蝶の力学 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937078

作品紹介・あらすじ

遺体の首に挿された青い花。猟奇的な装飾に戦慄する殺人分析班は、新聞社に届いた挑戦状らしきメールに言葉を失う。大ヒットシリーズ

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ一作目から読んでいるので、読むともはや家に帰ってきたかのような安心感がすごい(笑)

    シリーズもここまでくると、塔子さんも先輩方までにはいかずとも随分、成長してきている。
    今回も悩み、立ち止まり、もがき、葛藤し、新しい相棒と組んだりと色々な事がありながらも事件解決に向かって進み続ける。
    最後のくだり、ほっこりした終わり方で微笑ましかった。

  • シリーズ第7弾。
    住宅街で発生した強盗殺人事件。
    被害者の妻も負傷した状態で拉致されたと見られ、妻の消息を追う塔子達第十一係のメンバーたち。
    そんな中、新聞社に犯行声明のメールが届く。
    「クラスター16」と名乗る犯人は、第2の殺人として拉致した妻の遺体を公園に遺棄する。
    犯行声明に振り回されながらも、捜査を進める塔子たちだったが、この事件の少し前から鷹野の様子がいつもと違い、捜査中に二人が口論となり、別行動したことから鷹野が何者かに襲撃され、重い怪我を負う。
    捜査から外れてしまった鷹野の代わりに、塔子は今作で初めて尾留川とコンビを組むことに。
    鷹野の鋭い筋読みが無い分、やはり面白さも半減。
    尾留川と組むことで、新しい一面も見れたと言えば、見れた気もするが、シリーズも回を重ねると犯人のパターンも読めて来てしまうので、それはしようがないのかなぁ。
    「遊撃班」と言う名の捜査の一貫性の無さや、ミスリードしているのがばればれで、トリックに凝っていた割にはイマイチ。辛口でごめんなさい!

  • うーん。
    星3.5かなぁ。
    シリーズも進んできたし 書き手としては 鷹野主任が入院して 新しい一歩を踏み出す塔子が見どころなんだろうけど
    わたしが読みたかったのとは ちょっと違ったかなぁ。
    虚空の糸あたりから 塔子も頼もしくなってきて 鷹野主任とのコンビも 塔子のヒラメキと鷹野主任の緻密な捜査の 絶妙な組合せが 巻を増すごとにブラッシュアップされてきてる気がして良かったんだけどなぁ。今回もさらに輝きを増したであろう絶妙なコンビネーションが読みたかったので残念。あと 毎回最後の一捻りが なるほどねーって感じだったんだけど 今回はあまり冴えてなかったような…。
    鷹野主任のキャラも今回ちょっとブレてて いつもと違う人間鷹野を描きたかったんだろうけど 鷹野主任はいつもの鷹野主任の方がいいなぁ。
    モンクばっかりになっちゃいましたねー 笑。
    シリーズを書き続けるって大変なことだし ノッテるときと イマイチなときが あるのは仕方ないのだろうとは思う。
    わたし的には このシリーズ 虚空の糸から聖者の凶数あたりが1番面白かったような。今後またグッと上り調子になってくれることを祈ってまーす。

    • ことぶきジローさん
      現在、第8弾を読んでいます。毎回、全く違う殺人事件が描かれ、一体犯人は誰で、目的は?と引き込まれます。
      現在、第8弾を読んでいます。毎回、全く違う殺人事件が描かれ、一体犯人は誰で、目的は?と引き込まれます。
      2019/01/22
  • シリーズ第7弾。今回は鷹野主任が負傷して離脱したので、如月さんはじめ11係の皆さんが今まで鷹野主任に頼りすぎていたかも…やるぞ!と気合の入り方がいつもと違いました。そこが面白かった。
    離脱直前の鷹野主任は動揺してたにしても言い過ぎな気がするので、殉職した後輩の沢木さんのことは随分と心残りなんだろうな。
    しかし!そのシーンでの如月さんの「鷹野さん」呼びを搬送中からずっと考えていたり、毎度おなじみの河上さんに気をもむところはやっぱりこう。。
    今回の事件は猟奇性ありの劇場型犯罪とはいえ、その全ては捜査を撹乱するためというのがう〜ん…でした。やりたいからやって欲しかった、というのを犯罪者に求めるのはフィクションとはいえどうかしていますが。看護師の元同僚と美術商の方はかなりびびったと思います…美術商はともかく、看護師さんの方はただの良い人だった。
    沢木さんの事件も追っていくのか、続きも楽しみです。

    この巻はドラマ化されているけど改変がかなりあったんだなぁ。沢木さんにあたる人のお姉さんが菊地凛子さんだった時点でただでは済まないと思っていたけれど。。

  • 麻見和史『蝶の力学 警視庁殺人分析班』講談社文庫。

    シリーズ第7弾。今回は猟奇的劇場型犯罪の犯人を追い詰める如月塔子の活躍を描く。感想としては、せっかく大舞台と素晴らしいシナリオが用意されたのに、俳優の演技が小さ過ぎて不評に終わった舞台公演といった感じ。

    自宅で発見された若き資産家の奇妙な惨殺死体。資産家は喉切り裂かれ、青い花が活けられていた。同時に資産家の妻も行方をくらまし、クラスター16と名乗る犯人から犯行声明が届く…

    • ホワイトタイガーよーさん
      わかります。わたしもそうです。
      あと出来たら続けて読み続けたいです。
      今回はものすごい勢いで続けて読みました。
      その方がその世界にどっぷり浸...
      わかります。わたしもそうです。
      あと出来たら続けて読み続けたいです。
      今回はものすごい勢いで続けて読みました。
      その方がその世界にどっぷり浸かれるし。
      面白かったのって ビミョーに違いますね 笑。
      そこが楽しいんだけど。
      第8弾 持ち直してるんですねー。
      楽しみ。
      2019/01/23
  • 星3.4

    淡々と進む刑事系捜査ミステリ。時間が進むにつれ死体が増える、途中でバディの片割れが襲撃を受けてリリーフ選手に交代するくだりがあること、なにより台詞がなんとなくト書きの台本めいていること(※これは今回に限っては描写として下手というわけでない、文章が格別に巧み、というわけでもないが)などから、「クトゥル神話TRPGの刑事シナリオのリプレイ小説みたいな読み口だな」と感じながら読んでいた。誰かが一生懸命考えたセリフを登場人物が言ったとすればこうなった、くらいの距離感を感じた。
     独りで出来すぎてしまう先輩男性刑事と、新米の自認が抜けきらない後輩女性刑事の、恋愛関係未満の微妙なバディ関係が今作から仕組まれているようだが、大成功しているという感触ではない。シリーズの中で試み始められたのだろうという点では好感が持てる作業ではあった。
     いきなり『蝶の力学』から読み始めてしまったが、このノリを食べ直したくなったら同シリーズ作品も読むかもしれない。『石の繭』『蟻の階段』『水晶の鼓動』『虚空の糸』『聖者の凶数』『女神の骨格』が前作、『雨色の仔羊』がこの後の作品とのことだ。

  • 『蝶の力学 殺人分析班』
    WOWOW/毎週日曜放送
    2019年11月17日から

  • 警視庁殺人分析班シリーズの「女神の骨格」を読んだ。面白かったので、次にこの作品を読んだ。タイトルの「蝶の力学」はあまり意味はなかった。警視庁捜査第一課殺人班捜査第十一係の如月塔子と先輩刑事鷹野秀明が活躍するシリーズだが、今回は最初の方で、その鷹野が、犯人に刺されて、入院し、別の先輩刑事と組んだ如月が、周りの助けを得ながら、活躍する。
    今回の殺人事件のネタ、保険金の「同時死亡の推定」は結構多くの刑事物に採用されている。別に新しくはないが、途中で、このネタが、直ぐわかってしまったのが惜しい。最後は少し捻ってくれてはいるが、もう少し捻って欲しかった。でも面白かった。

  • 惨殺された若き資産家の喉には可憐な花が活けられ、その妻は行方をくらました。新聞社には「警察とのゲーム」を仄めかす挑発的なメールが届き、殺人分析班の如月塔子ら警察は怨恨の線で動き出す。しかし犯人の魔の手は警察にも及び、ついにー。

  • シリーズ第7弾。
    事件自体はあまり面白くないが、それでも先の展開が気になる書きぶりは見事。
    読んだことのない人におすすめはするほどではないが、ファンなら全然ありだろう。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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