- Amazon.co.jp ・マンガ (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063343878
感想・レビュー・書評
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「寄生獣」以外も描かれてるのね。戦国時代のお話ということもあり、男性に評価高そう。ちょうど、「信長のシェフ」も放映されていたり、戦国づいています。
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関が原の合戦前後の日本を描いた中短編2本を収録.とくに「雪の峠」が素晴しいと感じた.これは,関が原後に常陸(現在の茨城)から出羽の国(現在の秋田県)に転封された大名・佐竹家のその後を描いており,戦国時代を挟んでの新しい世代と古い世代の葛藤の物語と言えるかもしれない.
藩の新しい府をどこに定めるかを巡り,若き家臣・渋江政光は,太平の世を見越して新時代に相応しい都市プランを示す.しかし彼の考えは,戦国時代の発想に固執する老臣たちに理解されない.成り行きから老臣らの筆頭となった梶原政景と,渋江らとの間の知略戦が,見物.
渋江政光のプラン「港町と城下町,機能の異なる町が,少し離れて2つ…」が,現在の秋田市へとどう繋がってきたのか?都市計画という一見地味な話題であるのに,そのラストシーンにたいへん感動させられた. -
歴史ものの短編が2作収められた作品です
『雪の峠』は関ヶ原の合戦後に、大幅に石高が減らされた地に転封された殿様とその家臣が、新しい城と城下町の設計を行う話
『剣の舞』は家族を無惨な形で殺された少女が、剣の達人の元に弟子入りして仇討ちをする話
どちらもすごく淡々としているのに、急にとぼけたギャグが入ったりするところは、あくまで優しく緩やかで
しかし、戦国時代の名残がある世界観だから、残虐な描写は容赦がない
すごく地味で渋い短編集ですが、何度でも読み返して噛み締めてはしみじみと面白い、片口鰯のような漫画です
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『関が原戦線』を読んで佐竹義宣を扱っているマンガを思い出す
で買って読み返す
地味
『寄生獣』も『七夕の国』もそうだけれど
お話は文句なく上質だがマンガ作品としては足りない
われながらマンガに対して棚に飾り続ける識閾の好みが及ぼす影響大
まあ誰でもそうか -
表題作。「へなへなした人がごっつい人を頭脳で倒す」っていうテンプレにのっとっているものの、戦の天才でちょっとキモチワルイ謙信と岩明均お得意の切断シーンを足すとこんなに面白いっていう。
「剣の舞」。振られる刀のスピードと切れ味を楽しむべき一篇。でも後味が悪いので寝る直前には読まない方がいいかな。 -
江戸時代初期の久保田藩(秋田藩)のお家騒動を題材とした「雪の峠」と、上泉信綱(上泉伊勢守『バガボンド』でもお馴染み)門下・疋田文五郎を扱った「剣の舞」の2作品を収めた歴史作品集。
岩明作品には欠かせないちょっとグロテスクなシーンもありつつ、良く練られた話の展開(特に「雪の峠」)はさすが。渋江内膳の顔が、『舞姫 テレプシコーラ』の桜子ちゃんと瓜二つすぎる。 -
岩明均が日本の戦国時代物?とはじめは思っていたが、読んでみて納得。ヘウレーカやヒストリエと同じく、歴史上の一幕を切り取り、あまり知られていないが並外れて優れた人物にスポットライトを当てた作品だった。こういう作品は事前に膨大な調査や検証を経て生まれるんだろうな。素晴らしかった。
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「寄生獣」で有名な岩明均先生の歴史漫画短編集です。
短編集とは言っても、前半部分と後半部分の2つの話しかありません。
前半は関ヶ原の合戦以降に減封、国替えされた佐竹家の話。
新しい佐竹家の本城の建設場所をめぐって、当主・義宣と旧来の家臣団との間に起こった対立を描いています。
この対立の結果が、今の秋田市の発展に関わっているようです。
後半は戦国期の剣豪・疋田文五郎と、仇討ちの為に疋田の師である上泉上泉伊勢守信綱に弟子入りを志願してきた男装の娘との話。
戦国期の剣豪と言えば、誰もが「宮本武蔵」や「柳生宗厳」を思い出す所ですが、その柳生新陰流開祖の宗厳と三度試し合い三度勝ったのが、疋田文五朗景兼です。
師である上泉信綱より免状を与えられたのは、疋田景兼、柳生宗厳、丸目長恵の三人だけですが、柳生新陰流があまりにメジャーである為に、他の二人はあまり知られていないのではないでしょうか。 -
雪の峠は、秋田に移封された佐竹氏の中で起こった川井事件を扱った作品で、後半が剣豪・上泉伊勢守と弟子の疋田文五郎のお話。
剣術で戦には勝てないという物悲しさが感じられる作品となっています。
飄々とした文五郎と、天然ボケな伊勢守が好感触です。