戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫ワイド)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062955065

作品紹介・あらすじ

戦後70年を経て読み継がれる鎮魂の書。巨体四裂し大海に没した「戦艦大和」に乗船し、生還した若き士官が綴る真実の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 2016/7/24読了。
    もう何度読み返したか分からない。初めて読んだのは社会人になったばかりの若い頃だから、もう二十年くらい前のことになる。
    やはり臼淵大尉の「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ」に始まる言葉が重い。本書が今のタイミングで新装刊行されたのは、この言葉の意味をもう一度皆で考えてみようとの意図もあるのだろう。
    臼淵大尉は海軍兵学校出の士官、しかも大和乗組とあれば、まず戦前の体制におけるエリートと言って良いだろう。その彼の「私的な潔癖や徳義にこだわって本当の進歩を忘れていた日本が敗れて目覚める、その新生日本の先駆けとなって散る」との大和艦上での言葉を、戦後レジームから脱却しようとか言ってる人たちはどう読んだのか興味がある(そもそも読んだことがあるのか?この程度の文語調の日本語を読んで紙背を解釈する程度の教養はお持ちと信じたいが)。
    脱却するのは誠に結構だが、脱却した後のビジョンのお手本として、敗れて目覚める前の日本を据えるのはなぜなのか聞きたい。揺り起こした母親に悪態をついて二度寝して夢の続きを見ようとするぐうたら学生と同じに見えるが、どう違うのか聞きたい。
    天皇を尊崇すると言いながら、実際に天皇の地位にある生身の人の言葉には耳を貸さない。戦前の体制を理想視しながら、実際に戦前の体制を生きた生身の人の言葉には耳を貸さない。そういう昔ながらの一度失敗したはずの姿勢が垣間見えるので、どういうつもりなのか、心底聞きたい。

  • 戦争の記憶、記録として、たしかに心に迫る作品。単なる懺悔とか反省とか戦争反対に準ずるのではなく、その場の1人の人間としての記憶が蘇ったかのよう

  •  無駄と分かっていながら「片道の」燃料で出撃し、当時の空気で沖縄で沈没せざるを得なかった歴史。
    カタカナは読みづらかった。

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