- Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063806786
作品紹介・あらすじ
第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作、ついに完結!
流転する災いの終結か。消えゆく妻の生命か。
夫の、最後の選択。
* *
陸郎宅に居候しながら、村に留まる雪之丞。朝日を救う唯一の手掛かりは、六十年前の出来事を記録した“祭文”だった―――。
冬至の祭事“嫁拝み”も終わり、季節は大晦日。雪が降りしきる中、妻は裸足で夫のもとに。
妻同様に、夫もまた、選ばれし者だった。
第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作、ついに完結!流転する災いの終結か。消えゆく妻の生命か。夫の、最後の選択。**陸郎宅に居候しながら、村に留まる雪之丞。朝日を救う唯一の手掛かりは、六十年前の出来事を記録した“祭文”だった―――。冬至の祭事“嫁拝み”も終わり、季節は大晦日。雪が降りしきる中、妻は裸足で夫のもとに。妻同様に、夫もまた、選ばれし者だった。
感想・レビュー・書評
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林檎の樹の神様のもとへ嫁入りが決まってしまったらどしよもないんだよ。って運命に逆らって、逆らって逆らって逆らったけれど。相手は神様で、こちらはただのちっぽけな人間で。諦めるしかなくて。代わりたくても代わらせるわけにはいかなくて。誰もが大切で。
とね。本編は結局抗えないままで。
ハッピーエンドになっててもね。どうかなぁ。無理感があるかなぁ。とは思うんだけど。悲しかった。から4。なんだけど、おまけの番外。雪之丞さんの子供のころ。捨て子で、拾ってくれた現・両親に嫌われたくなくて必死な雪之丞と、必死になる子を見て必死にさせてしまう自分を悔やむ母がお互いを求めあえた瞬間の話が泣けたので5。大事で大切な思い出。ね。あるかな。どれかな。卑屈な思いはそんな簡単にゃ消えないけどね。すぐね。暗闇に覆いつくされるのさ。 -
番外編泣いた。
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表紙からして雪之丞の本気が伝わる最終巻。全三巻ながらじつに壮大だった。終わりかたとしては、スッキリはしたけどやはり哀しさが強くてやるせない気持ちでいっぱいです。
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画がすばらしい。
最後のエピソードで泣いてしまった… -
最初は利害関係が一致して結婚したけど、日々の生活で愛情を築いて、最後には自分の命を投げ出しても守りたい存在になる。
最後はあの終わり方しかないし、悲しいけどハッピーエンドみたいな、気持ちがぐちゃぐちゃになるけど、読んで本当に良かったと思える話だった。 -
正直1巻を読んだときはそこまでかなーと思ったし、2巻を読んでもやっぱり短編集の感じのが好きだなと思っていたのですが、
この巻の、クライマックスが、なんかもう全部をぶっ飛ばしてくれてずるい!
強烈な愛に勝る物語はないんだよなぁやっぱり
と思ってしまいました
恋愛ドラマとか、恋愛モノの映画とかあんまり見ないし苦手意識があるのですが、
結局愛はすごい!!と思うし、愛はすごい!という気持ちになるのは好きだなぁと思いました -
短い作品ながら、生への慈しみにあふれた自然風景の描写、遥かな過去と未来を見通すような深い作品世界、読み返すたびに泣けてくる名作です。
神の嫁として村の女子を人身御供に出すという神話の世界を現実に生きる人々の物語として蘇らせるために、1970年代初頭の青森の村を舞台に設定したところに、まず唸らされる。まだ土葬の風習を保ち、「おぼすなさま」のしきたりに縛られている村は、一方では日本全体が高度経済成長に突き進む中で、りんご価格の暴落と品種一斉改良を迫られている。この村で育った「りんごの子」である朝日と、東京の理学部を出て入り婿にやってくる雪之丞の夫婦が迫られる困難な選択は、二つの異なる原理にもとづく世界の間でどう生きていくのかという村そのものの選択でもあるのだ。
ひとりの個人にとっては理不尽としか言いようのない運命に翻弄されて、「見返りなくただ生きる我々がなぜ奪われるんだ!」と叫ぶ雪之丞に対し、総代が返す「毎年兆す芽・草・花・実 くりかえしくりかえし その不思議こそが 大いなる神の所業だと気付いだんだ 我々は購いきれない祝福の業火の中生きておるのよ」という言葉は衝撃的に重い。呪いが祝福であり祝福が呪いとなる因果の中に、類としての私たちはまだ繋がれている。3.11という大いなる災いを祝福として受け取ろうとする、祈りに満ちた物語として読むこともできるように思います。 -
良かったです…!
暖かくて感動しました…
朝日ちゃんは光り輝いて十二年も照らしてくれてるんだって思ったら、ほっこりしました。^^ -
雪深いりんごの村の禁忌に触れてしまった夫婦の話。
絵もめちゃくちゃ良いし、感情が痛いほど伝わるし、
民俗学や伝承に基づいた話は説得力あって好きだし、
始終面白く読み進めたけれど、最後が悲し過ぎる…
結局救えない結末、抗えない運命、くそおおぉぉ…!
つらいつらい、つらいよおおおお!!!しか残らん。
またいつか読み返してみるか。。。 -
本棚整理中に再読。
民間伝承とホラーは切り離せない、、、
しかしどこからホラーになるんだろう?
明るい民俗学って覚えがないが民俗学に寄っている作品には何故か惹かれてしまう。
怪しさと切なさと心、、、ゲフン。
互いの事情で夫婦になった二人。
もし何事もなく過ごせていたら、本当によい夫婦になっていただろうなぁ。
朝日のかわいらしいこと。
これはまだ処分できず本棚に戻した。
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1巻を読んでからだいぶ経ってしまったけど、やっと残りを読了。結構内容を忘れていたせいもあるけど、当初期待したほどには盛り上がりに欠けた印象。
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こんな終わりなのか。
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2014-3-15
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「僕はいつだって何もかもを諦めてきた
だって仕方の無いことばかりなんだ
でも
でも
君が 好きなんだ」" -
ちゃんと洗練されたファンタジーなのに、匂いと温度の感じられる世界観。
とにかく「朴訥」の描き方が秀逸。 -
民俗学と主人公の孤児設定をうまく繋げたなーって話。
最後は結構泣けますわ。 -
泣いた。
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昔から続く言い伝えによって離れ離れになった二人のお話。
少し不思議で温かいものを感じました。
結婚から始まる愛情ってすごいと思いました。そういう恋の形もあるのだなぁと。 -
これは、神話だ。雪之丞はほとんど普通の人間のように描かれているが、出生も謎に包まれていて日本神話の神のよう。神に立ち向かい、神を殺すのはやはり神。
漫画としては、青森の自然の美しさや、小さな宝石の指輪など風景や空気感の表現が瑞々しい。それから、主人公たちの心の変遷の描き方がとても鮮やか。また、登場人物の全てが好人物であるのも特徴。田舎特有の、ありがちな排他的描写もなく、温かな人情が漂っている。
産土神は日本古来の神で各地に伝承があるが、この漫画で描かれているのは、怪談ではないが畏れ多い、畏れそのものの神。なんどもゾクっとして鳥肌が立つ。生贄、人身御供、仕来り、神隠し…日本各地であったもの。きっと今も続いているものもあるけれど、いくつかは雪之丞のような誰かが終わらせたのか。何が何だかわからないのに何故か筋が通っている、常世のもの。しかし朝日は、怖くないし、そこが大好きだと言っていた。現実の朝日はこわいと言って泣いていたし、朝日のいた場所は孤独そのものに見えたけれど…。切ない。不条理だ。神とは祝福とは、なんなのか。誰のせいでもないと描かれているが、雪之丞と共に怒りが湧いてくる。神とは畏れ多くも温かく清廉であってほしい。何が神か。何かの代わりに何かを求めてくるのはちょっと嫌だな。朝日は泣いていた。雪之丞と離れてしまった。大いなるものの前では人間は無力で、それでも神に感謝し、生きていかなくちゃいけない…。繰り返す営み。でもやっぱりそんな素直になれない。朝日は泣いていたもの。一人ぼっちでやってきた雪之丞も、また1人になったもの。。。 -
うーん、ラストは個人的にははまらん。
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すごい漫画だった。読み終わったばかりで、何も言葉が出ないけれど、胸の中からぐわあ、と広がっていくような漫画だった。
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うーん、深いね。
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昨日読了。
物語の深さ、スケール感が圧倒的。
魂をグラグラ揺さぶられる。
この数年で読んだ漫画ではベスト。
多くの人にこの才能に触れてほしい。
60年間封印されていた祭儀の禁忌に触れ、
土着神の妻となることを運命づけられた朝日。
不条理な運命に必死に抗い続ける雪之丞。
そんなりんご農家の夫婦と、
理不尽な神の意思を、
静かに受け入れようとする村人達の物語。
愛や個人の意思、理性主義と、
土着信仰や村人の集合意識、
との二項対立を描いているのではない。
前者と後者が常にせめぎあい、
災いと幸いの流転を繰り返しながら、
千年万年、この人の世は繋がっていく。
そんな大きなテーマ。 -
ハッピーエンド好きには勧めない、そんな終わり方
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アラミタマとニギミタマ、神の二面性を女性誌上で描ききったということは称賛に値するんじゃないかなぁ
モチーフはオシラサマでしょうか? -
最終巻。こんな漫画初めて。最初からまた読み返したい。純文学とか伝統とか神話とか好きな人は面白く読めると思います。表情とかもグッとくる。温度がある。