- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065125854
作品紹介・あらすじ
78歳の忍(おし)ハナは夫岩造と東京の麻布で営んでいた酒店を息子雪男に譲り、近所で隠居生活をしている。
年を取ることは退化であり、人間60代以上になったら実年齢に見られない努力をするべきだ、という信条を持つハナは美しさと若さを保っており、岩造は「ハナと結婚してよかった」が口癖の穏やかな男だ。
雪男の妻由美には不満があるが、娘の苺や孫の雅彦やいづみにも囲まれて幸せな余生を過ごしているハナだったが、ある日岩造が倒れたところから、思わぬ人生の変転が待ち受けていた。
人は加齢にどこまで抗えるのか。どうすれば品格のある老後を迎えられるのか。
『終わった人』でサラリーマンの定年後の人生に光を当てた著者が放つ新「終活」小説!
感想・レビュー・書評
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世の中にはずいぶんと高齢者が多い。自然に逆らわずいわゆる年相応の身なり、行動の暦年齢で生きている人。また少々の顰蹙にめげる事無く主観年齢で生きている人。日本人は未だに(右ならえ)の意識が強いから前者が多いかもしれない。
このお話には様々な箇所に嫌な自分を見た。内館牧子さんの観察眼は正直で「そうそう!解るよ~」とつい共感してしまう。
ただ周りを見てみると、幾つになっても生きる事に前向きな人、楽しんでいる人はやはりどことなく違う。
※(以前テレビドラマ観賞)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内館牧子さんのエッセイと勘違いして読み始める。たぶん裏表紙のキッチリ隙なくオシャレしたおばあさまを作者自身と勘違いしたのだろう。
その自分を律して外見に手を抜かないこだわりはすごいなと思ったけれど、エッセイでこんなことよく赤裸々に書けるなと驚いてたら主人公の名前が出てきて小説だとやっと気づく。
わたしも20代の頃のように「死」が非現実的なものではなく、少し先に見えてきた年代になったが、とはいえまだ若いんだなと気づいた。
後悔しないようにやりたいことやって、セルフネグレクトにはならないように生きたい。
ただ「歯に絹着せぬ」といえば聞こえはいいが、自分に厳しい分か主人公が他人にあまりに意地悪で最後まで好きにはなれなかった。 -
まだ先?かもしれないけど、そう遠くない未来。
心して挑もう(笑) -
出てくる登場人物、みんな生々しくて面白かった。
「老いる」というのは何をどう言い繕ったとしても切ないことだなぁとしみじみ。 -
人生いくつになっても、内面外面の両面で研鑽&自己意識をすべきと感じましたね。
本題の中の岩造の遺言は驚きます。
平気で生きて居る -
「平気で生きて居る」
偽善者で居続けたなら、その人は善者である。
偽装でいい、自分の好きなように生きたい
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ハナさん元気で、服装や生活面に色々気を配り、財政面もゆとりあり、理想的な老後に感じました。
岩造の妾騒動にはビックリした。 画家の由美さんの偏差値ゼロの短大出身の表現は、笑いました。 -
最初の一節を読んでから積読になり、少し経つ。最初に読み始めた時は、はじめの一節にがつんとやられ、書き留めていた。
でも今は、人は外見とばかりに言い放つハナを痛いと思い、鬱陶しい。
ふと、大相撲を観覧し帰路につく内館牧子さんがテレビに映ったときのことを思い出す。
派手目の服と化粧、お供を従え、風をきって歩いていた。すごーっと思った。
ハナは、内館牧子さんか。
人生はなげてはいけない。
自分を慈しみ、自分らしく生きていけたらいいな