山田風太郎先生の小説を漫画化した作品。
小説は読んでいませんが、自分が好きな漫画家である、せがわまさき先生の作画に惹かれて購入しました。

異形異能の争忍バトルを素晴らしい画力で表現し、それぞれの登場人物が多くの感情を抱いて、壮絶に命の奪い合いを続ける凄惨な内容です。
ハッピーエンドなんてありませんが、ある意味「これが一番の終幕」だったとも思えます。
私の観点で申し訳ないが、この作中で一番複雑で数奇な運命を辿ったのは、薬師寺天膳ではないか?と考えてます。

せがわまさき先生の作画が、山田風太郎先生の世界観と見事に融合した傑作。

「寄生獣」で有名な岩明均先生の歴史漫画短編集です。
短編集とは言っても、前半部分と後半部分の2つの話しかありません。

前半は関ヶ原の合戦以降に減封、国替えされた佐竹家の話。
新しい佐竹家の本城の建設場所をめぐって、当主・義宣と旧来の家臣団との間に起こった対立を描いています。
この対立の結果が、今の秋田市の発展に関わっているようです。

後半は戦国期の剣豪・疋田文五郎と、仇討ちの為に疋田の師である上泉上泉伊勢守信綱に弟子入りを志願してきた男装の娘との話。
戦国期の剣豪と言えば、誰もが「宮本武蔵」や「柳生宗厳」を思い出す所ですが、その柳生新陰流開祖の宗厳と三度試し合い三度勝ったのが、疋田文五朗景兼です。
師である上泉信綱より免状を与えられたのは、疋田景兼、柳生宗厳、丸目長恵の三人だけですが、柳生新陰流があまりにメジャーである為に、他の二人はあまり知られていないのではないでしょうか。

2009年11月11日

読書状況 読み終わった [2009年11月11日]
カテゴリ 漫画
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木城ゆきと先生の代表作。
この年代にこの作品の描画力とストーリーは、麻宮騎亜先生や士郎正宗先生にも劣らないほどの衝撃を受けました。

サイバーパンク、格闘アクションと言われるように見所は格闘シーンですが、記憶を失った主人公「ガリィ」が出会いと別れを繰り返し、多くの戦いを乗り越えて行く過程の中で次第に記憶を取り戻し、一人の戦士として成長していきます。

ちなみに、当時の単行本に収録されていた最終話がこの愛蔵版では削除されていますが、これは続編へと繋げる為のようです。
削除された最終話を読みたい方は、是非単行本をお探しください。

2009年11月10日

読書状況 読み終わった [2009年11月10日]
カテゴリ 漫画

1990年代に連載されていた、「銃夢」の続編。
続編とは言っても、前作のラストは無かった事になり、主人公であるガリィが復活して地上の「ザレム」から宇宙へと舞台が移っています。
ボディは「バーサーカボディ」から、ノヴァより与えられた「イマジノスボディ」へ変わり、消息不明の友人探しと自分の記憶と過去を探す旅が続きます。

前作が連載されていた時期は、これほどの描画力と緻密なストーリーの漫画は少なかったと記憶しています。
ラストオーダーの連載がはじまってから、前作の愛蔵版を購入しました。
読み応えのある格闘シーンが見所です。

読書状況 いま読んでる
カテゴリ 漫画

作者である木村紺先生の「神戸在住」は、時間の流れがゆったりとした作風でしたが、これは真逆です。
デカい・強い・豪快、な主人公、ジョーさんのとんでもない日常です。

こういう人を「男前」って言うんでしょう。
一度目を通せば、恐らく記憶に焼きつく漫画・・・と言っておきましょうか。

2009年11月10日

読書状況 読み終わった [2009年11月10日]
カテゴリ 漫画
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徳川四天王と呼ばれた四人の武将、酒井忠次、本田忠勝、榊原康政、井伊直政を中心に、今川氏従属期より徳川幕府樹立までを描いた作品です。

前半は忠次、忠勝、康政の三人だけですが、中盤からまだ幼い直政がその頭角を現してきます。
後半では筆頭であった忠次が徐々に一線より下がりはじめ、逆に直政の活躍が目立ちます。
直政の早すぎる死が惜しまれますが、この四人の内、誰か一人でも欠けていたら徳川氏の隆盛は無かったのでは、と思えて仕方ありません。

自分は忠勝が一番好きなんですけどね(笑

2009年11月8日

読書状況 読み終わった [2009年11月8日]

一般的に日本で認知されている「三国志」が羅漢中の「三国志演技」を元とした、吉川英治先生の「三国志」ですが、五丈原で諸葛孔明が没した後は概要だけ駆け足に書かれている為に、認知度の低かった「諸葛孔明没後の三国志」が著者の視点を交えて書かれています。
五丈原の戦いから魏と蜀のその後を中心に三国時代の終焉までを知る事ができる小説です。
蜀は姜伯約が中心であり、魏は司馬一族が中心となって話が進みますが、蜀の姜維伯約、魏の鍾会士季と鄧艾士載、呉の諸葛恪元遜がこの時代最後の大物だと思います。
呉の話が殆ど書かれなかった事が残念ですが、呉はこの時代の殆どを国内の発展に注力し、孫権没後は権力争いいによって内部崩壊に近い情勢になっていたので仕方の無い事かもしれません。
諸葛恪の活躍はありますが、魏に敵う事はできなかったようです。
読み所は、やはり蜀滅亡の場面でしょうか。
姜維・鐘会・鄧艾、三人の武将と魏の中枢の思惑が絡まり合い、大混乱に陥る成都と三人の武将の最後。
物語を彩った多くの武将や知将が歴史の波に消えた後、最後を飾る三人の武将と共に三国時代の終焉が訪れます。

2009年11月6日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2009年11月6日]

14世紀末期の中国で明王朝を建国した朱元璋の物語。
衰退する元王朝末期の混乱の中、貧民から皇帝へと駆け上る姿は、漢王朝を築いた高祖・劉邦とどことなく似ています。
世界で最も凄惨な身の上から皇帝になった人物と言われているそうです。

2009年11月1日

読書状況 読み終わった [2009年11月1日]
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原作は司馬遼太郎の小説「関ケ原」で、DVDの巻末に主演の加藤剛、森繁久弥と司馬遼太郎の対談が収録されています。

冷徹怜悧な官僚色が強い三成を、主演の加藤剛が主家を守る熱い武将として演じ、対して家康を演じる森繁久弥が、これぞまさしく「狸親父」と言える演技を魅せてくれます。

出演者の豪華さは、歴史時代劇物が好きな自分にとって嬉しい限りなのですが、若い世代の人も同年代の友人にも中々理解してもらえないのが悲しい限りです。

歴史好きな方や原作小説を読んだ方なら、石田三成のイメージは悪くないのでしょうが、一般的なイメージはあまり良くなかったと思います。
最近は見直されていますが、この作品はその先駆けになったと思います。

2009年10月28日

読書状況 観終わった [2009年10月28日]
カテゴリ 歴史ドラマ

豪華なキャストで展開される、真田昌幸、信幸、信繁(幸村)親子を主役とした大河ドラマ(正確には大河ドラマのカテゴリには入らないけど)。

主家・武田の滅亡から、大国に囲まれた小国を堅守する策謀家、昌幸と、それを支える信幸、幸村兄弟、家臣団、そして真田の忍衆。
上杉、徳川、豊臣と立ち回り、関ヶ原合戦を前に袂を分かつ嫡男・信幸。
戦国時代の激流の中で、真田の人々が其々の信念を持って生き抜く姿が、とても心に残る秀逸の歴史ドラマだと思います。

2009年10月28日

読書状況 観終わった [2009年10月28日]
カテゴリ 歴史ドラマ

当時はほのぼのとした4コママンガで有名だった西原理恵子先生のパチンコマンガ。
何がズゲーって、これを読んでいると自分の心の中が共感で一杯になります。
そしてとにかく笑えてしまう。
パチンコ好きな友人とは、今でもこの本のネタが交わされる程です。
パチンコ好きな人は是非一度読んで貰いたい本。

ただし、10年以上のパチンカー限定で。

2008年7月2日

読書状況 読み終わった [2008年7月2日]
カテゴリ 漫画

佐藤大輔先生の同名小説を漫画化した作品。
小説の挿絵で見る主人公・新城直衛は「軍人らしい軍人」に描かれているけども、本編を読むとそのイメージが随分と違っている事に気が付く。
漫画版のこちらでは、そのイメージがピタリと合致し、他のキャラクターも見事な描写で物語に花を添えています。

内容は違う世界の日本といった感じで、新城直衛が戦争を戦い抜いて国の上層へと上り詰めていくサクセスストーリーのような?
もちろん、そんな胸が躍るような爽快な話ではなく、人の愛憎とか謀略とかそんなドロドロとしたモンも多分に存在します。
「佐藤節」と呼ばれる独特のセリフ回しがカッコイイ!です。

全5巻発売されているが、これは小説版の3分の1程度でしかありません。
小説が好きな人は是非そちらも。

2007年11月21日

読書状況 読み終わった [2007年11月21日]
カテゴリ 漫画

春秋戦国時代末期、秦国で「大将軍」を夢見て剣の修行に明け暮れる2人の少年、信と漂が大王の側近「昌文君」と出会う所から物語が始まる。
秦王の座を巡る争いに巻き込まれる2人の少年と、国を追われた若き秦王。
中華統一を成し遂げる始皇帝と、秦の将軍へと駆け上る2人の少年の物語。

読書状況 いま読んでる
カテゴリ 漫画

ゲーム制作会社に飛ばされた「出来る女」と、そこで出会ったゲーム一筋の「駄目男」。現実を直視する女と、夢ばかりを追う男。
月山星乃と天川太陽。
二人の微妙な関係と日々の衝突。
それを取り巻くアクの強い人々。

ゲーム制作会社が全て「こんな感じ」とは思わないが、良いゲームを作ろうとすれば、実際にこの主人公のような日々の葛藤があるのではないか?と思えてしまう。
「売れるゲーム」=「面白いゲーム」とは思っていないが、面白くなければ売れないし、売れてないからと言って面白くないとは限らない。
これを読んでいると、漠然とそう感じていた事が「本当」だと思えて仕方が無いのです。

でも納期は守らないとね(笑

読書状況 いま読んでる
カテゴリ 漫画

三国時代の名軍師、諸葛孔明が青年期に自身を評して、斉の名宰相「管中」と共に名を上げたのが「楽毅」。
一体どんな人物だったのか?と思った人は、是非お読みください。


この物語において、重要なテーマとなっているのが「人が見事に生きるとはどういうことか」
戦国時代の小国、中山国の宰相の嫡子として生まれ、斉へ留学していた書生時代から祖国の危機に奔走する楽毅の物語。
主人公、楽毅に多大な影響を与える孫子の兵法と孟嘗君(田文)との出会い、大国に圧倒されて窮地に陥る祖国と、それを守る為に戦い続ける楽毅。

祖国中山国の滅亡後も、大国に対して毅然として抗し続け、後世に名を残す名将が「見事に生き抜いた」生涯に感動。

2007年6月5日

読書状況 読み終わった [2007年6月5日]

講談社系の青年誌で活躍する、せがわまさき先生の最初の長期連載作品です。
全てがコンピュータグラフィックで描かれているのですが、連載当時には非常に珍しい手法であり、更にそのクオリティの高さには衝撃を受けました。


時代的には、江戸時代中期から後期辺りでしょうか。
平安時代に呪術勝負で敗北し、封印されていた芦屋道満が復活。
体を奪われて妹の体に押し込められた源蔵と、狗神の力を持つ十蔵、そして妖狐の尾咲。
完全な復活と宿敵への執念に囚われた道満と、それを追う十蔵達が、大きな陰謀の螺旋に飲み込まれていく。


絵だけでなく、秀逸なストーリーにも注目な作品ですよ。

2007年6月5日

読書状況 読み終わった [2007年6月5日]
カテゴリ 漫画

四国の戦国大名と言えば、真っ先に名が挙がる「長曾我部元親」が、人間味溢れる描写で描かれています。

2007年6月3日

読書状況 読み終わった [2007年6月3日]

言わずと知れた歴史小説。
大本は「三国志演技」であり、「吉川三国志」を元にして漫画「横山三国志」があるだけに、日本に最も浸透した三国志の原点。

最近では大筋は同じでも、筆者の違いで所々に違いのある「三国志」が多数存在するし、色んな意味で全く違う三国志も在るが、やはり「これこそが」、と言える作品です。

一つだけ不満を言えば、諸葛孔明が五丈原で倒れて以降の話が簡潔になり、本当に「掻い摘んだだけの後日談」程度に終わってしまっている事でしょうか。
元となったのが「三国志演技」であり、蜀漢の滅亡で三国時代が終焉を迎えたことを考えれば仕方のない事ですが、やはり魏と呉の最後を見たかったと思います。

この「三国志」が吉川英治歴史時代文庫で最初に読んだ小説であり、歴史時代小説にハマリ込んだ第一歩です。

2007年6月3日

読書状況 読み終わった [2007年6月3日]
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