- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062816212
作品紹介・あらすじ
依然として安倍内閣の支持率が落ちない中、現代日本で起こっているさまざまな「くだらない」現象を読み解くキーワードが「B層」である。著者はすでに「ゲーテの警告」「ニーチェの警鐘」の二冊の+α新書で、偉大なる哲学者、教養人の言葉を引きながら、近代大衆社会の末路が現在であり、それを象徴しているのが「B層」の横行であることを指摘し、多くの支持を得ている。
「B層」=比較的IQの低い、騙されやすい人間たち、の特徴を細かく解説しながら、多くのB層に支持された民主党がかくも無様に崩壊した理由、そしてまた懲りもせず橋下徹の一挙手一投足に一喜一憂するB層の「勘違い」の害毒を、あらゆるジャンルで分析しながら、あぶりだしていく。
感想・レビュー・書評
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ギャグ漫画のようで、こんな楽しい本は無いな、と他の方の書評を見て唖然。評価が低い!静かな映画館で、声を出して笑うと周りが全く笑っていなかったような状態。でも気にしない。ソロモンアッシュの同調実験じゃないのだから。B層とは、郵政民営化の際に広告代理店のスリード社が用いた大衆の分類で、本著はその真意を読み解いた内容。差別的なのは、織り込み済みという態度だ。
大衆とは、良くも悪くも、自分自身に特別な価値を認めようとせず、人と同じことに喜びを見出す、すべての人。ー オルテガ『大衆の反逆』
ユーモアセンスの一例を引こう。菅義偉=お尻に毒針を隠し持つ悪い妖精。食べ放題=もとを取りたいというB層のコスパ感覚を満たすもの。ブス=本能に直接訴えかける黄色信号。ミシュラン=客層が荒れる最大の原因。一流=一流が一流であると認めたもの。
口が悪いし、ちょっとした知識の不足も見過ごさない抜け目なさは、漫才師ウエストランドのよう。清々しい悪態。たまには。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
遅くなってしまいましたが献本いただきレビューです。
この本を辛口でおもしろいなーで終わるとTVの代わりに暇をつぶしているだけになる。
「大衆」を相手にしている声の事実を抑え、意図を嗅げと考えられたら良い。
読んでよかったな~と思えたのは文中にあるオルテガの引用
「過去は、われわれが何をしなければならないかは教えないが、われわれが何を避けなければならないかは教えてくれるのである」
過去に学び大きな過ちを避けるためのシステムを、近視眼的な感情で素人が破壊してはいけない。 -
献本で読みました。
献本でなければ読まない本でしたから、そういう意味では良かったです。
ただ、この他人を批判するだけの態度には同意できなかったです。
大切なのは批判ではなくて、では、どうするのか? ではないのかな、と思うので…
B層と決めつけるのは、この方のただの傲慢な気がしてしまうのです。でも作者にしてみれば、それすらもIQの低い、自分のキッチリした意思ももたないB層の発想なのでしょうね。 -
「B層」=比較的IQの低い、騙されやすい人間たち、の特徴を細かく解説しながら、多くのB層に支持された民主党がかくも無様に崩壊した理由、そしてまた懲りもせず橋下徹こそ日本国首相にもっともふさわしいという今日の世論調査の結果に現れるB層の「勘違い」の害毒を、あらゆるジャンルで分析しながら、あぶりだしていく。
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「日本をダメにしたB層の研究」
騙され続ける宿命。
いつから日本はこんなにダメになったのか。すべての日本人の素朴な疑問に答える本、それは「日本をっダメにしたB層の研究」であります。著者は、適菜収。早稲田大学でニーチェを先行し、現在は、作家兼哲学者。哲学者と作家、さほど相性の良さを感じないのは私だけだろうか。と、ふと疑問に思いながらも手に取った次第です。
まず、目次をざっと見てみる。すると、B層とはなにか?今の世の中はなぜくだらないのか?今の政治家はなぜダメなのか?素人は口を出すな!と刺激的な言葉が躍っています。目次後のページには、B層用語辞典と銘打った本書で扱う言葉の辞書が・・・。例えば、
【アーティスト】
ジャニタレのこと(ん?素人のくせにアーティストのごとくネットで文句を垂れているところを風刺している?)
【相田みつを】
ファミリー居酒屋のメニューの書体を開発(お?これは少ない言葉で意味を的確に読み手に伝える相田みつを手法を讃えている?)
【維新政治塾】
入会金ビジネスのこと(やるー。それ正解!)
【コメンテーター】
専門外のよく知らないことを、知っているふりをして答える人のこと
(くー。いいこと言う。つくづくコメンテーターはいい商売だなって思うんだよねー。凄い納得いかない職業上位!それがコメンテーター。斎藤一ならば、阿呆、と言いつかれてしまう)
【ツイッター】
バカ発見器として定着。
(うんうん)
と、びびっと来る単語が並んでおります。さすが、哲学者というわけではありませんが、言い得て妙な選出だと思うところはあるので、個人的にはさほど違和感はありませんでした。しかし、ちょっと言いたいことがあります。それは、
【読書】
バカは自分の知っていることを確認するために本を読む
なんだとー!!!それはなんか違うのではないだろうか!!!も、もちろん、風刺っぽく言いたいんだろうけど、ちょっと本好きとしては納得がいかないのだ( `ー´)ノ
と、一癖あるのはぷんぷん感じる出だしでした。肝心の中身ですが、刺激的な章名からご想像の通り、辛口な文面が続きます。が、面白いといえば面白いのだけども「ようは・・・なのだ」という表現が多すぎて、論理的に物事を把握したい人にとっては「いやいや。ようはって省くくらいならば、的確に疑問生むことなく表現してよ」ってなると思います。
「ようは・・・」って言っている割には、要約されているように思えないんです。”ようは”と使うのであれば「ようはA=Bである」という論理式がすんなり聞き手の頭に浮かぶものでなければ、”ようは”という言葉を使う意味は全くないように思うんです。私はそこがいまいち好きになれませんでした。本の面白さに直接的に関係はないけども、頭はひねってしまう訳でw
しかしながら、そんな私のマイナスなイメージを挽回したのが「第三章 今の政治家はなぜダメなのか?」です。これでもか!というくらいくそみそに罵っています。哲学者とは答えが出ないものを自問自答したり、アテネ時代は延々と議論したりな人達ですが(と思っている)、彼らは「社会が良いものには何が必要か、政治とは如何にあるべきか」などなど善い気持ちがモチベーションになっている(と思っている)。だからこそ、今の政治家には非常に腹立たしいのでしょう。
そうですよね。今日なんかも、それって国会の討議で聞くこと?みたいなこと言い合っておりました。全く的を得ていない会話が続くことほど苦痛なことはないw。そんな政治家に物申すところはちょっと好きでした。
面白いは面白い。その為に、まずは「B層」とは何かを知って頂ければ。 -
ブクログの献本企画でいただいたので、レビューを書いておきます。
恐らく多くの人が見た事もない書き方、言い方の本なので戸惑いの方が大きいのではないかと思います。辛辣に批判を繰り広げるので、もっと建設的な内容を求めてしまうのではないかと思います。
私はそうでした。
ですが、こうまで言わないといけない状況なのだとわかって欲しいという、著者の思いなのではないかとも思っています。 -
かなり世の中を皮肉っている本。一見するとB層の人々を罵倒しているように見えて、そうしたカテゴライズに当てはめようとしている人も、「当てはまろうとしている人」も同様に批判している。だから、B層の人に対して「B層から脱却する方法」は一切本書に書かれていない。B層から脱却できても、カテゴライズされたがる性質を脱却できないからではなかろうか。最初にA~Dの4分類を見せて、「自分はどれに当てはまるかな?」と考えてしまうことそのものが最大の問題かもしれない。他人に分類されたがる人は、「不安」を行動の動機にする。
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【ブクログ献本】B層の生態について詳しく書いてあるのかと思ったがそうではなかった。