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- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062931250
感想・レビュー・書評
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上巻のラスト、つまり第二部の第一章である「大幽霊烏賊」の、悪夢か妄想のようなストーリー、その異様な迫力と不気味さに圧倒されました。
病院の一室に閉じ込められていて、主人公の使降
が勝手に「黙狂」と名付けている身動きしない患者や、院長、副院長、看護長の何か隠し事をしているような不穏な雰囲気も気になります。
ただ、下巻が始まると、また精神病院の日常の描写が続きます。
少し不思議だったり訝しいことは起こるものの、「事件らしい事件はいつ起こるのやろう」と、違った意味でハラハラしながらページを繰りました。
こう書くと、退屈な部分が続いて読みにくいのかと誤解を受けそうですが、実際にはほんの僅かずつながら、謎が明かされてきて、そして後半には大きく物語が動きます。
僕もそうだったのですが、サブタイトルの「名探偵 面鏡真澄」から、「精神病院の中で、今起こる、起こった惨劇の謎を解く医療ミステリー」と思い込んで読むと、肩透かしをくらいます。
それでも、読み終えた後には、存分にどんでん返しと「騙された感」と満足感を味わえる良質のミステリーです。
最後に、個人的意見として、「本書は、首藤瓜於版『ドグラ・マグラ』である!」というコピーは気にせずに読んだ方がいいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示