探偵チームKZ事件ノート 切られたページは知っている (講談社青い鳥文庫)
- 講談社 (2011年4月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062852098
作品紹介・あらすじ
塾の図書室で、ページを切り取られた雑誌が発見された。一回も貸しだされた記録がないその雑誌。いったいだれが、どうやってそのページを持ち去ったのか。また、なんのために!?小6の彩と超・個性的なイケメン4人組は、今回もそれぞれの特技をいかして捜査を開始します。「KZ」の5人が大活躍する、本格ミステリーのシリーズ第二弾!小学上級から。
感想・レビュー・書評
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KZシリーズ二作目、かなりシビアな事件。中学受験も迫っていて、「全部落ちて公立の学校に行くことになったらイジメられるに決まってる」といった不安もなかなかにリアル。
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小学生の論理でできてるんだな、この本。
女だから、は相変わらず。でも、今回はそれに反発する描写がでてきてる。でもやっぱり違和感、「女だから」に対抗する「女だけど」の論理になってきてる気がする。男も女もないのに。ただ、殊更そういうイメージを強調する小学生らしさというのはでているのかもしれない。
後は犯罪対処について。
すごく正しいことを言っているみたいに、「他人の家に関する事件を勝手に警察に届けるのはどうか」なんて言ってるけど、「他人の家に関する事件なのに勝手に捜査して被害者を危険にさらす可能」については何にも考えてない。ものすごく低レベル。
そして最後に図書館。
塾に図書館があるってすごいことだと思うけど、やっぱり色々破綻してる。
図書館の雑誌にシミがついてた?そりゃいろんな人が借りるもの、誰かひとりが全部つけたということにはならないでしょう?
図書館の利用者リストから犯人を探る?何を言っているんですか、この図書館にはプライバシーも何もないのか。管理者はそれを許すのか。有田先生は司書じゃないってこと?
主人公は図書館が嫌いだそうです。理由は「誰が触ってるか分からないから」
そんなの本屋さんの本も一緒だと思うよ…。でもまあ、そう思うことは仕方ないので、それで図書館使えないならそれはしょうがない。
だけど、やっぱり普通の読書もしてないんじゃないかなって思っちゃうなあ。
あと、歯医者さんの治療は1回行っただけじゃ終わらないですよ。若竹君頑張ってね。
なんだか、そこもかしこも、なんという子供の論理…って感じの本だなと思いました。
読み手は小学生中心かもしれないけど、だから子供だましの本でもいい…なんて作者が思っているのだとしたら、とても悲しいことだと思います。 -
▼藤本ひとみさん/住滝良さん、の、「名探偵KZ(かっず)シリーズ」第2弾。小3の娘がむさぼり読んでいるので親バカ心配性で確認読破。
▼「それぞれ性格に問題があるが、みんなイケメンで秀才で勝ち組で、煎じ詰めれば善良である男子四人組」と「偶然その四人と塾で特殊クラス(5人しかいない)で一緒になった、そこそこしか勉強も出来ず、特段の美人でもなく、友達作りも上手く行かないコンプレックスだらけの主人公女子」という、男4:女1のグループが、まず出来ていて、なんだか良く分からないけど「俺たちはこのグループで仲間だから」と、周辺で起きる事件に「少年少女探偵団」として挑みながら、仲良くなっていく・・・・という基礎設定で。
ここまでで十分、「つまり、女子主人公にとって実に都合の良い設定であるな」という、これは批判では無く称賛です。
▼話は女子主人公(アーヤ)の一人称で、この心理描写が、特に、事件の段取りについて以外の、基本的なグループの人間関係についての心理描写がいちばんの見せ所です。
「特段の撮り得が無い、面白いことが起こらない自分の人生。友人関係も不安ばかり。なんだけど、こんな素敵な仲間が出来た。この仲間を大切にしたい。この関係をずっと続けたい」
という基本ベースがあり、
「あ、今、わたし、嫌われたのかも・・・・」
「あ、今、わたし、邪魔者扱いされたかも・・・」
「あ、わたし、役に立ってない・・・」
みたいな不安と戦いながら、事件に挑み、
「あ・・・今わたし、女の子扱い(ヒロイン扱い)された(嬉しい!)」
「ひょっとして〇〇君、私のことが好きなの!!??」
みたいなことが織り交ぜられる、というメニューです。
(あとそこに、小6設定なので、中学受験への恍惚と不安が綴られて、それはそれでけっこうザラっとしたら肌触り)
▼というわけで、事件そのものは道具なんですが、もちろんそれはそれで大事。
今回は、けっこうハードで、
【結婚に失敗した中産階級の若い女性が、気鬱になり、幸福そうな隣家の赤ちゃんを誘拐した】
という事件を解決。でもそっちの方の人間模様に、ぐぐぐっと入っていったりは、全くしません。(まあ、名探偵たちがみんな小6だからな・・・) -
まず塾に図書室があるのが衝撃的だった。田舎の地方には絶対にない世界観だからか、読んでいて新鮮な気持ちになる。こっちでも塾に図書室作ってくれないかな〜。
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みんなが自分の特技を生かして事件を解決して、最後は、スッキリして終わった❗️
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あっそういうこと❔っていうのが多くてこれはこう❔と思っても違って謎をとくのが楽しかったです。
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KZシリーズの二作目。
今回は章題に「親友アイテム」が、入っていて、
「そうそう、原作はこういうタイトルやったね!」
と、よりいっそうなつかしさがアップしました。
まー、なんだ。昭和臭がプンプンただよう内容でとってもよかったです。
彩が壁を乗り越えるときにスカートやったため、(おそらくインにはいていたであろう)ブルマ(笑)にスカートのすそを突っ込むシーンとか!
いやいや、やったよ。やったけどもね、今思えば、どうせ見えるのがブルマならわざわざスカートのすそを押し込まなくてもいいのでは? とか、思ってしまうね。
あとは彩宅には「キャッチホンがない」と、お兄ちゃんがイライラしてるところとか。
キャッチホン~!!! あったあった、ありました!!
もちろん当時の我が家にそんなものはなくて、親に頼んでつけてもらったと思うけど、話し中にならない装置やんね。
あったよね、そういうの!
そしてさらに究極は、
土曜の午前中に学校(の授業)があること・・・!
あー、ほんとに早くこの制度に戻さないかしら。
いつから週休2日になってるんかしらほんまに。
(ちなみに私は、高校二年生のときに、第二土曜だけ休みにする、とかいう中途半端な「週休二日制度」を導入された世代で御座います)
(でもって、その土曜はまる一日部活になるため、「普通に学校があるほうがよほどいい・・・」と、思っておりました)
いやはや、懐かしいわ。
これ、次作もまだ原作があるはずなので、こんなふうに原作の昭和臭を楽しめるんやろうけど、シリーズ4作目からはいよいよオリジナル?
いや、原作はあくまで藤本氏なので完全なオリジナルではないやろうけど、オリジナルには近くなるよね。
昭和臭・・・。
なくなるやろね・・・(笑)。
べつにこの本の味が昭和臭ではないから、ええねんけど。
今日はほんま、ひっさしぶりに、ほんま何か月かぶりに、仕事も予定もない日曜日やったので、午前中の2時間くらいにイッキ読みできました。
やっぱり、いっきに読めると集中も途切れへんし、面白さもひとしおやんね。
彩が脅迫文を組み立てるシーンと、相似で塀の高さを求めるところはすごい覚えてた・・・。
どっちも、
スゲーな・・・
と、思って当時読んでおりましたので(笑)。スゲーなとは思うけど、数十年経ってもどちらも私はできませんが(笑)。
作中についに
「ふっふっふ」
ちゅう、藤本氏笑いも登場したのでちょっと嬉しかったワ。笑
やっぱり、原作の色は濃く残してるのかなあ、と、思ったけれど、今回のあとがきがこの住滝氏で、あとがきの文章が
まんま本編の文章だった・・・。イヤあたりまえなんやけど
ああ、住滝氏がちゃんと改稿(?)してはるんやなーと思った。
そりゃそうなんやけど。そりゃそうなんやけども!
ほしたら、前作もこういう文章やったので、前回も今回も(私は)藤本氏原作の住滝氏作のKZをちゃんと読んでるってことか!
だからそういうてるやん・・・
ちゅうことは、4作目以降もこういうテンションでいくってことかな!
うん、読めそう!
カタカナ表記が多いのが気になるけど、そこはもう児童書やからしょうがないのか・・・(おそらく原作もカタカナ表記が多かった)。
内容はやっぱり面白いので、たくさんのシリーズにちょっと期待したくなってきました。
もちろん、続編もソッコーでリクエストします。
カッコイイ子たちがたくさん登場するけれど、原作を読んだ当時はもちろん若武クンかっこいいですねと思っておりましたよ。
だって作中でも若武推しやねんもん。
でも、アラフォーになって読んだら俄然
黒木派
何やのこの子。絶対なんかあるよね。家庭環境複雑すぎるよね。
現役ティーンには上杉クン推しが多いらしいという風のうわさは聞くけれど、いやいや黒木クンやで。
どうあの、彩ちゃんに対する態度。
大人~!! そして、かっこいい~!! スマート!!!
黒木クンは間違いなく挿絵で損してるな。あんな長髪に仕上げなくていいよ。
(でも長髪にしないと若武くんと区別が以下省略)
今井さんとの関係も、結局修繕しないままやったね~。
このへんがね~。
さすが藤本氏って感じに、容赦がない。
ここを仲良しでまるく終わると、それはそれで優しい話でええねんけど、若干薄っぺらくも感じる・・・。(;^ω^)
こういう失敗も繰り返して、最後に残ったものが親友アイテムなのかもね、とは、思ってしまうかな。
他人は結果だけを評価し、友だちは過程を評価するっていう黒木クンに、
「ああ、なるほどな・・・」
と、思った。
(子供向けやからか)やたら改行が多いこの本で、最後のこの黒木クンのセリフだけは全然改行もなくざっと語られていたので、もしかすると原作のままなんかもしれへん。
うまいこというたよ。
うまいこと、いうた。
ほんで、結果だけにとらわれた彩と今井さんが最後までうまくいかなかったのも、KZメンバーは本音でぶつかり合っているのにちゃんとつながっているのも、そういうわけなんやなあ。
たぶんこの本を読んだ当時の私は、もちろん結果だけでしか人を判断していなかった。
それから30年ほど。もちろん今でも人間関係に頭を悩ませて日々過ごしているけど、ムカッとしてやるせなくなっても、
「なんで、相手はそんなことをいちいちいうのか」
ちゅうことを考えるようにはなった。
それは瞬発力がなくなったともいえるんかもしれへんけど、また、そうやって過程ばかりにとらわれるとがんじがらめにもなるけれども、みんなこうやって丸くおさまるように過ごしてるんやろうな。お互いに。
(2016.01.31)