- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063646351
作品紹介・あらすじ
日本人は「萌え」を発見した。「萌え」とは、キャラクターの不在を脳内で補完する行為。日本のコンテンツ産業の総売上額は12兆円を上回り、これはなんと第1次産業、農林水産品の総生産額を凌駕する数字である。その中でもキャラクターライセンス商品の市場は、約二兆円と試算される。文化、産業の両分野で巨大な存在感を示すようになったキャラクター表現。本書は、そうしたキャラクター表現の魅力を、「ファンと作品の関係」を焦点にしてお伝えする。
感想・レビュー・書評
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なぜか会社の本棚に置いてあった本。2005年当時の業界動向が分かって、懐かしい限り。「痛車」が出現し始めたのがこの頃か。ノベルゲー(泣きゲー)はこの頃が最盛期だったのかな。コスプレとフィギュアが一般に浸透し始めたのも、この頃。今のアニソンブームの先駆けもこの頃のはずだけど、本書では取り上げられていないので、それほど目立った動きにはなっていなかったのだろう。(最初のアニサマ開催が2005年じゃなかったかな?)
一通り読んだので、会社の本棚にこっそり戻しておきます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
萌え産業の濃い解説本。濃い世界を真面目に語っている。ほぼ全ジャンルを網羅している。
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コンテンツの海外輸出が近年国家的な戦略として注目されている。とくに日本のアニメ・漫画は、世界最高の質を保持し続けていることは多くの方が首肯することだろう。いま現在、違法動画や、違法漫画サイトを通して多くの海外の人がコンテンツを消費していることは、公然の秘密だろう。しかし、インターネット経由でコンテンツ輸出、合法的な課金モデルと法整備によって、劇的に状況が変わり、市場規模の拡大につながる可能性は十分にあると思う。
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国際的に評価が高く、国内的には二兆円もの市場を形成する日本のアニメ・漫画・ゲーム。著者は、その魅力の源泉を作品のキャラクタ(表現)にあるとする。そして、「萌え」をキーワードにメイドカフェ、コミケ、コスプレ、フィギュア、アイドル、声優など最先端の「萌え」事情とその魅力を取材する。
俺はアニメも見るし、漫画も読むし、ゲームもする。そして、本書で取り上げられている作品や企業、クリエイター、用語、現象などすでに知っているものが多かった。だから、端から見たらオタクなんだと思う。しかし、「萌え」、すなわち、「キャラクターの不在を脳内で補完する行為」に実感なり共感するものがなかった。そう言うのにほとんど興味ない。
とはいっても、「萌え」とは何か、最先端のオタクな世界を知るには格好の本。
他には、たくさんの注釈があり、それが各節末にまとめて掲載されているため、読むのが面倒。本書の魅力のひとつは、この注釈でもあるだけに残念。 -
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5月27日読了。萌えを理解し、実践する著者による多くのインタビューを交えた気合の入った本。架空のキャラクターという、作られたものに対し、欠落した情報を自らの想像力により埋めようとする「はかない」行為こそが萌えなのだ、とする言説には非常に説得力があり、納得した。二次元のキャラクター描写と相成り、萌えを誇るべき日本文化としてもっとプッシュしてもいいのではないか?とする筆者の主張には大いに共感するが、日本を代表する文化とするには美少女キャラクターに対する「萌え」にはリビドーが強すぎるんじゃないかなあ?と個人的には思う。人からちょっと胡散臭く見られるくらいで、ちょうどいいのではないか。
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むり!! 05年12月
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2006年読