発達障害の子どもたち (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062800402

作品紹介・あらすじ

言葉が幼い、落ち着きがない、情緒が不安定。そだちの遅れが見られる子に、どのように治療や養護を進めるか。長年にわたって子どもと向き合ってきた第一人者がやさしく教える。

感想・レビュー・書評

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  • 発達障害児に関して具体的な事例を紹介しつつ概要をまとめた本。発達障害については本人や家族の体験談などでその困難な生活を見聞きするケースが多かったのだが、この本は精神科の先生による落ち着いた筆致なのが読みやすい。本人の困難、家族の苦悩に引きずられて感情的に受け止めるより、どう対処したらいいのかを考えさせてくれる。発達障害を抱えながら、いかに現代社会に適応して生きていくか、どういう生き方が本人に取って望ましいかを冷静に考えて寄り添い、必要がなくなったら離れる(あくまでも受診なので経過良好とみたらいったん診療は終了する)。場合に応じて薬も使うし、通常学級と特殊学級のどちらに通うべきかもケースバイケースだし、今は障害者雇用が会社の義務だから、十分配慮してもらいながらその枠で就職した方がよほど安心安全に生きていけるケースもある。学習障害は適切な対処をすれば後年に大きく困ることなく社会生活を送ることが出来るという分析は非常に興味深かった。

  • まだ読み始めですが、とてもいい始まりです。

  • 2023/08/25 Kindle(セール)
    よい。

  • 発達障害の諸症状だけでなく、どのような場合にどの薬を用いるか、子どもの場合はどのような学校を選択するとよいのかなど、当事者の視点にたった説明に著者の人柄を感じる。当事者も支援者も、また一般社会でも、正確な知識や対処法についてまだまだ理解が不十分な分野だと思う。更に理解を深めたくなる。

  • 臨床経験の豊富な医師が知見を盛り込んだ発達障害の良書。
    自立とは何か。通級や支援学級の目安など具体的に書かれており、参考になることが多かった。

  • 最悪なのは「放置」

  • 豊富な臨床経験のもと、目から鱗の話が多かった。巷にあるこの分野の本を読んでいると、本質を忘れやすい。時々読み返したい。

  • 発達障害とは何か?が体系的に学べる良本。

    本文の中にある、国語力が低いと自身の気持ちを表現できずストレスがたまり非行に走ってしまうというのは、
    発達障害の方だけでなく、健常者にも当てはまると思ったし、不安な気持ち、嫌な気持ち、それらを言語化することで気持ちの整理ができると学んだ。

  • 私は30歳になって発達障害と診断されました。
    そのことをとある席で話したところ、とある方からこの本を譲っていただきました。

    非常に良い本でした。

    当事者であっても支援者であっても、とにかく発達障害について知りたいなら必ず読んでおくべき本の一冊だと私は思います。

    もちろん、発達障害について関わることが少ない人にも読むのを勧めたい。
    勧めたいですが、ただし私としては「この本を読んだからって全ての誤解は解かれたなんて思わないでほしい」と忠告してから、それでも読んでと手渡したい。

    筆者は愛知県のお医者さんだそうで、私はもちろん会ったこともないお医者さんですが、きっと良い先生なんだろうなというのは読んで伝わります。沢山いるんでしょう、この先生——杉山登志郎先生——に救われた人は。

    「発達障害に関する世間の誤解を解きたい」という信念から冒頭が書き起こされ、次いで自身の携わった豊富な臨床例を——しかも失敗談も隠さず——引き合いに出しつつ、いわゆる「発達障害」の全体像をあぶり出していく。

    何度も読みました。読むたびに本当に良い先生なんだなぁ、という感じを覚えます。
    良い先生というのは、身の丈を超えたことを決して軽々しく言わないものです。知識を誇らず、数字(データ)と経験をベースに物を言います。心は誠実、謙虚。人には温かいまなざしを向けられると同時に、混迷した社会の現状に対して鋭く批判も出来る。
    ひょっとしたら騙されてるのかもわかりませんけど、この本を読んでいると、そんな良い先生のお人柄というものを感じます。

    もしこの先生に、人生の早い時期に診てもらうことがあったなら、私の人生も変わっていただろうか、なんてことも考えましたが、それはそれ。
    今の主治医も私にとっては良い先生なので、まずは頼れる人に全力で頼りつつ、与えられた脳味噌と、遺伝子と、環境の中で、謙虚に前向きに、生きていくだけです。

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著者プロフィール

福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授

「2023年 『そだちの科学 40号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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