伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937559

作品紹介・あらすじ

"堂"シリーズはついにここまできたか 解説 村上貴史(ミステリ書評家)

島と二つの異形建築。"瞬間移動"殺人と謎の教団。新たな"館"本格ミステリ第四弾! 奇跡と不吉の島。"堂"不可能殺人!

謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥(うとう)神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる"瞬間移動"殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く"堂"シリーズ第四弾。

感想・レビュー・書評

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  • 3.5

  • 堂シリーズ第4弾。
    え!?えっ!?!?となるシリーズ折り返し地点の作品。
    謎の人物:林田呂人によって伽藍島に集められた登場人物達。そこで起きる”ありえない”殺人事件、犯人は一体誰なのか?というストーリーだが、シリーズものの作品として大きな転換点を迎えた作品である。堂シリーズ特有のあり得ないトリックは健在で建物が動くのは今までのシリーズからの流れで想像できたものの、まさか島自体が動くというのは予想できなかったので、とても面白かったです。
    そして何よりも今回の目玉はエピローグ後のある人物の”指摘”につきると思います。信用できない探偵役は数知れずだが、まさかシリーズものの中盤でこんな罠を仕掛けてくるとは思わなかった。これは直ぐに次の『教会堂の殺人』も読むしかないではないか!と思わされました。シリーズ転換点として読むべき作品ですので是非読んでみてください。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    十和田只人:津田健次郎
    善知鳥神:種田梨沙
    宮司司:細谷佳正
    宮司百合子:長谷川育美
    脇宇兵:興津和幸
    小角田雄一郎:緒方賢一
    品井秋:富永みーな
    大石誉石:谷山紀章
    常沢浄:木内秀信

  •  堂シリーズ四作目。 前作のラストにて物語の重要パーソンになりうる数学者・藤衛が逆転無罪判決を受け出所、そこからの不穏流れが今作の事件にも漂っている。 十和田、善知鳥、宮司姉妹、それぞれの過去や因果を仄めかす本作は一つの事件としては勿論解決を施されたがシリーズ作としてはまだまだ先の見えない、寧ろ一層見えなくなってきたのが今回の伽藍堂での事件である。 

  • いやぁぁぁぁ、苦労しました。笑
    何冊読んでもこの数学的要素に慣れることがない…むしろ容量としては眼球堂に比べると圧倒的に減ってるはずなんですが。

    今のところ神さんが圧倒的存在すぎて、これどこに着地するんだろう…、と思っています。
    あと最後が衝撃!!まさか!!先生…!!!

    なんかもうこれ、どこに着地するのかまっっっったくわかんなくなりました。

    トリックはさすが。



    @手持ち本

  • 堂シリーズ第4弾。
    いやートリック、エピローグ、面白かった。
    意外なトリック、意外な犯人。
    犯人の動機は勿体ない気がしました。
    あとは神が自然を操るように見えるシーンや実際のトリックの細かい部分はもう少し丁寧でもよかったかなーと。

    今回も数学用語についてネットで調べながら読み進めました。この読み方がすごく面白いし、知的好奇心が満たされ、文系の自分にはとても楽しい!

    次作が楽しみ!大きなストーリーの中でも動きがあり、早く先が読みたい。

  • 面白くてあっという間に読み終えてしまいました。
    特にラストは衝撃。
    ですので、星プラス1。
    次が気になります。

  • トリックの発想がえげつなすぎ。孤島の館で発生した密室殺人、不可解な状況で発見される死体。堂シリーズの第四弾!

    本作の主人公である女学生が、孤島で開催される数学講義に招待された。数学者たちが集まる二つの館で講義が始まるが、いつの間にか人が消えてしまい…
    トンデモ館で発生した密室殺人を解決すべく、推理を繰り広げる本格ミステリー。

    よくもまぁこんな館、仕掛けを思いつきましたね。眼球堂、双孔堂、五覚堂と、ほぼありえない建物で困難なトリックだと思ってましたが、一応の現実性はありました。
    しかし、さすがに今回は無理でしょw でもそこが最高!

    相変わらず数学の講釈はついていくのが大変ですが、世界観や登場人物のキャラクター描写は素晴らしい。数学者の鬼才ぶりというか、変態ぶりが萌える。今後の展開が楽しみになる結末もいいですね、本シリーズがますます面白くなってきそうです。

    理系、建築が好きな人には是非お勧めしたいミステリーです。

  • 堂シリーズの折り返しから読むという罪を犯した感はある。当然だがシリーズで先のものを読むとネタバレされるわけで…しかし大変面白く読めた。天才たちが織り成すミステリーは気持ちが良い。
    確かに数学的には正しいのだろうけど、それでもぶっ飛んだ建造物を使ったトリックは普通のミステリーには無いものだし、嘘だろ…?となる。こういったトリックが生まれる発想力が小説であることを抜きにでも本当にすごい。
    今手持ちは本作のひとつ前の眼球堂。これも楽しみになった。

  • シリーズ#4。鳥居のある島。赤い部屋と緑の部屋。BT教団。バナッハタルスキパラドクス。

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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