LOST 失覚探偵 (下) (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940689

作品紹介・あらすじ

探偵が闇に落ちるか、真犯人が明らかになるか。残る感覚は、あと二つ。

密室での死刑囚の焼死にはじまる連続殺人事件は、仏教の六道に擬えられていた。探偵・六元は地獄界、天界、修羅界、餓鬼界の四つの事件を解決するごとに、自らの感覚を消失。残るは赤の視覚と聴覚のみだった。
探偵を嘲笑うかのように、同居人の花純が誘拐され、姿を消す。黒幕との直接対決の中、六元の推理が反転し続ける真実に挑む。最後の感覚を失った探偵の運命は……!?

感想・レビュー・書評

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  • 思っていたのと違ったなぁ。
    置いてけぼりにされた感が満載だったけど、まぁ収束したし、これはこれで有りなのかなぁ。

  • 「あんたは名探偵、そして俺は名助手。名犯人と名被害者が待つ場に部外者を連れて行くなんざ、興を削ぐな」
    「わかってるね」
    (P.176)

  • いよいよ物語は佳境に。残すところ二つの事件と、残された二つの感覚。すべての感覚を失っても、それでも探偵は推理を続けようとするのか……でもまったくと言っていいほどに悲愴さを感じさせない六元の姿は凛々しくも悲しい気がして。
    今までの事件にある共通点には気づいていたので、黒幕登場後の真相にはさほど驚かない……と思ったのは、勘違いでした。むしろこれで解決、と気を抜いていたので驚きもひとしお。え、何その展開。そんなのってあり!? そして綿密に張られていた伏線に脱帽です。
    そして、戦争によって失われたものの重さも感じさせられる物語でした。なるほど、だからこそこの時代設定だったのですね。

  • 『失覚の病』を患った名探偵・六元十五、とその助手・三田村の物語
    最終章

    <あらすじ>

    第5の事件が発生
    悪徳企業の花純似社員が斬首される
    この事件も六元が解決するが、聴覚を失う。

    そして六元のもとに手紙が届く。
    「畜から人へ。君の大切な人と引き換えになるのは、君の人生」
    手紙の差出人は鹿野和義。
    花純は誘拐され、次の事件の犠牲者として六元が指名されたのだ。

    第6の事件
    六元と三田村は鹿野から指示された場所に向かう。
    そこにいたのは鹿野ではなく花純だった。
    花純は三田村を銃撃し、その銃口を六元に向けた。
    六元は今までの5つの事件の犯人全員が花純とつながっていたことや動機を推理し披露する。
    そして六元は、赤の視覚を失った。

    「六道連続殺人事件」を裏で操っていたのは花純だったのか?


    <オチ>
    すべての感覚を失った六元の目の前で三田村が豹変する。
    真犯人は花純ではなく三田村だった。
    その動機は六元を自分のもとに置きたいほど愛していたからだった。

    豹変し六元に向かってベラベラしゃべる三田村だったが、それに答える六元。
    すべての感覚を失ったのになぜ?

    実は六元は第四の視覚を持つXXY型染色体を持つ特異者だった。
    最後の視覚で読唇術を行い三田村に話す六元。

    六元は戦時中に感覚を操作する薬の開発に従事させられ、恐怖心と良心を失わせる薬を作った。そしてその薬を三田村が飲んでいたことを三田村と再開した時に判ったこと。
    そしてその薬の開発の影響で自身が失覚の病を患ったこと。
    三田村が事件を起こした原因のすべては自分にある。と

  • 【あらすじ】
    探偵が闇に落ちるか、真犯人が明らかになるか。残る感覚は、あと二つ。

    密室での死刑囚の焼死にはじまる連続殺人事件は、仏教の六道に擬えられていた。探偵・六元は地獄界、天界、修羅界、餓鬼界の四つの事件を解決するごとに、自らの感覚を消失。残るは赤の視覚と聴覚のみだった。
    探偵を嘲笑うかのように、同居人の花純が誘拐され、姿を消す。黒幕との直接対決の中、六元の推理が反転し続ける真実に挑む。最後の感覚を失った探偵の運命は……!?

    【感想】

  • さようなら、名探偵――。
    推理をすれば、感覚が消える。失われる探偵の物語、最終章。
    探偵が闇に落ちるか、真犯人が明らかになるか。残る感覚は、あと二つ。

    密室での死刑囚の焼死にはじまる連続殺人事件は、仏教の六道に擬えられていた。探偵・六元は地獄界、天界、修羅界、餓鬼界の四つの事件を解決するごとに、自らの感覚を消失。残るは赤の視覚と聴覚のみだった。探偵を嘲笑うかのように、同居人の花純が誘拐され、姿を消す。黒幕との直接対決の中、六元の推理が反転し続ける真実に挑む。最後の感覚を失った探偵の運命は……!?

  • そりゃないよ、と言いたくなる展開だったけどそもそも失覚の病の時点で荒唐無稽だったので、最後にたたみかけてきた感じ。そして最後まで三田村の容姿のイメージのギャップが埋まらなかった。

  • 失覚する度に、何か困難な状況になって推理に影響するのかと思いきや、特に影響も悲壮感もなし。
    各々の事件は、それなりに面白いのだけど、ラストは頂けない。
    ストックホルムシンドロームみたいな話を無理にねじ込んでみたり、731部隊を出したり、結局、
    只の超能のある人みたいな話しに収斂した

  • 終わった……。   
    面白かった。   
    やっぱり素直にはいかないね。歪んでるね。    
    ………………言いたいことは色々あるけれど、二人は幸せなキスをして終了したので良かった。    


    さようなら、名探偵。   
    さようなら、名助手。

  • 2017/05/03読了

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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