証言 零戦 生存率二割の戦場を生き抜いた男たち (講談社+α文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062817059

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『永遠の0』の参考文献筆頭に上げられている、神立尚紀氏の『零戦 最後の証言』が刊行されてから15年。戦中、命を懸けて戦い、多くの戦友を失い、多くが自らの傷を負った零戦搭乗員たちは、戦後の価値観の転換に戸惑い、固く口を閉ざしていた。その彼らに真摯に向き合い、閉ざされた心を開いていった神立氏が集めた貴重な証言を元に、波乱の時代を生きた男たちの人生を描く決定版。日中戦争初期、零戦初空戦で敵機を撃墜した名パイロットから、真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦を戦い抜き、終戦の日当日まで米軍爆撃機の迎撃に向かった者まで、零戦搭乗員として、あの過酷な戦争を戦い抜き、徒手空拳から戦後の混乱を生き抜いた、平成の若者の祖父たちの激闘と苦闘の記録である。

感想・レビュー・書評

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  • ゼロ戦搭乗員の証言をまとめた神立氏によるノンフィクション。昨年2016年は日本が真珠湾攻撃を実行して75年目の節目でした。この年、その真珠湾攻撃に参加した唯一存命でおられたゼロ戦搭乗員の方がお亡くなりになり、もはや直接の体験として我々の世代がお話を聞くことはできなくなりました。著者の神立氏は、次々と天命を全うされ亡くなられてゆく搭乗員の方の証言を少しでも残そうと取材を重ね、何冊もの著作を残されています。悲惨な戦争体験を直接聞くことが次第に困難になって来る今の時代にこそ、このような著書を通じて戦争がどのようなものなのかを知ることが必要ではないかと思います。ゼロ戦搭乗員を美化することもなく、等身大の証言そのままに残そうとする著者の姿勢には共感できます。ちょっときな臭い昨今の情勢だからこそ、耳を傾けるべき体験ではないかと思います。

  • 東2法経図・6F開架:397A/Ko16s//K

  • 戦死率が80%に達する程、消耗の激しい過酷な戦場を生き残った零式艦上戦闘機パイロットをインタビューした記録集(2016/11/17発行)。

    本書は上記の通り、零式艦上戦闘機パイロットの貴重なインタビューを取りまとめたモノの筈ですが、中には殆ど零式艦上戦闘機とは関わりの無かった山田良市や、事実とは食い違っている戦果、著者が付け加えたと思われる戦記が少々多いように感じられるなど、余り評価出来ない内容でした。
    流石に今時、零戦神話や三四三海軍航空隊の幻の大戦果について書いているのも如何なモノでしょう... 証言者の誤認、或いはもしかしたら誇張を真に受けて書かれていたり、インタビュー内容を著者が余り検証していないのも、どうかと思いました。

    やはりこの手の本は、本書の著者 神立尚紀より、誤認や誇張・虚偽を見抜き書いていると云われる渡辺洋二の著書の方が一枚も二枚も上のように感じました。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家・写真家。1963年、大阪府生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、1986年より講談社「FRIDAY」専属カメラマンを務め、主に事件、政治、経済、スポーツ等の取材報道に従事。1995年、元零戦搭乗員の取材を開始、以後25年の間にインタビューした旧軍人、遺族は500名を超える。1997年からフリー。著書に『零戦の20世紀』(スコラ)、『零戦最後の証言1/2』『零戦隊長宮野善治郎生涯』『零戦隊、発進! 』『撮るライカI/II』(いずれも潮書房光人新社)、『祖父たちの零戦』『証言・零戦』シリーズ全4巻、『零戦~搭乗員たちが見つめた太平洋戦争(NHK取材班と共著)』『図解・カメラの歴史』(いずれも講談社)、『戦士の肖像』『特攻の真意(旧版)』(いずれも文春文庫)、『一生懸命フォトグラファー列伝』(日本写真企画)など。映画やテレビのドキュメンタリー番組の監修も手がける。

「2020年 『特攻の真意』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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