K (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
4.09
  • (4)
  • (4)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 36
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062903370

作品紹介・あらすじ

詩人として出発し、小説、児童文学など幅広く活躍してきた著者が、詩への志を同じくする配偶者との出会いから末期癌による辛い闘病生活の末の最期までを愛惜とともに描いた私小説。貧しい暮らしをものともしない生き方、自我のぶつかり合いによって築き上げられた特異な夫婦生活、常軌を逸した子供との結びつき、詩と学問への執着、どこか平静な病気との向き合い方などを通して浮かび上がる「K」の孤高の魂が感動を呼ぶ長篇小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  三木卓(2023.11.18没、88歳)「K」、2017.2発行。1959年秋、著者と夫人K(桂子)は共に24歳で出会った。同年冬、著者は初めて居酒屋にKを誘う。2度目の出会いで、Kは、風呂敷に洗面器、歯ブラシ、歯磨き、コップを入れて国立の著者の家に。いつの間にか結婚。そんな二人の48年を、著者が静かに淡々と綴った透明感のある書。読みやすくて一息に読了しました。

  • 結婚・夫婦について考えさせられる。当然のことだが、別々の人間が一緒に暮らし始めることの異常さとそれを日常としていく尊さのようなものを感じた。
    自分ができるかは不明だが、いやはや、結婚は大変だなあ。
    本文中に勤務先の会社名が出てきて、驚いた。

  • 夫婦だからと言って、なんでもわかるわけではないけど、だからこそずっと理解しようとし続けられるのかもしれない。

  • ある種、夫婦の闘いの日々。
    全然穏やかじゃないし幸せに満ち溢れているわけではないのに、読むと結婚したくなったのはなぜだろう。誰か一人と濃密に関り合う煩わしさ、しんどさ。どれも一人きりでは味わえないもの。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

詩人、小説家。1935年生まれ。早大露文科を卒業。詩人として詩集『東京午前三時』でH氏賞、『わがキディ・ランド』で高見順賞を受け、小説家としては「鶸(ひわ)」で芥川賞、『路地』で谷崎潤一郎賞、『K』で伊藤整文学賞を受賞する。児童文学作品や児童文学の翻訳も数多く、『ぽたぽた』で野間児童文芸賞、『イヌのヒロシ』で路傍の石文学賞を受賞するなど、詩、小説、児童文学の世界で受賞歴多数。2011年、旭日中綬章を受章。

「2018年 『ミッドワイフの家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三木卓の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×