いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 912
レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063883183

作品紹介・あらすじ

福島第一原発作業員が描く渾身の原発ルポルタージュ漫画! 

「いちえふ(=1F)」とは福島第一原子力発電所の通称。「F」は福島。「1」は第一。
現場の作業員や地元住人は「フクイチ」ではなく「いちえふ」と呼ぶ──。

新人賞MANGA OPENの大賞受賞作として「モーニング」に掲載されるやいなや読者、国内外のメディアからのすさまじい反響を呼んだ話題作がついに単行本化!
ここに描かれるのは「フクシマの真実」ではなく、作者がその目で見てきた「福島の現実」だ。

「メディアが報じない福島第一原発とそこで働く作業員の日常」、そして「この先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実」を、あくまでも作業員の立場から描写。「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」働き続ける作業員たちの日々を記録した、いま日本に暮らすすべての人たちに一度は読んでみてもらいたい「労働記」です。

感想・レビュー・書評

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  • 地方からの電力を貪るのに忙しい都会人は、原発再開反対を唱えながらも再稼働ニュースのドミノに沈黙を決め込む。その意味で都会から福島に乗込む筆者の覚悟は、竜田一人(たったひとり)でなされる見上げた献身だ。

    反面、私の心は何気なく書かれた小さい吹出しに吸い寄せられる。

    「どんな光景もいつしか日常の風景となっていく」(111頁)

    どんな荒廃も日常へと取り込む小さき者達の逞しさは、裏返せば皺寄せや矛盾を自分の生命に甘受すること。これ以上は無理と悲鳴が上がる限界まで。

    福島で作業員としての日常を描く筆者の論調の方向性を極大化すれば、「福島は他の原発とあまり違わず、他よりちょっと大変ってだけ」ってことになってしまわないか?事態はそれで済まされないことは明らか。事故という気づきの機会を得ながら、これまでと同じ日常に飲まれてしまうことこそ問題だと私は敢えて言いたい。

  • 福島第一原発の作業員となって働いた筆者の体験記。

    福島第一原発で働くなんて大変なことだと思ってしまうが、筆者の働く仲間たちは、淡々と働いている。
    それなりに訳ありそうな仲間たちだが、笑い話をしながら、力仕事をこなす。

    この日常的ではない環境のはずだが、日常性を帯びてしまう雰囲気がこの漫画のリアリティーというか凄さなのだと思う。

    正直絵は少し昔っぽい気がするが、体動かすことが好きという作者の人柄とも相まって、男臭い雰囲気が出てて、面白い。

    体験漫画、エッセイ漫画にフィットした内容。
    漫画というジャンルでルポすることで、不必要に重くならず、ビジュアルで直感的に疑似体験できる。
    そこがこの漫画の魅力。

  • 「たった、一人」世の中が忘れたがってる。たった一人現場に立っている。マンガを描き始めた著者の気持ちがへたくそな、いや生真面目な、絵を通して伝わる。
     あったことをなかったことのようにして、オリンピックとか、万博とか、やっぱりここから落とし前をつけないとあかんのじゃないでしょうか。

  • 原子力発電所の作業は、下請けが殆どやっていると聞くが、実態を知らない。その中で、絵で分かり易く知らせてくれる本書は、貴重だ。被爆地住民で、農業等に携わっていた人達が、発電所解体作業に従事するのは、働き口が無いので当然だと思い当たらなかった。また、日給の安さに驚いた。これが何年も続く。オリンピックで浮かれては、いけない。

  • ご安全に! 1Fいちえふ Jヴィレッジ 東京電力が地元に寄贈したサッカー合宿施設だが今は1F収束作業の後方拠点 このボコボコの駐車場も元は緑のピッチだった 通称「青タイベック」(太って見える) シゲマツ製 楢葉町ならはまち 夥しい数の巨大なタンク 野鳥の森 汚染水タンク 計画被曝線量に設定されたADP 免震棟 ヤニで真っ黄色 6次請け以下という多重下請け構造の最低辺に位置する会社 身体サーベイ 警戒区域名物放れ牛 ホルミシス効果 ベニマルご当地チェーンスーパー 放管手帳=放射線管理手帳 人足寄場 南相馬市 猪苗代湖 鶴ヶ城 なんだこのアホな労使交渉 最後のチャンスとばかりにニコチン補給 誰だよ警戒区域は虫の鳴き声もしないなんて言ったのは? 線量を誤魔化す悪質な下請け トイレは災害用キットを使う 経口補水液 作業員の話題はどこでも大体ギャンブルか下ネタだ 湯原昌幸 昭和歌謡マニア いわき平競輪場

  • 福島第一原発作業員が描く渾身の原発ルポルタージュ漫画!
    「いちえふ(=1F)」とは福島第一原子力発電所の通称。「F」は福島。「1」は第一。現場の作業員や地元住人は「フクイチ」ではなく「いちえふ」と呼ぶ──。新人賞MANGA OPENの大賞受賞作として「モーニング」に掲載されるやいなや読者、国内外のメディアからのすさまじい反響を呼んだ話題作がついに単行本化!ここに描かれるのは「フクシマの真実」ではなく、作者がその目で見てきた「福島の現実」だ。「メディアが報じない福島第一原発とそこで働く作業員の日常」、そして「この先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実」を、あくまでも作業員の立場から描写。「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」働き続ける作業員たちの日々を記録した、いま日本に暮らすすべての人たちに一度は読んでみてもらいたい「労働記」です。(Amazon紹介より)

  • 絵が全く好みじゃないけれども、原発での仕事内容などわかりやすく書いてあって、ためになった。

  • 一番驚いたのは、ほとんど仕事の待機で、現場近くの寮に入って寮費と食費がかさんで行く、初任給は手伝い数日で、そこから寮費と食費を引かれ手元に残ったのは14560円ということ、判子を買ったらそのまま預かられてしまって、どんな書類に押されてるかわからないこと。実際に働いた人の話は興味深い。

  • 福島原発の作業員
    どんな人が、わざわざ危険任務に?
    と偏見もあったけど、普通のおじさん達が頑張っていた。

  • なかなかハードボイルドで良かった!いちえふ、という壮絶な舞台が中心であることも勿論だけれど、日本にあまた存在する「土建屋」さんの裏側を覗けるようで興奮する。なかなかエンタメの登場人物にはならない人々の、泥臭い仕事場奮闘記。

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著者プロフィール

大学卒業後、職を転々とし、東日本大震災後、福島第一原子力発電所の作業員となる。

「2015年 『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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