ぎりぎりの本屋さん (文学の扉)

  • 講談社
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本棚登録 : 334
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065130506

作品紹介・あらすじ

【対象:小学上級以上】
児童文学のトップランナー5人による夢の競作、ふたたび! 『ぐるぐるの図書室』を描いた5人が挑む今度の舞台は、商店街の奥、その先の路地を入ったところにぽつんとある本屋さんです。

舞台となる本屋さんは小さくて、古くて、なんとなく足を踏み入れるのに勇気がいるようなお店です。なのに、なぜかつぶれない。崖っぷちまで追い詰められながらも、ぎりぎりのところで踏ん張り続けている。そんな本屋なのです。

だからでしょうか。ここに来るお客さんはわけありの人ばかり。それぞれの「ぎりぎり」を抱えた小学生たちが、この本屋さんで味わう、あまりにも不思議な体験。もし、興味がおありでしたら、合い言葉をおぼえてください。その言葉は……、「ぎりぎりだったね」。

感想・レビュー・書評

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  • レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。

    五人の児童文学作家の届ける、競作リレー小説です。

    この本屋さんにやってくる人たちには共通点があります。
    「ぎりぎり」
    どの人もみんな「ぎりぎり」状態のせっぱつまった人ばかり。
    店員は小学五年生くらいにみえるけど「300年くらいやってます」と笑って答える男の子。

    ごく普通の子どもの世界だけど、ちょっと異世界ファンタジー的な要素があります。
    そして、各お話の作家さんは違いますが、全部ひとつづきのお話です。
    小学五年生だけど、初恋あり、友情あり、いじめあり、別れあり。

    最後の『桜の守の狐』に出てくるこりんに、健介くんは、もう一度会えたのかが気になりました。


    以下プロローグより抜粋
    この本屋のことなら町のほとんどの人は知っていることでしょう。ずっとずっと前からここにあるお店ですから。でも実際に中に入ったことのある人は少ないはず。みんな通りすがりにちらっと見るのがせいぜいです。

    それなのになぜかつぶれない。崖っぷちまで追いつめられながらも、ぎりぎりのところで、踏ん張りつづけている。そんな本屋です。

    だからでしょうか。ここに来るお客さんはいろいろとわけありの人ばかり。だからぼくもね、一人一人にあわせて、きちんと対応しなくてはならないわけです。

    お葬式に行く人には減災の本をすすめたり、無理をして自分を見失いかけている人には、ちょっと危険だけどためになる本を渡したり。せっぱつまっている人にはもちろんおトイレだって貸してあげます。
    え?ぼくは誰かって?
    それはまあ、今はどうでもいいことです。
    とにかく、入っていらっしゃい。
    本屋は今日も開店中です。

  • 児童書ですが、面白い☝️。この本屋さんでわたしが巡り合う本はどんな本なのか?。ギリギリのところで教えてもらいたいっ

    • まことさん
      kuroayameさん

      面白そうですね!
      図書館にあるみたいなので、今度借りてみます♪
      kuroayameさん

      面白そうですね!
      図書館にあるみたいなので、今度借りてみます♪
      2020/10/27
    • まことさん
      kuroayameさん

      ご紹介ありがとうございました。
      読了しました。
      面白かったです。わたしも何かこの本屋さんでお薦めしてもらい...
      kuroayameさん

      ご紹介ありがとうございました。
      読了しました。
      面白かったです。わたしも何かこの本屋さんでお薦めしてもらいたかったです。
      でも児童書のレビューって難しいと思いました。
      2020/11/18
  • 「何が」は人によって違うが、「ぎりぎり」の状態の子だけがたどり着ける本屋さん。

    「え?こんなところに本屋さんあったけ?」と見つけた人は必ず口にする、路地の奥にあるふるーい本屋さん。
    見た目の古さとは真逆に、かわいらしい男の子が店番をしている。そしておもむろにその子は「ぎりぎりだったね」とつぶやくのだ…。

    5人の作家さんによるリレー形式の短編集。
    それぞれの個性がありながらも、違和感なく各話が溶け込み、それぞれの話がゆるやかにつながっていたりもする。
    古い本屋さんが、異空間になっているような感じは、ちょっと「コンビニたそがれ堂」を思い起こさせる。

    中学校の図書館にどうかな、と読んでみたが、登場人物が小学生だとこの年頃の子はなかなか手に取ってくれないかも。

    2020.12.22

  • 「ぐるぐるの図書室」「じりじりの移動図書館」を読んでからの「ぎりぎりの本屋さん」(^.^)これは行きたくなるわ~(゜▽゜*)そして「ぎりぎりだったね」って言われたい(^^)最後の質問コーナーも楽しい♪

  • ギリギリの人が辿り着く、ぎりぎりの本屋さん。表紙の店員の男の子がお話のイメージとぴったり。5にんの作家さんのリレー形式、ということで少しずつ登場人物がリンクしていておもしろかった。
    個人的には廣嶋さんの『魔本、妖本にご用心!』が好きかな。不思議な世界だけど、本が逃げ出すなんておもしろい。小学生からすると本を買うって大きなことだったよなって懐かしくなった。こんな書店があったらぜひ私も行ってみたい。合言葉は、「ぎりぎりだったね。」

  • ピンチな時や迷っている時に行ける「ぎりぎりの本屋さん」違う書き手なのでファンタジーだったり多少不穏だったり、個性がある。最初に出てきた菜菜子がラッキーな菜子のお話で、ちょっとまだ弱虫だったのが残念。ベストアンサーのお話が一番好きかな。

  • 本当にギリギリな場面をギュッと集めたお話ばかりでした。小学生の時にこの本を見つけていたら、別の楽しみ方が出来たのかな?学校でならありうるシュチュエーションが多くて、どんどん読めてしまいました。
    キーポイントは、あの男の子ですね。座敷わらしなのか、または別のものなのか。最後に小学生の子と本物の店主の会話が好きでした。訪れる人が「ギリギリ」の時にもしかしたら、また会えるのかもしれませんね(笑)
    最後の5人への質問とかも楽しかったです!

  • 何かぎりぎりの状態の人がたどり着く本屋さん。作者が違うと設定が一緒でも色が変わって面白い。

  • ギリギリにならなきゃ行けないけど、こんな本屋で本を買ってみたい

  • ギリギリの本屋の店番をしている男の子

    お店に来るのはいろんなギリギリの子

    小学生がメインの話だけど読み応えがあって面白かった

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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