ブラックボックス(上) (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936354

作品紹介・あらすじ

当代最高のハードボイルド作品と言われる、ハリー・ボッシュ・シリーズの邦訳最新刊!すべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるという、ハリー・ボッシュの信念を象徴しているかのような記念碑的作品。因縁の未解決事件に再び迫ります。
1992年のロドニー・キング殴打事件にはじまったロサンジェルス暴動。ロス市警ハリウッド署殺人課のボッシュ刑事は、相棒のエドガーとともに、市内警邏の応援に駆りだされていた。
 そこでひとりの外国人白人女性の射殺死体が見つかったという報告を受ける。被害者はデンマーク国籍のフリーカメラマン兼ジャーナリスト、アンネケ・イエスペルセン。暴動取材にやってきて、強盗被害にあったものと思われていたが、犯人は見つからなかった。いわば、ボッシュにとって、最初の未解決事件になり、永年心に残っていた。
 2012年、未解決事件班で、ロス暴動20周年にあたり、当時の未解決事件を集中して再捜査することになり、ボッシュはイエスペルセンの事件を担当する。

感想・レビュー・書評

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  • 当代最高のハードボイルドと言われる、ハリー・ボッシュ・シリーズ。
    20周年の記念となる作品。

    2012年、定年延長でロス市警の未解決事件班にいるボッシュ。
    1992年の外国人女性の事件を扱うことになります。

    当時、黒人青年を暴行した警官が無罪になったのを発端としてロサンジェルス暴動が起きて、街は大荒れ。
    白人のボッシュは、肌の色を隠してパトロールに加わらなければならないほど危険な状況でした。
    デンマークのジャーナリスト・アンネケが暴動に巻き込まれたのか?命を落としたのですが、通常の捜査もできず、心残りとなっていました。

    個人的な思い入れもあり、しだいに捜査にのめり込むボッシュ。
    最新の鑑識により、新たな発見が‥?!

    ロス市警という設定なのだから、暴動にも特別の思いがあったに違いありませんね。
    警察が逃げ腰になり、荒れる街を最初のうちは放置して被害を拡大したことに怒りを覚えるボッシュ。
    そういうことだったとは‥

  • マイクル・コナリー『ブラックボックス(上)』講談社文庫。

    デビュー20周年記念作品。ハリー・ボッシュ・シリーズはデビュー作の『ナイトホークス』以来、全作を読み続けてきた作家だけに非常に感慨深いものがある。

    本作では20年前の未解決事件にハリー・ボッシュが挑む。物語はいつも通りスローな立ち上がりなのだが、徐々にハリーの事件捜査に賭ける一途な姿勢に物語の世界に引きずり込まれていく。

    1992年のロス暴動時発生し、未解決事件となったデンマーク国籍のジャーナリスト殺人事件。事件発生時に初動捜査に関わったハリー・ボッシュが20年の歳月を経て未解決事件を再捜査するが…そして、ハリーに訪れた最大の危機。

    リアリティを感じるシリーズ。主人公のハリーもシリーズを重ねる毎に確実に歳を重ねる。本作中で、ロス市警の未解決事件班の刑事を勤めるハリー・ボッシュも62歳の誕生日を迎える。

  • しまった。
    ボッシュ刑事の最新作だと思って飛びついたら、
    どうも何巻か飛ばしてしまったらしい。
    ボッシュ周辺の話がつながらない。

    過去に自分が遭遇した未解決事件を追うというストーリーは面白かった。
    刑事ものとしてはありがちといえばありがちが、
    その過去がロス暴動だし、
    これまたお約束のように入ってくる横やりが、
    人種差別だと思われかねないという政治的判断なところが、米国らしい。

    (下巻へ続く)

  • ロス暴動大混乱の最中に発生し、まともに捜査ができず心に残っていたジャーナリスト殺害事件から20年。すべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるという信念のもと、ロス市警未解決事件班ボッシュは再捜査を開始。市警上層部の政治的圧力による監視をくぐり抜け、単独で事件を追いかける。

    シリーズ何作目かわからない。とにかく20周年記念らしい。

  • 上手いなあ。
    事件の料理の仕方もさることディテールにもスキがない。

  • 2023.05.27

  • 20年前のロス暴動の際に路地裏で射殺されたデンマークの女性ジャーナリストの未解決事件を追うボッシュ。
    検挙数字や自分の成績しか考えず干渉してくる新任の警部補。当初はギャングが使った銃から、ストリート絡みかと思われたが、湾岸戦争の時の戦争犯罪を取材していた。
    しかし捜査の前途に暗雲が漂う。それに抗った報いで内部監査からの調査にかけられてしまう。

    このボッシュの捜査にかける情熱、周りを巻き込む執念と秘密主義。こういった事から一部からは否定的なリアクションを招いてしまう。
    娘を思う気持ちの強さと、それゆえ娘との摩擦や前作で知り合ったハンナとの関係など、濃い人生だなあ。
    まあ薄かったら物語にならないんだが、読んでて息苦しい気持ちになってしまう。
    でもやめられない。

  • 社会的な背景も含めて描かれるのがこの作品の良いところ(まぁ、それは、この作品に限ったわけでは無いかもしれませんが)

    ロス暴動ですか。確かにね、海のこっち側でテレビを通して見ていましたが、なかなか酷かったですね。

    しかも今回は、外国人記者が被害者という事で、アメリカ国内に閉じた事件と異なる様相を示してきています。下巻での解決に期待です。

  • 久しぶりにハリー・ボッシュを読む。えーとこの娘は?
    完全に忘れてる。
    相変わらずの捜査スタイルで事件解明に向け下巻へ。

  • 20年前の未解決事件 ロス暴動 女性カメラマンの死 薬莢発見 最新技術の調査 銃の発見 湾岸戦争の遺物 派遣州兵 ボッシュ倫理疑惑に引っかかる 濡れ衣 解決

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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