- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062903370
作品紹介・あらすじ
詩人として出発し、小説、児童文学など幅広く活躍してきた著者が、詩への志を同じくする配偶者との出会いから末期癌による辛い闘病生活の末の最期までを愛惜とともに描いた私小説。貧しい暮らしをものともしない生き方、自我のぶつかり合いによって築き上げられた特異な夫婦生活、常軌を逸した子供との結びつき、詩と学問への執着、どこか平静な病気との向き合い方などを通して浮かび上がる「K」の孤高の魂が感動を呼ぶ長篇小説。
感想・レビュー・書評
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三木卓(2023.11.18没、88歳)「K」、2017.2発行。1959年秋、著者と夫人K(桂子)は共に24歳で出会った。同年冬、著者は初めて居酒屋にKを誘う。2度目の出会いで、Kは、風呂敷に洗面器、歯ブラシ、歯磨き、コップを入れて国立の著者の家に。いつの間にか結婚。そんな二人の48年を、著者が静かに淡々と綴った透明感のある書。読みやすくて一息に読了しました。
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結婚・夫婦について考えさせられる。当然のことだが、別々の人間が一緒に暮らし始めることの異常さとそれを日常としていく尊さのようなものを感じた。
自分ができるかは不明だが、いやはや、結婚は大変だなあ。
本文中に勤務先の会社名が出てきて、驚いた。 -
夫婦だからと言って、なんでもわかるわけではないけど、だからこそずっと理解しようとし続けられるのかもしれない。
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ある種、夫婦の闘いの日々。
全然穏やかじゃないし幸せに満ち溢れているわけではないのに、読むと結婚したくなったのはなぜだろう。誰か一人と濃密に関り合う煩わしさ、しんどさ。どれも一人きりでは味わえないもの。