動きが心をつくる 身体心理学への招待 (講談社現代新書) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
2.75
  • (0)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (3)
本棚登録 : 30
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (221ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  まず心があってその結果身体の動きが生じる、という通説に疑問を呈し、動きの方が先にあるのだという主張を展開する。

     無理にでも笑顔を作ればなんとなく前向きになれることは経験的にも知っているし、姿勢や態度が心に影響することはさほど意外でもない。ただ、本書の後半でも触れられているように、それを実験的に実証するのは難しい。

     筆者はかなり様々なアプローチで語ろうとしているが、生物の進化から言葉の歴史まで話を広げた挙句に最後はオリジナルな体操の紹介に至る、正直言って珍妙な本だ。面白かったのは最初の3分の1で、残りは流し読みで十分という印象。

     新書というのは難しい専門分野の話を素人向けに解説するものが多いが、時として非主流の新説を考案した研究者が先走って素人を味方につけようとしているかのようなものもある。本書もそういう一冊だと感じた。

  •  私は私の意思ですべてをコントロールしていると思い込んでやしないだろうか? 他人の行為の理由を意思・こころだけに求めすぎてやしないだろうか?
     現代の主意主義・主知主義・主情主義はどれも身体・自然を疎かにしているのように思う。これは人間の宿命的誤謬なのかもしれない。
     コトバのみを知とし思考していてはすぐに限界に突き当たろう。カントの批判もそういうものだったのかもしれない。カントのいう理性の優位を為すためにはもっと身体感覚を養う必要があるのではないか。そこにこそもっと「意思」を働かせるべきではないか。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

早稲田大学 名誉教授

「2013年 『4枚組のCDで実践する マインドフルネス瞑想ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

春木豊の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×