小説の神様 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 215
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940344

感想・レビュー・書評

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  •  小説の神様、と云ったら志賀直哉か星新一でしょう?


     とても切実な物語。
     最近流行りの出版業界の内側のおはなしであるとか、経験を切り売りするような内容を思わせているであるとか、そういった要素を除いても、
     ことば、を繰るものにとって、切実、というか。
     この一億総小説家時代に、だから出来上がってきたのかなぁ、という印象。
     物語構造としては単純で、一章を読めばラストが想像できるようなストーリィで、それはまぁもしかしたらエンタメとしては不出来なのかもしれないけど、二時間の映画で泣いたりするよりはずっとかまし。

     このプロットはきっと、小説に魅せられた者であれば誰もが一度は思い付いたことのあるものなんじゃないかと思う。
     書くこと、もっと広義に、言語を遣って表現することへの門を開いてしまったときから、宿命的に纏わりついてくるテーマなんだと、思う。
     だからこそ陳腐で、形にするとどうしたってこういう根暗なガキが出来上がるんだろうけども、
     それでも、どうしても、気持ち悪いわ、って本を閉じてしまうことは出来なかった、です。
     何故かって、結局わかっているのだ。ガキの云うことがいちばん正しい、って。

  • 若き高校生作家、千谷一也(ペンネームは千谷一夜)
    彼は売れ行きの伸び悩みや、作品の口コミサイトでの酷評ぶりに耐えかね、自分の物語を愛せないでいた。
    そんな時に転校してきた美人作家、小余綾詩凪(こゆるぎしいな)(ペンネームは不動詩凪)

    「わたしには小説の神様が見える」

    人気作家である彼女は物語に必要とされる人間だった。
    そんな2人がタッグを組んで作品を作ることになる。
    ぶつかり合う才能、自分を受け入れられず常に弱気な一夜、それを叱咤する詩凪。
    彼らの物語の行方や如何に!?

    小説家と言う職業の苦悩が良く描かれていました。
    やはり、読者からの評価が良くも悪くも彼らの全ての様です。
    たった少しの自分の作品を愛してくれる人の為に物語を綴る。
    作家とは孤独な生き物ですね。
    だから好きな作家さんはもっと応援しないとと思いました!
    読者からの励まし、それが彼らの次作の原動力になるはず!

    話は変わりますが、青春モノに限界を感じました。
    もう、わたしの歳には響かない、物足りないようです。
    これもひとつのステップなのかな?

  • 小説を書くってことがどれだけ辛いかって言われても。。。
    読者サービスの悪い小説でした。
    まるで、批判するなって先に予防線を張っているように感じました。

  • 主人公のうじうじがくどい。
    ずーっとうじうじしていても、その苦悩が深掘りされていくのなら、純文学のように読むことはできるのだと思う。
    ただ、同じペースでずっと「書けない、書けない」と続けられると鬱陶しくなる。

    起承転結はあまりはっきりしていないし、冗長な表現は多いし……。
    純文学をやりたかったのだろうか?
    それにしてはたまに出て来るラノベ的な表現には違和感を覚える。

    それと「双眸」という表現は使いすぎだ。
    主人公と詩凪がいるシーンではほとんど必ず出て来る。

    作中作は表現があいまいだから進捗度がつかめず、主人公の苦悩についていけない。

    そして長い。
    この内容で400ページ弱は長い。

    作者はこの物語で何を伝えたかったのか?
    主人公が「小説に力なんてない」と言うくらいだから、きっと最終的には小説の力を伝えたいのかと思って読んでいた。
    タイトルも似ているし、瀬尾まい子の「図書館の神様」みたいになるのかと。

    ネットのレビューを見て挫折した主人公が登場する小説を、ネットで酷評するのはなんだか心苦しいけれど、結局、ストーリ性もメッセージ性もからっぽだった。

  • 主人公のネガティブさにイライラしすぎて、なかなか読むのに時間かかった。

    小説が大好きなのに、

    何故かあまり共感も出来ず、うーんって感じ。



    青春小説にしてもイマイチだし、

    あまり響いてもこないし、残念でした。

  • 双眼双眼ひつこい。わざわざ小難しい漢字や言い回しを使うのがクサイ。
    「〜だけれど」もひつこい。
    我慢出来ず読めませんでした。いけんわ。
    最初の暗ーい陰鬱な文章がヒロインと会話し始めると急にアニメくさく砕けるところも、なんじゃそれだった。ラノベだわ。

  • 主人公が抱える痛みやつらさが、「痛い」「つらい」という言葉でしか感じ取れなかった。私が好きな小説がよく感じさせてくれる「生きている人のにおいや音や息づかい」のようなものを感じることが出来なかった。作者自身が苦しんで書いたのかな、と、読んでいて辛くなった。

著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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