水鏡推理2 インパクトファクター (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933322

作品紹介・あらすじ

≪人の死なないミステリ≫最高傑作!
=リケジョの星VS.文科省ヒラ職員=
世界的発見にまたも捏造疑惑。彼女が譲らぬ「正しさ」とは?

小生意気だが天才的ひらめきを持つ文科省・不正研究調査チームの水鏡瑞希。 ノーベル賞級の論文を科学誌に掲載した研究班リーダーの如月智美は瑞希の幼なじみだった。 勃発する研究ノート窃盗と捏造疑惑。智美に降りかかる災いの真相とは? 官僚を押しのけ霞が関を揺るがすヒラ職員の下克上ミステリ。

もしも自分が、一日でスターダムにのし上がるも一瞬ですべてが地に堕ちようとしている若き科学者の同級生だったら? 松岡圭祐はそんな立場に、ヒロインの身を置いてみせる。他の全ての人間が「間違いだ」と言っても、自分自身が「正しい」と思う感覚を、彼女は譲らなかった。奇跡的ラストシーンまで一気に読ませる傑作!―吉田大助(書評家・ライター)

リケジョの星に捏造疑惑の影。現実を食い破る予測不能な真相に読者を導く松岡マジック!“研究”と“助成金”との抜き差しならない関係を正す社会派エンターテインメント!―佳多山大地(ミステリ評論家)

感想・レビュー・書評

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  • 皆さんご存知ですか?研究論文が掲載されている雑誌にインパクトファクターなる雑誌の価値の高低があることを。久しぶりの水鏡瑞樹。今回は不正研究の真相を暴くため外国まで乗り込み説教を垂れる、遠山の金さん、スカッとしました。私も研究者の端くれですが、研究不正は考えもつかない。いずれAI技術が発展すると、捏造などは一発で分かるでしょ。研究の審査委員にはインパクトファクター主義者はいますので、この偏重が論文不正を呼んでしまうのですよ。私のインパクトファクターの合計は450ですが、この値にあまり意味はない!

  • 文部科学省の不正研究調査チームに所属する水鏡 瑞樹(みかがみ みずき)が活躍するシリーズ、第2弾。

    文部科学省の中でも、総合職ではなく、一般事務職ゆえ、バイトのような扱いに...(本当?)

    第1弾では、彼女の天才的なひらめきにより、『地震予測』や『自動運転』などの研究不正を、バッタバッタと切り捨てる、小気味好い展開でした。

    今回は、自然治癒能力を持つ新型人工血管の研究を巡るミステリー。

    この華々しい研究が、科学誌に掲載され一躍有名になったのは、なんと、水鏡の元同級生、如月 智美。

    しかし、実験ノートの盗難や、論文の捏造疑惑が発生し、如月は、窮地の立場に...

    果たして、水鏡は、窮地の元同級生を救えるのか?

    なお、タイトルの『インパクトファクター』とは、研究論文の引用数のことで、研究者の出世や給与にも影響を与えるそうです(※これも、隠れた動機の一つですね)。

  • シリーズ第二作目。文科省の研究費不正使用を調査する特別チームに所属する一般ヒラ職員・水鏡瑞希が、幼馴染みの研究者に降りかかる研究の捏造疑惑を解決に挑みます。若い女性研究者が突然脚光を浴びてからの捏造疑惑と実験ノートの亡失というのは2014年に発表された「ある細胞」の捏造事件がモチーフであるということは察することができます。(最も解説にはきちんと明記されている)何故、未完成の論文を学術誌に掲載されたのかやタイトルの副題であるインパクトファクターの意味と共に明かされる過程は読んでいてためになるのですが、前作がスケールの大きい研究の詐欺であった分、今作は事件の真相やその伏線が前作ほど大がかりでなくアッサリしていたのと、幼馴染みの周辺の話が丸く収まり過ぎのように思いました。

  • 面白すぎてページをめくる手が止まらない。 
    ちょっとカタルシスが弱い気もするけどこれが現実的であり現実なのかもしれない。  
    それにしても科学研究って色々大変なんだなぁ。どうにかならんものかね。

  • おはようございまーす。
    聖栞です。

    ☆官僚を押しのけ霞が関を揺るがす、美貌のヒラ職員の下克上ミステリ。☆

    「水鏡推理Ⅱ」
    松岡圭祐著
    講談社
    ご恵贈して戴きました。

    朝香クリステル聖栞
    (あさか・クリステル・せしる)

    弱冠25歳の美貌の大学院生・如月智美は、生命科学人工臓器研究所、最年少の研究班リーダーになった。

    25歳の美人大学院生。
    傷がついても自然治癒するFOV人工血管を完成させたという論文を発表、一躍リケジョの星になる。

    「ノーベル賞ものの発明」
    「国民的スターの誕生」

    美しいヒロインの誕生に、国中が沸き、祝福ムードに。

    しかし、論文の内容が精査されると直ぐに、捏造の疑惑が持ち上がる。
    小保方晴子氏のSTAP細胞捏造事件を彷彿とさせる冒頭である。

    勃発する研究ノート窃盗と捏造疑惑。
    智美に降りかかる災いの真相とは…。

    如月智美が勤務する研究室のある施設は、文部科学省所管による国立開発法人化が検討されており、瑞希を含むタスクフォースのメンバーは、立ち入り調査をおこなうことになる。

    ノーベル賞級の論文を科学誌に掲載した研究班リーダーの如月智美と、タスクフォースの一員、水鏡瑞希は幼なじみだった。

    水鏡瑞希は、国家公務員一般職(旧II種)事務官。
    現在25歳で、文科省に実在する不正研究を暴くタスクフォースに配属されている。
    知力と行動力で上級官僚をはるかにしのぐ、美貌のヒラ職員。
    如月智美とは小学校の同級生だった。

    FOV人工血管とは…。
    「合成高分子材料に培養人工血管と遺伝子導入した人工血管を混合した、まったく新しい素材が用いられた」
    とメディアは報道した。

    「たとえ人工血管が切断されても、傷口が自発的に隙間なく吻合され再生し、血流が復活する自然治癒能力を有します」。

    如月智美は捏造疑惑を否定し続け、決して認めようとはしなかった。

    ≪人の死なないミステリ≫最高傑作!
    リケジョの星VS.文科省ヒラ職員
    世界的発見にまたも捏造疑惑。
    彼女が譲らぬ「正しさ」とは?

    ごきげんよう。

    朝香聖栞(あさか・せしる)
    女優/モデル。大島観光特使。
    映画「火花」出演中。
    ミステリを偏愛するお嬢さま書評家 / 文筆家。
    学業の傍ら新刊レビューや文庫解説を執筆中。
    本業はマンション経営です。
    書道初段。
    ランコムガール。
    野菜ソムリエ Jr.マイスター。
    日本ロリータ協会会員No.3223
    カプコンオフィシャルモニター。
    アメーバ スマホガール。
    雑誌「ダ・ヴィンチ」読者審査員。


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  • 水鏡瑞希シリーズ第2弾。面白くてどんどんとページを進めて気づいたら...って感じでした。文科省とは言え事務官であり、本来なら立場をわきまえなければならない所でも、自分が正しいと思ったら口に出さずにはいられない人。凛田莉子さん(Q)や浅倉絢奈さん(α)とはまた違った魅力ある才能の持ち主である水鏡瑞希さん。ステキだと思います。今回は研究開発された「自己治癒力のある人口血管」について繰り広げられる。その開発者は、瑞希の幼馴染である。幼馴染の不正を追求する事となり、心苦しい時もあっただろう。それでも「正しい推理」の末に答えを導き出す。ちょっと前に本当にあったSTAP細胞を考えさせられた。あれの真相は、ホントの所どうだったんだろうと。

  • 文科省・不正研究調査チームの水鏡瑞希が立ち向かうのは、自然治癒する人工血管の謎。
    発明した研究班のリーダーは弱冠25歳の如月智美。
    ノーベル賞級の論文を科学誌に掲載すると発表し、彼女は一躍スターになったものの、その論文に捏造の疑惑が持ち上がってしまう。
    智美とは幼なじみだった瑞希はその真実を明らかにできるのか。

    STAP細胞問題をモチーフに描かれる理系ミステリー。
    「FOV人工血管は存在するのか」という謎に加えて「それが捏造だとしたら、なぜそんなことをしたのか」という動機の謎も重なり、当時のニュースのことを思い返しながら興味深く読めました。

    研究班のリーダーである智美を瑞希の幼なじみに設定することで、ドラマ性が高まって読み応えが生まれたように感じます。
    「智美は捏造をしたのだろうか」という瑞希の思いに自然と感情移入できたし、瑞希自身も騒動の渦中に巻き込まれることで、事件の真実を置き去りにしたまま加熱する報道や風評にも焦点を当てているところがいいですね。
    終盤の記者会見からエピローグは清々しいシーンで好きです。

    今作は二作目なんですが、登場人物が一新されているのでここから読めます。
    チームの宗田、野村、そして上司の船津も良いキャラですね。
    前半では瑞希のお茶目さも垣間見えて面白いです。
    総合職(官僚)と一般職のしがらみは今作では控えめ(これぐらいでいいかも)。
    瑞希は今後ますます一目置かれることになるのか気になります(笑)

  • 文科省不正研究調査チーム、一般職員水鏡瑞希の推理シリーズの2冊目。今回の疑惑の対象は瑞希の幼なじみ。友情と疑惑…真相をもとめる。

  • 登場人物をこうもガラリと変えるか!みたいなところはあったのと、記憶に新しい捏造事件が呼び起こされて、あの時のあれはどんな裏があってんだろうなぁ、なんて思いながら読んでいました

    2018.10.30

  • 前作の心を通わせた仲間たちと新たな敵に立ち向かうのかと思いきや、まさかの水鏡以外移動!そうですよね、公務員は移動しますよね。
    新たな仲間と対するのはリケジョ。数年前のあの事件を彷彿させます。この小説の終わり方とても良いです。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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