- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062919975
作品紹介・あらすじ
戦争なくして資本主義はなかった。軍需による財政拡大は資本形成を促し、常備軍の増強は農業、流通、貿易に影響を与え、武器の近代化は製鉄や機械製作、造船、繊維産業の成長をもたらす。そして軍隊の「指導と行動の分業化」が大量生産した画一的人間。豊富な資料と文献で論究する、近代軍退の発生から十八世紀末にかけて戦争が育んだ資本主義経済の実像。
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:B1/1/1997/K
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戦争のための武器の供給、軍隊を維持などを効率的に行うため、資本主義が発達してきたことを定量的に分析していた。
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戦争なくして資本主義はなかった。
軍需による財政拡大は資本形成を促し、常備軍の増強は農業、流通、貿易に影響を与え、武器の近代化は製鉄や機械製作、造船、繊維産業の成長をもたらす。
そして軍隊の「指導と行動の分業化」が大量生産した画一的人間。
豊富な資料と文献で論究する、近代軍隊の発生から18世紀末にかけて戦争が育んだ資本主義経済の実像。 -
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新書文庫
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原著刊行は1913年。第一次世界大戦が翌年に始まる。ヨーロッパの歴史は戦争の歴史であった。第1回十字軍(1096–1099)からナポレオン戦争(1803-1815) までは約700年を要する。ゾンバルトが触れているのはヨーロッパ中世盛期から近世に至るまでであるが、それ以前はゲルマン民族の大移動を中心とする民族移動時代で、これまた戦争・紛争の時代といってよい。
http://sessendo.blogspot.jp/2015/05/blog-post_67.html -
資本主義経済の発展について独創的な研究を数多く残したゾンバルトによる、戦争と資本主義の関連を解明しようとする試み。常備軍の増強に伴う食糧・装備の需要の爆発的増大と、それに応えるために経済組織が統一化されていき、手工業的生産から工場生産へと移行していく過程を詳しく述べている。
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この本が執筆されたのが第一次大戦がはじまる直前の1913年。
欧州において戦争がなかったのは、16世紀では25年間、17世紀においては21年間のみ。
戦争を行うことは、あらゆる時代で大変お金のかかる事柄であった。
戦争目的の借款で利益を得た者の代表者としては、初期資本主義時代の最も富裕な2家族、フッガー家(ドイツ式。貸付承認型)とロスチャイルド家(ユダヤ式。証券取引所による借款の発行)である。
兵器の重要、ロジスティック、兵士が食べる食糧、軍服などとにかく戦争はお金が必要である。
軍艦は派手に武器を消費する。
増大する武器重要を適宜充足させる必要性は、経済生活の発展にとって二重の意味を持っていた。まず需要が山積みし、販路が拡大され、これによって商業あるいは生産を資本主義的な組織にする可能性が作られるという事実。 -
戦争に関する消費活動が資本主義を発展させたという事を詳細に論述。
ウェーバーと同時代の学者。ウェーバーを読んだフリしてた時と比べて、非常に読み易い。
近代の発展具合の証明となる材料は、その時代の知識人の論文ではなく実務家の実務資料(帳簿)だった事には非常に納得。
但し、外国の昔の貨幣単位には完全に消化不良になった。