アイヌ学入門 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.88
  • (24)
  • (49)
  • (25)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 644
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883047

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アイヌ民族について、世間に広く流布しているイメージ・ラベリングされた既存の概念を丁寧に剥がして、解説、訂正しておられると思います。タイトル通りの入門的な読みやすさですが、内容はしっかりと濃いです。

  • これまた、新しい視界を提供する良書と思います。この年齢になってもまだまだ発見です。アイヌ民族は、ダイナミックに外の世界とつながり、発展してきた「海のノマド」だというのです。外界への働きかけと受容の相互作用が新しい地平を切り開いていくということを実感します。

  • 「はじめに」の章で書かれていたように、
    アイヌは交易のなかで、グローバルな思想に根ざして
    生きてきた民族だったのだということが、
    とてもよくわかりました。
    それは、公・私、官・民の様々なレベルで、
    歴史の中で長きにわたるおこないだったということも
    初めて知るアイヌのすがたでした。

    読み始めると、専門家の文章らしく、
    むむむとなることもありましたが、
    久びさに、あたらしい発見のある本でした。

  • 考古学者でアイヌ研究者でもある筆者が、アイヌの事を学ぶ上で、和人にとって遠くて近い人びとなのではなく、日本列島にいた縄文人の特徴を色濃く残した人びとだという認識から、アイヌを理解するために書いた本。

  • ブログに掲載しました。
    http://boketen.seesaa.net/article/421176862.html
    交易するアイヌ、ヴァイキングとしてのアイヌという視点が新鮮。
    アイヌ民族の概念を揺すぶられる一冊。
    日本のマジョリティである和人は、弥生時代に朝鮮半島から渡ってきた人びとと、日本列島の先住民である縄文人とが交雑して成立した集団。
    アイヌとは、この交雑化を受け入れようとしなかった縄文人の末裔であり、日本列島の先住民。
    本書は、そこから一歩踏み込んで、「交雑化を受け入れようとしなかった」アイヌが、自然の中に閉じこもって縄文人の暮らしを守っていたわけではなく、北東アジアという広がりの中で交易し、他民族の文化に影響を受け、影響を与えた存在であることを解きほぐしていく。
    交易するアイヌ、ヴァイキングとしてのアイヌという視点が新鮮で、ぐいぐいとひきこまれました。
    みごとなアイヌ学の提示に、乾杯。

  • 話題の焦点が縦横新旧自在にスライドしていくので集中力を保つのが難しいが、その分アイヌを知るための手がかりが豊かな複層をなしていることを知ることのできる、入門書としては充実した一冊だと思う。

  • 衣装について捜索。

  • アイヌ人とはどんな民族か。

    交易や祭祀などアイヌの文化について詳しく書かれていて、新書というよりは専門の入門書という感じ。
    アイヌ人は未開で昔ながらの生活をひたすら守っているというイメージだったが、この本を読んでそのイメージは全くの誤りであることが分かった。
    昨今アイヌ人を巡って議論があったが、まずはこういう本を読んで知ることが大事だと思う。

  • 2015年5月新着

  • 純粋に面白かった。日本という土地に奇跡のように
    残ったアイヌ民族の成り立ちと歴史。
    隔離されて残った民族ではなく、日本人と
    北アジアの人々と多く交流しそのうえで、自分たちの
    民族のアイデンティティをずっと持ち続けた
    民族ということがいえるのだろうと思います。
    金銀の産出とアイヌと奥州・蝦夷の関係はなるほど
    と思わせるところです。また、コロボックルの伝説
    や千島・樺太のアイヌ民族とその交易の仕方。
    外部や忌から守るすべとその理由など納得させられる
    部分も多くありました。
    最後の現代のアイヌの方のインタビューも心に残る
    言葉があります。

全51件中 31 - 40件を表示

瀬川拓郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×