開成をつくった男、佐野鼎

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065135846

作品紹介・あらすじ

開成学園理事長・丹呉泰健氏が推薦! 「開成学園の知られざる創立者、佐野鼎! その近代教育にかける情熱を見事に活写した本だ。」

明治の初め、まだ学制が発布される前、現在のJR御茶ノ水駅からほど近くに、日本で初めてと言ってもいい、正則英語を本格的に学べる学校が設立された。その名を「共立学校」という。現在、東京大学合格者数で日本一を誇り、政官財学をはじめ、各界に人材を送り出している「開成学園」の前身である。

長く続いた武士の世が終焉を迎え、近代化へと大きく舵を切り始めた幕末、使節団の随員としてアメリカ、ヨーロッパの土を踏み、文化や教育の現状を子細に見聞し、「人の仕立て方」こそが国を創ると予見して自らの官位を捨て、人を育てる事業に私財と己を投じた男がいた。

佐野鼎――。

これは、近代日本に新しい教育の礎を築き、後の世に多くの逸材を輩出することになる、ひとりの男の物語である。

明治維新から150年の節目となる2018年。この年を締めくくるのにふさわしい、巨弾大河小説が誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 最近、日本人も堕ちたものだと思わずにはいられないようなニュースや出来事が多く、憂いていたところで、この本にであったので、とても胸が熱くなった作品でした。
    時代がかわろうとしている時、新しい知識を得る為の侍たちの覚悟の学び、国の将来を憂い、よくしようという思い。
    こういう先人たちの思いと行いの結果が、現在も学び舎として残っていることが、まずはありがたいです。
    歴史ある開成での学びが、先人の熱い魂を受け継ぎ、よりよき日本を作る若者の成長の場であることを祈っております。

  • 幕末に船で大変な苦労をして海を渡り、ホノルル→サンフランシスコ→ワシントン→大西洋を周り帰国。
    そして遣欧使節としてヨーロッパに。
    まだ日本人が誰も世界を知らない時代に、船の中で英語を学習し、現地でも積極的に人と会い、見聞を広めて尊皇攘夷の風が吹き荒れる日本に帰国した佐野鼎。

    聡明で情に厚く、人の尊厳を敵であろうと守り抜く姿勢を貫き、維新には海外を見た経験から教育の大切さを訴えて男女共学の私塾、共立学校を開く。

    そこからは日本の近代を築いた多くの優秀な人材が生まれた。

    開成というと高橋是清、と思っていたので、本当の礎を築いた佐野鼎のことを知れて良かった。

    特に最後の章、彼の温情が生み出したものに感動した。

    鎖国の時代に世界の中の日本を考えていた素晴らしい人物について知ることができた

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著者プロフィール

1963年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。主な著書に、『自動車保険の落とし穴』(朝日新書)、『家族のもとへ、あなたを帰す 東日本大震災犠牲者約1万9000名、歯科医師たちの身元究明』(WAVE出版)、『開成をつくった男、佐野鼎』(講談社)などがある。また、児童向けノンフィクションに、『柴犬マイちゃんへの手紙』、『泥だらけのカルテ』(ともに講談社)がある。なお、『示談交渉人裏ファイル』(共著、角川文庫)はTBS系でドラマシリーズ化、『巻子の言霊 愛と命を紡いだ、ある夫婦の物語』(講談社)はNHKでドラマ化された。ウェブ記事「交通事故で息子が寝たきりに――介護を続ける親の苦悩と、『親なき後』への不安」で「PEPジャーナリズム大賞」2022特別賞受賞。
公式HP https://www.mika-y.com/

「2022年 『コレラを防いだ男 関寛斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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