道徳の時間 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937344

感想・レビュー・書評

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  • 心の揺らめきや機微を表現する文章力はとても美しくて好き。
    ミステリーとしてもいろいろな出来事が絡まり合って収束していく様は素晴らしいと思うのだが、
    ボクにとっては少し複雑になりすぎていて、
    どの謎がどの段階で解消されているのかが分かりづらく、
    モヤモヤ感覚が残ってしまった印象です。

    出来事が多くあるため、読み進めていることの伏線がどこだったのか掴みづらかったというのが正直な感想です。

    作品としてはミステリー要素も多く
    読了感は悪くないです。

  • 「爆弾」が面白かったので読んだ。
    最初からこの作者さんは「人間」が書きたかったんだなぁと感じた。若干入り組みすぎてる感じもあったけど展開は好みだった。

  • 面白かったが、周囲から見た犯人・向の人物像と、終盤で明らかになった向の犯行動機が、自分の中では一致しなかった。
    単行本で読んだが、文庫本の方には「文庫化で大幅加筆、完全リニューアル」と紹介されてるので、どう違うのか気になるところ。

  • 江戸川乱歩賞選考にあたって審査員も紛糾(というか池井戸潤氏が厳として異議を唱えたようだが)し修正のうえ正式受賞となったいわくつきの作品。T県鳴川市で起こった現在と過去の事件。2つの事件を交錯させながらビデオジャーナリスト伏見の視点で真相に迫る。

    本作で描かれるのは人間の持つ狂気と根源的欲望。以降の呉作品に通ずるテーマである。自分の都合の良いフィルターを通して解釈する世界は本当に正しいのか?自分の常識は他人の非常識なのではないか?道徳は「みんなくん」というスケープゴートの無邪気な悪意ではないか?池井戸氏の指摘通り衝撃度を優先するあまり人物や動機の描き方が些か甘い点は否めない。特に2つの事件の犯人の人物像はやや雑な印象はある。とはいえ、理解不能でありながら物凄くシンプルな犯行動機は呉小説の特徴といえよう。

    500ページの大作だが読み進めるうちに次の展開が気にある良作である。

  • 展開 面白い
    現実のジャーナリストは そこまで考えて行動して
    いるのか 疑問

  • 江戸川乱歩賞受賞作品ということで読んでみましたが、イマイチ。

    まず、登場人物の会話が誰の発言なのか、非常に読み取りにくい。
    読んでいてストレスでした。

    ストーリーも分かりにくく引き込まれないし、
    ラストもよくある感じで、がっかりでした。

    2016年8冊目。

  • まず驚愕なのはこれがデビュー作という事実。凄い。凄味がある。先が気になって仕方がなかった。


    作中の伏見同様、読んでいるこちらもフラストレーションを感じる‘勿体ぶった感’は確かにある。明らかになっていく真実も決して仰天する様な爽快さは無い。9.11テロの史実が混じる部分も個人的には物語から覚まされてしまうように感じた。

    それでもページを捲る手は止まらなかった。


    書籍化にあたって加筆修正が行われたとの事だが、元の文章もとても気になりました。


    1刷
    2021.1.6

  • 乱歩賞の講評にも書かれていましたが、誰が会話しているのか判らない箇所が多くて、話に引き込まれる事が出来ませんでした。色々な出来事の関連もいまいち説得日本欠けるというか、退屈な本でした。
    この年は乱歩賞受賞作無しでも良かったのでは?

  • 面白かったっちゃあ面白かったけど、所々いまいち釈然としない。
    確実にベストセラー作家になる為に注目を集める殺人を犯すのは合理的なのか?と思ってしまうからか。
    理屈としては合っているんだろうけど、筋が通ってるかと言われると、うーん、腑に落ちない。

  • 「人間が描けていない」
    「え?」
    「本当の人間はもっと優しいし、世の中にはもっと救いがある。それをわざと描かないこの物語はー」
    「道徳的じゃない?」


    素晴らしく、面白い作品。
    道徳的であるとはどういう事かを考えさせられる作品。
    これを道徳の教科書にしてもいいくらいだ。

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著者プロフィール

1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪府大阪市在住。2015年、『道徳の時間』で、第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、同年『ライオン・ブルー』で第31回山本周五郎賞候補、19年『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)も受賞し、第162回直木賞候補ともなった。21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補。他に『ロスト』『蜃気楼の犬』『マトリョーシカ・ブラッド』などがある。

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