- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062880992
感想・レビュー・書評
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4つのアンチノミーの詳細な解説。感性と時間の関係、ヒュームとの比較など(110ページあたり)はけっこうおもしろかった。
それと理性の実践としての「純粋理性」というふうに感じたのだけど、やっぱりこの著者は「実践」方面のかたなのね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カントの『純粋理性批判』の内容を著者がわかりやすく語りなおし、随所で補足説明をおこなっている入門書です。
本書の解説でとくに優れているように思ったのは、弁証論の難解な叙述を思いきった仕方で整理し、独断的な形而上学に対する批判の意義を明確にしている点でした。同じ新書サイズの入門書としては、国際的に高い評価を受けているカント研究者の石川文康による『カント入門』(ちくま新書)という優れた入門書がありますが、本書はよりカント自身の議論につきしたがうかたちで、弁証論の議論の流れをたどっています。
一方、前半の感性論や論理学に関しては、やや問題があるのではないかという気がします。著者は、カントの批判哲学が独断的な形而上学への批判であることについて明瞭に語っており、人間の認識能力によって「物自体」を認識することはできず、「現象界」という経験的世界を認識することしかできないという点に評価のポイントを置いているように見えます。しかし他方で、カントの批判哲学のもつ超越論的な批判としての意義を十分に説明していないのではないかと感じます。カントの超越論的哲学が経験の可能性の条件を問うことを可能にしたという点を見落としては、その意義を十分な仕方で把握したとはいえず、ともすれば認識の成立する心理的なプロセスを解明したものと誤解される余地があるように思いました。 -
3年近く読んできたが、ようやく読破した・・・
けど未だによくわからない。 -
「感性」2つの形式性⇒空間、時間 「悟性」4つのカテゴリー⇒量、質、関係、様態 「理性」3つの理念⇒魂、世界、神