儀礼としての消費 財と消費の経済人類学 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062921459

作品紹介・あらすじ

人類学の巨匠メアリー・ダグラスが、「消費」と「財」という経済理論の難問に迫る。「財」の有用性を括弧に入れ、「財」を消費者の価値秩序を物理的に示す「標識」として、「消費」をコミュニケーションとして改めて定義する。ケインズ、ウェーバー、デューゼンベリー、フリードマン、エンゲル、レヴィ=ストロースなどの所説を検証し、消費社会を駆動する原理を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 『汚穢と禁忌』のメアリー・ダグラスが、経済学を勉強し「消費」の人類学に挑んだ本。
    「財は社会関係を作り出し、維持するものでもある。」(P95)
    「人間が財を必要とするのは、他の人々とコミュニケートするためであり、自分のまわりで起きていることに意味を付与するためである。」(P148)
    このような中心思想をもとに、経済学的分析と人類学的知識が次々と展開されてゆく。
    非常に面白く、興味深い本ではあるが、どうやら、経済学をよく知っていないと完全には理解できないようだ。私は過去に経済学の入門書のようなものを幾つか読んだが、結局その考え方に馴染めず、どうしても経済学は身につかなかった。この本に出てくる表はよくわからなくて、私には難しかった。
    文章自体難解でもあるが、基本的な考えには共感できる。ただ「財 goods」という概念はなんとなく物質的個体をイメージさせるが、こんにちではもっと消費の対象は抽象化・ソフト化・コンテンツ化しているので、あまりふさわしくないものになってきているような気がする。


    ところでこの本はメアリー・ダグラスとバロン・イシャウッドの共著であるが、巻末の訳者解説などを読んでも、後者については全く触れられておらず、この経済学者がどんな経歴の人物なのか、どの程度メアリー・ダグラスに協力し執筆を分担したのか、さっぱりわからない。

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