうだろう?など、いろんなパターンで考えた。

    “奇跡を信じろ、というのは無理な話だ。”に続くのが“理由は簡単である。信じられないものを奇跡と呼ぶのである。”
    実に全くそうだった。
    往往にして本質を忘れてしまいますなあ。気をつけないと。
    “奇跡を信じるまえに、奇跡に縋らなければならない状況に陥らないことが大事だ。当たり前の道理である。やるべきことは、状況を常に分析し、間違いを修正し、少しでも確率を上げること。つまり、奇跡を遠ざけることが大事だ。”
    頑張ります。

    “若い時には、「幸せ」なんて感じたことはない。子供はそんなものは知らない。幸せというのは、死に近づいた者にしかわからない。”
    私が幸せを自覚するようになったのは、やはり最近のことのような気がする。
    「幸せだ」とか「嬉しい」を素直に言えるようになったのは、鬱病になってから。
    素直に口に出せない性格だったというのもあるけれど、そういうものに無自覚だったというのが大きい。
    常に「幸せ」を意識している子どもは、あまり「幸せ」ではないような気もするし。
    子どもの頃に比べたら確実に死に近づいているわけで、“死に近づいた者にしかわからない”というのはその程度のこと。

    森博嗣の主張は、必ずしも同意できるものばかりではないけれど(極論が多いし)、自分の思考のくせを一回リセットできるというのは結構気持ちがいい。
    だから時おり無性に読みたくなるのだな。

  • 今回のエッセイもはっとさせられる言葉が転がっていた。何回読んでも発見がある。あとは考えて実行するのみ。
    また、解説が著者への嫉妬心むき出しで面白いので是非一読を。

  • クリームシリーズ3作品目。

    日常の出来事や人生論、趣味の紹介など100個集めた「森博嗣の世界観」を味わえるシリーズ。

    特に20項目の「人に嫌われる覚悟が、人生の活路になることがある。」で、成功の代償として嫌われるのは必然であり、自分に嫌われないことが大切だという主張にとても納得させられました。

    毎年発刊されているシリーズものらしく、自分自身も似たような考え(理系独特の考え方?)をもっているからか、共感できるお話や学びがとても多かったです。3作目から読んでしまいましたが、全作読んでみたいと思いました。

  • エッセイ。シリーズ3作目。
    森作品を100冊以上読んだ今では、どのコンテンツも納得できる!
    森さんに影響を受けまくっていることを実感しました。

  • 解説おもしろいなあ。ももちとはまた違うおもしろさ。
    森博嗣は作家読み(という言葉はあるのだろうか)しているので、何を言っていてもウンウンそうだねとまるで聖母になった気分が味わえる。
    のび太とドラえもんを抽象化すると、騙される人間と詐欺師になるのか……。

  • 「つぶやきのクリーム」で、相変わらず良いタイトルで出してくるなあもう!とにまにまし、「つぼやきのテリーヌ」でげらげらと笑い、今回、「つぼねのカトリーヌ」で、そうきたかーと目を丸くしながらにまにました。
    読書感想サイトの話が何度か出てきたけれど、たしかに、意見というよりも感情の垂れ流しになっているレビューもあるので、ユーザーだけれども納得してしまうところも。小学生の夏休み絵日記みたいな内容なら、寝かしておいた方がよほど有益かもしれませんね。と書きながら、自問自答。
    そう、彼のこのシリーズで優れているところは、ユーモアのあふれた文章で、愛と理性を惜しみなくあげながら、ふと「あれ、じゃあ私は?」と思わせるところだと思う。狙ってやっているなら(狙ってやっている可能性が大だけど)、にこにこして乗せられたい。
    解説の土屋教授が面白くて面白くて、電車の中で唇を噛みしめました。私も、「知り合うんじゃなかった」とか言えるくらい仲良くなってみたい。あらら。これはただの嫉妬か。
    解説を読む前に、100番目のエッセイをしみじみと何度も読みました。死期なんて、誰にもわからないけれど、彼はそれを意識して生きているのだなと。それ自体はごくごく当然なのだけれど、果たして彼が遂にいなくなったとき、私の人生はどう変化するのだろう。誰かがいなくなっても人生は続いていくし、そもそも私は彼の知り合いでもなんでもない。それでも、世界のどこかで彼が生きていて、同じ時間を共有しているのだと想像することはとてつもなく幸福なことである私にとって、彼がいなくなるその日は、涙なんて出ないくらい哀しい寂しいものになるのでは。
    何度も書いていることですが、読書をしていて一番幸福なのは、見ず知らずの誰かに、人生を左右されるくらいの影響を与えてもらうことだと思う。それがどういった影響であっても。その影響を受ける皿を持った自分であることも尊いし、そんな相手に巡り会えたことも尊い。こういった読書感想サイトでは、そんな一冊に巡り合ったひとのレビューを読むのも、また一興かもしれません。

  • 百個のショートエッセィ。
    前書きと解説が面白い。エッセィ自体はいつもの森氏なので元気そうだな、という印象。どちらかというと奥さんが入院したらしいのでそちらの方が心配。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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