動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881197

作品紹介・あらすじ

赤ちゃんは周囲の人を自分にひきつけるための反応を生得的に備えて生まれてくる。ひよこの緊急時に発するピーという高い発声に対して、親鳥は敏感に反応する。人間でも赤ちゃんの独特の泣き声は、親を動かす。また大人からみて微笑と見える赤ちゃんの顔面筋肉の反応は、周りの大人にかわいいと思わせるためのものであると考えられている。脳科学ではわからない心と身体の動きとの深〜い関係。心身統一のための実践的ボディワークも紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 「心は身体の動きから生まれた」という身体心理学の立場から、身体と心の動きについて紹介されています。

    興味深く、なるほど、と思いながら読みました。

    身体と心のつながりに関心のある私にとって、参考になる一冊でした。

  • 心理学の昔の研究をベースに著者の日常的経験、知見などが書かれている。具体的かつ実行しやすい知恵も多々ある。西洋的分析の研究を続けた著者が行き着いた東洋的「心身一如」の世界と、その説明。

    以下、気になったところを抜粋

    *生物の発生をみると、始めに動きがあって、その後に中枢である脳が生じてきた。

    *西田幾太郎/「善の研究」で述べられる「純粋経験」とは、「経験があって、自己がある」ということで、それは「心身一如」、つまり客体と主体がひとつになって経験することを意味し、「分析的ではないこと」である。
    例えば、花を見て美しいと感じる経験は言葉で記述することができるとしても経験そのものは体験するほかはない。

    *著者は「気感(気分+感覚)」という言葉でレスペラント反応をとらえる。

    レスポンデント反応・・・生理的、無意識的反射、内臓の反応
    オペラント反応・・・意図的、意識的反応、筋骨格の反応
    レスペラント反応・・・反射と意図的反応の両方を含む、筋骨格の反応

    *右90度への視線の先にあるものは、好意度を上げる。(相手に向かって、左端にいると相手が好意をもつ?)

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/751470

  • 身体心理学の入門書。
    心理学の基礎知識もふくめて、分かりやすく書いているので、初心者でも理解しやすい。
    保健体育の学習指導要領で「心と身体を一体として捉え、」という文言があるが、その具体例をエビデンスと共に紹介してあるので、授業にも使えそうな気がする。

  • いろいろな視点から体やその動きについての知識が載っていて、新書としては充分な情報量です。

    チャールズ・シェリントンの分類は興味深いものです。また、第7章の「新しい人間の全体像」はウェルビーイングを考える上ではとても参考になりました

  • 身体と心のつながりの概要を期待して読んだ。読み終わった感想としては、期待の1割ほどが満たされた感じ。

    序盤の章では、動きから心が生まれた過程について、進化論を基に考察が述べられていて、それは興味深かった。
    後半の章では、行動によって、人の心理がどのような影響を受けるのか細かな研究が紹介されていた。しかし、各行動の研究が紹介されることで終わってしまっていて、まとめとしてどのようなことを筆者が考えているのか述べられていないような気がした。

    全体的な感想として、序盤の章のみ身体と心のつながりについてまとまりのある考察が述べられていた。しかし、後半の章では雑学の紹介のような印象で、それらから身体(動き)と心理のつながりについてどのようなことが言えるのか筆者の考えが掴みにくく感じて残念だった。

  • 新しい心理学の分野を分かりやすく解説してくれている。個人的にはもう少し専門性の高い突っ込んだ内容でも良かったかな、と思う。タイトルどおり「招待」まで。読んで損はない。

  • 身体心理学はなんぞ?という好奇心で購入。
    姿勢や対人空間(座席の配置位置)がいかに心理面に効果影響を及ばしているか知る。

  • 前半は身体、行動と心の発達について非常に興味深い話題であった。後半は社会や自然との繋がりについて論じるものと期待したが、細々とした各論に終始してまとめもないままに終わってしまった感じがある。もっと大きな概念で、新しいものの見方に振ってほしかった。

  • 現在の脳科学に疑問を呈する面白い本だった。

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著者プロフィール

早稲田大学 名誉教授

「2013年 『4枚組のCDで実践する マインドフルネス瞑想ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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